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皆さんこんな社会保険制度によく我慢できますね。

2011 - 07/28 [Thu] - 01:03

 先日もお客さんと話のネタになっていたのですが、どうしてこうも日本の社会保険ってめちゃくちゃな制度なんでしょうね?制度を詳しく知れば知るほど「?」マークが出てくる制度って他にはなかなかないんじゃないでしょうか。

 とにかく何が問題かと言えば、大雑把に言って二点。一つは「不公平」、そしてもう一つは「ええ加減すぎ」。

 一つめの「不公平」、これは実際に社会保険を納めておられる方や、いろんな会社の経理を処理している私たち税理士であればもうイヤになるほど実感していると思います。何が不公平なのかと言えば、端的に言って「同じ年収・所得の人の保険料が同じでないこと」ということと、「同じ内容のサービス・リターンを得るために支払う保険料額が制度によってあまりに違いすぎること」です。

 そもそも健康保険と年金保険にはいろんな種類がありすぎます。例えば健康保険を例にとれば、一般的な個人事業主などの国民健康保険、中小企業の協会けんぽ、大企業の健康保険組合、公務員の共済保険、さらには同業者団体の国民健康保険制度(例:税理士の税理士国民健康保険、等)と様々な制度が存在しています。年金保険についても同じ事が言えます。

 そしてそれぞれの保険の制度によって保険料はビックリするくらい違います。同じ年収の方でも倍ほど違うことはザラですので、ものすごい不公平感があるわけです。特に健康保険なんて掛け捨ての保険ですから、こんなものは誰がどう考えても安い方がお得。だったら安い健康保険に加入できればそれに越したことはありません。

 日本全国で同じ医療を受けるための健康保険制度なのに、支払う保険料は加入する健康保険によって全く違うのです。しかもサラリーマンであればこの保険料を自分でコントロールすることはできませんが、中小事業者であれば自分の保険料をコントロールすることができるのが二つめの「ええ加減」なところ。

 例えば私たち税理士は多くの場合「税理士国保+国民年金」に加入していると思われますが、税理士国保は所得が多い方にとっては比較的安い保険料になる一方、所得の多少にかかわらず保険料が一定であることがネックです。また国民年金であるためどれほど生涯所得があったとしても受け取る年金はせいぜい年間80万円程度にとどまります。

 しかしこれだって自分で法人でも作って社会保険に加入すればどうとでも変えられるのです。もし保険料をひたすら安くしたいと思えば、自分が受け取る役員報酬を10万円くらいに設定して社会保険に法人で加入すれば猛烈に保険料は下げられます。

 例えば税理士本人と奥さんが夫婦で健康保険料と年金保険料を支払う場合、「税理士国保+国民年金」のケースであれば次のようになります。(例は近畿税理士会所属の場合)

 ①税理士国保保険料 本人分29,000円+奥さん分8,500円=37,500円
 ②国民年金保険料  本人分15,020円+奥さん分15,020円=30,040円
 ③合計 67,540円/月

 しかし、もし法人を設立して保険に加入すれば保険料は次のようになります。
 ①協会けんぽ保険料 本人分9,329円
  (奥さんは扶養家族のため0円。保険料は会社負担分も含む。厚生年金も同じ。)
 ②厚生年金保険料 本人分15,736円
 ③合計 25,065円/月

 どちらも全く同じように本人負担の医療費で受診でき、年金も夫婦揃って最低の国民年金が確保できるのに、毎月支払う保険料は実に42千円も違うのです。年間にすれば何と約51万円、これが10年も続けば510万円も差が出ます。

 今どきであれば合同会社なら10万円も設立費用は要りませんし、毎年均等割を7万円納めるとしても余裕でお釣りがもらえる計算です。しかも子どもがいるケースでは税理士国保の保険料が更に高くなってくるのでこの保険料の差はもっと広がります。

 そもそも税理士などの自由業者は国民年金が基本ですから、人生設計において将来国民年金をもらうことを前提としているのであれば保険料は安い方が絶対にイイに決まっています。しかも厚生年金に会社で加入すれば税理士本人の保険料を支払うだけで奥さんの年金保険料も賄えます(奥さんは3号被保険者で加入)。

 仮に20歳から60歳まで保険料をかけ続けるとすると、実に2千万円も保険料に差があるのに受け取る年金額は夫婦揃って国民年金に加入しているときと全く同じなのです。保険料の差額だけで田舎なら一戸建てが余裕で一軒買えます。しかも更に驚くことはこれが全く合法的であるということ。

 なぜなら法人を作ったら社会保険に強制加入しなければならないからです。結果的に保険料節減のためのダミー会社設立であったとしても、法人であれば社会保険に加入することが法律で定められているのですから違法でも何でもありません。むしろ法律の趣旨にそって模範的に加入していることにすらなります。

 また、もし将来もっと年金を受け取りたいと思うのなら法人から受け取る報酬額を高くして厚生年金保険料をたくさん納めれば受け取る年金額を増やすことが可能です。ただしこの場合毎月納める健康保険料が高くなるのがネックとなりますが。

 そうやって検証していけば、社会保険制度は実に不公平でいい加減きわまりない制度なのです。いろんな設定を変えることによって納める保険料や、将来受けとることができる年金を比較的自由にコントロールすることができるのです。

 またこんな不正行為を行うこともできます。会社で社会保険に入っている場合においては、社員個人が保険料の半分を負担し、法人が残りの半分を負担して、保険料の全額を法人が納めることになっています。しかしもし法人がこの保険料を滞納している場合であっても、保険の記録上では各社員の毎月の保険料は支払われたものとして記録がつけられていく仕組みになっています。

 これを裏返して悪用すれば、実際には社員から保険料の1/2を徴収していないのに給与計算上は1/2を預かったように偽装し、そして会社がひたすらに滞納を続けて最終的に会社を破産させてしまえば保険料を一円も納めないで社員と社長は将来年金を受け取ることができることになるのです。しかも税務上の社会保険料控除を受けることまで可能です。

 こんなことができる理由は、各個人の年金保険料納付の記録と実際の会社からの保険料納付の記録が直接リンクしていないからこういうことになるのです。もちろん社会保険事務所は会社に対して鬼のような督促をしてくるでしょうし、実際に会社を潰す際にも債権の主張を猛烈に行ってくると思います。

 しかし潰す会社に分配や配当を行う財産がなければ保険料を支払いようがありませんし、社長個人にまで未納社会保険料を支払えとはさすがに社会保険事務所も言ってこれないはずです。最悪社長個人が自己破産してしまえば本当にどうしようもないはずです。

 ・・ということでめでたく保険料を支払わないで年金を受け取ることができるというわけです。これを悪意をもって繰り返していけば下手をすれば全期間の保険料を一円も支払うことなく医者にかかって厚生年金を満額受け取れるのではないかと思えてしまいます。

 しかもこれだって犯罪行為ではないはずです。もし社員から1/2の保険料をきちんと徴収していたのであれば誰も騙していませんから詐欺行為でもありません。法的にはただ単に保険料を支払うことができず、会社が潰れてしまっただけのことです。国が会社から社会保険料を徴収できなかった、というだけの話で終わるはずです。

 とにかく税務にかかわっている税理士から見れば、日本の社会保険制度はあまりに杜撰なのです。納付した保険料額とサービスが全くひも付けで管理されていないからこんなことになるのです。また個人が支払った保険料の多少と受給できるサービスのバランスが加入する制度によって全くメチャクチャなのでこんなことになるのです。

 なぜこんな杜撰でいい加減で不公平な制度が戦後60年も続けられてきたのか不思議で仕方がないほどです。挙げ句の果てには国は大切な厚生年金掛金を使って不動産投資を行いほとんど回収できないで二束三文で民間に売り払う始末。なぜ国民の誰も国、厚労省、社会保険庁の責任を訴えようとしないのか不思議で仕方ありません。

 もしこんなめちゃくちゃな制度で民間企業が顧客を集めて年金保険商品を販売運用していたら一発で潰れるし、一発で訴えられます。それほど国の年金制度、健康保険制度は民間の感覚から見てめちゃくちゃな仕組みなんです。

 とにかく何をさておいても私に理解できないのは、なぜ個人事業主は協会けんぽや厚生年金に加入できないのか、ということ。きっとこれが社会保険の不公平感を最も決定づけていることだと思います。私は社会保険の制度の変遷について不勉強なので、なぜ個人事業主が国民健康保険+国民年金に限定され、法人が協会けんぽ+厚生年金なのか、その理由を知りません。

 しかしこの保険料負担額の不公平さは驚くばかりです。先ほど税理士が法人を作った場合の保険料負担額を比較しましたが、もし個人事業主が法人を作った場合を考えてみますとその保険料負担の差額は税理士のケース以上のものになります。なぜなら税理士国保より国民健康保険料の方が一般的に高いからです。

 そうやって考えてみると、なぜ個人事業主がこんな高い国民健康保険料と国民年金保険料を不当に支払わされているのに誰も国や省庁を訴えず、また年金制度の杜撰な設計と運用について国民全体が国と省庁を訴えようとしないのか不思議で仕方ありません。だって生涯で家一軒が建つかどうかというほど支払う社会保険料額に差があるのに、同じように医者にかかれるし将来受け取る年金も同じなんですよ?

 少なくとももっと自由に個人事業主が社会保険に加入できるようになればかなりの部分が解消されるはずなのですが、その動きは全く伝えられていません。現状では損をしないためには社会保険制度を研究して合法的な抜け穴を探すしか方法はありません。究極的には社会保険制度は職業や会社の規模にかかわらず国民全員が一つの統一された制度に加入できるようになるのがどう考えても望ましいのに、なぜか誰もそれを解決しようとしないところが社会保険制度の謎な部分です。

 税の世界では「公平性・透明性」がある意味生命線のようなもので、役所においてもその点は比較的守られていますが、逆に社会保険の世界では「公平性・透明性なんかどこにあるの?」という世界です。それが税理士という立場から見れば本当に理解に苦しむんですよね。

 だって今でこそ年金特別便みたいなものが送られてくるようになりましたが、ほんの数年前まで自分が一体いくら年金がもらえるのか、ということが年金を掛けている本人に分からなかった、っていう制度ですからね。まさに年金制度は誰にも分からないブラックボックスだったわけです。分からないものに40年も保険料を支払い続けるという不安は尋常じゃありません。 

 こんないいかげんなことやってればそりゃ年金や健康保険の財源がなくなるし、若い人達が国民年金保険料を支払わないはずですよ。だって制度としてメチャクチャすぎて全く信用できませんもの。よくこんないい加減な制度に誰も今まで文句を言わなかったものだな、と不思議でしょうがないですね。

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