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「これからの税理士は租税法律主義で」だって・・。

2011 - 07/22 [Fri] - 00:29

 古い話になりますが、4月15日付税理士界に、特別寄稿として例の武富士事件の最高裁判決に関して弁護士先生がご意見を寄せておられました。

 内容を読めば、別にどーってことはない、なるほどやっぱり弁護士先生ならそう言うだろうな、という程度の内容しか書かれていません。結局のところ最高裁は「いかに租税回避の意図があり、一般の感情で許せない部分があったとしても、この行為を違法と規定する条文がないのであれば法解釈を拡大して課税することは許されない」と判断した、ということが書かれているだけです。

 ・・・そんなもの、新聞や判例で判決の内容読めばわかりますよ、別に偉い弁護士先生にわざわざ難しい言葉を並べていただかなくても。租税法律主義を厳格に守った判決だ、ってことくらい誰だって見りゃわかりますよ。

 で、この先生、締めに「税理士の存在を危うくするのは、租税法律主義の形骸化であり、租税行政庁の恣意的課税である。税理士は・・そのことを再認識すべきである。」と書かれています。それもわかってるよ、今回の武富士事件の最高裁判決に照らしてみるのであれば。

 以前私が怒りにぶちまけてこのブログに書いたとおりですよ。そんなものこの判決に従って我々がこれからの税理士業務を行うのであれば、税法に規定された条文だけを厳格に解釈すればいいということなるわけですよ。通達なんか無視して、たとえそれがあからさまな租税回避行為であったとしても条文に規定されてない行為については納税者にとって不利に課税されることはないと税理士は判断すべきだ、ってことですよね。

 つまり「税理士は租税法の分野において弁護士と同じ意識を持った法律家になれ」ということを意味しているわけですよね?前例や課税庁の事前意見に左右されることなく、ただひたすらに条文を読み込んで租税法律主義に厳格に基づいた判断ができるようにならなきゃいけない、ってことですよね?

 この弁護士先生に言われるまでもなく、そんなものは武富士事件の最高裁判決の結果でわかってますって。ただそれがいいと思うか、イヤだなと思うかの問題ですって。私は租税法律主義を徹底すれば徹底するほど抜け道を探す悪いヤツらを跋扈させるからイヤなんです。そして私たちも依頼されればその抜け道を探す連中の片棒を担がなきゃいけなくなるからイヤなんです。

 つまり「『脱税スレスレのことをやってやろう』と考えている納税者の依頼に税理士は積極的に応えなきゃいけない」という点が私の倫理観の中で大きく引っかかるのです。そりゃ人を殺していても本人が「殺していない」と言えばどんな極悪人の無罪主張だって平気でやる弁護士の感覚ならどーってことない話でしょう。民事においても依頼者の有利になることであればシャアシャアと法廷でウソをついたり卑怯なことをしてもいとわない弁護士の感覚であれば当然のことでしょう。

 しかし我々税理士にはもっと「マシな倫理観」があったと思っていたのです。依頼者の損得だけで動く弁護士の倫理観とは少し違うと思っていたのです。それが「税理士は弁護士よりマシ」と私に思わせてくれていた部分だったのです。弁護士より税理士の方がもっと社会一般的な常識に近い人種だと思える部分だったのです。

 ところが今回の最高裁判決は、税理士に弁護士的な法的発想を求めてきたわけです。こんな最高裁判決が出てしまったわけですから、税理士界に寄稿した弁護士先生が言うように、我々税理士は意識を変えて租税法律主義に厳密に基づいて納税者の最大の利益を追求していく姿勢が今後必要とされるわけです。「独立した公正な立場において」なんて無意味です。私たちが立つべきポジションは100%依頼者の利益を求めるものになるべきなのです。

 もうそうなってくると、税務署は税理士にとって完全に戦う相手ですよね。決して仲良くする相手ではありません。そうなると税理士が国税から脱税指南で、逆に依頼者からは債務不履行で訴えられることが猛烈に増えるでしょうね。私は単純にそういう世界になるのがイヤなんですよね。

 ま、「イヤなら辞めれば?」と言われればそれまで(笑)。確かにね、今後税理士の世界がそうなっていくのであれば、それに適応できないヤツは税理士を辞めるべきですよね。正直そういう方向に税理士が向かっていくのはイヤですけど、私も税理士でメシを食べていかなきゃいけないんで、適応していきますか(笑)。だってしょーがないじゃない。

 今までの税理士の常識は全部捨てて、税理士の仕事をするときは左翼的思想と租税法律主義に基づいてひたすらに依頼者の権利を主張しまくりますか(笑)。ええ、税務調査で何か指摘を受けたときに一言目は「それは条文のどこに書いてある!?アホう、おまえらが勝手に決めた通達やなくて条文のどこに書いてあるんやゆうて訊いてんねん!」と怒鳴り散らすのがこれからの税理士の在るべき姿と言うことになりますね(笑)。

 ああ、ヤダヤダ(笑)。もちろんいきなり喧嘩をふっかける必要はないのですが、でも税法の条文を問いただしながら進めていくことにはなりますよね。せっかく多少でもマシで他人に迷惑をかけない人間になろうと長い間心がけてきたつもりだったのに、いまさら口喧嘩と屁理屈をこねくり回すヤなヤツに戻らなきゃいけないなんて・・。

 それか仕事を2階建てで請けて租税法に詳しい弁護士か学者に法解釈を依頼するか、ですね。会計処理や税務実務は税理士がやり、判断に迷う法解釈については租税法の法律家と組む。本来税理士が全部やるべきなのでしょうが、私も含めて税理士は全ての法解釈について適切にできるとは言えないのでそこは法律の専門家に任せると言うことです。

 それか税理論に強いベテランOB税理士とチームを組むか。うん、どうせならそっちの方がイイかな(笑)。まあ自分の苦手な分野は得意な人と組むのがいいんでしょうね。

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