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土地の液状化現象と固定資産税の関係

2011 - 03/28 [Mon] - 10:44

 千葉や埼玉ではこのたびの地震のせいで液状化現象が起きてかなり深刻な問題が起きています。マンホールが地中から浮き上がり、道路が波打ち、家が傾いています。

 テレビを見ていますと埼玉の方で市が説明会を開催する様子が放送されていました。そこでは「個人の住宅の問題は個人負担によって解決を」と説明する市側と、「市が造成して売り出した土地でこんなことになっているのだから市で面倒を」と主張する住民側とで意見が激しく対立していました。

 ここでふと私は税理士として思うわけです、「固定資産税って、こういう時のために土地を保全させるために徴収していたんじゃないのか?」と。かなり以前に「固定資産税ってナニ?」というタイトルでブログを書きましたが、個人的にはこのときのブログに書いた内容が固定資産税を徴収する側の課税根拠であると今でも思っています。

 し・か・し、もし仮に固定資産税を直接徴収する地方公共団体や、或いは固定資産税を法律として定めた国が固定資産税の課税根拠を「固定資産を所有する住民と市町村との間における受益関係」とか「固定資産が市町村の行政サービスから受ける保護と便益に着目して課される固有の財産税」(金子宏「固定資産税の性質と問題点」)ということにあると考えているのであれば、地震という個人ではどうしようもない不可抗力によって市が宅地造成した宅地が液状化現象によって通常の利用に耐えられない状況になったのですから当然に固定資産税を徴収している地方公共団体が「受益関係」「行政サービスから受ける保護と便益」に基づいて原状復帰する義務がありますよね?

 もし固定資産税を取っているのに、こんな大災害が起きて使えなくなった土地の原状回復を全て住民自身の負担で行うのであれば、固定資産税なんか支払う意味ありませんやんか。これだったら以前に私がブログに書いたように、固定資産税は単なる「ショバ代」「使用料」「おまえらカネもっとんやから税金払え」として徴収しているだけだという話になりますよね?

 ほんと、固定資産税の課税根拠って一体何なんでしょうか?こんなときに個人が所有する土地の原状回復のために固定資産税が使われないのであれば、なんの意味もないじゃないですか。

 社会主義国家と違って自由主義国では土地の個人所有が認められています。しかし現実的な話をすればいくら個人所有が認められているからといっても、所詮日本という国の領土の一部を借り受けて所有しているにすぎず、その土地を国や地方公共団体から「あんた名義で自由に使ってもいいよ」と許可されているにすぎないのです。つまり個人で土地を持っていると言っても、所詮日本国と地方自治体が共同で所有している「底地」の上に「借地権」として所有しているだけの話なのです。

 だからこそ表向きには個人所有の土地であるにもかかわらず毎年固定資産税という「地代」を市町村に支払うわけですし、最終的には相続の際には相続税などによって国が「没収」できるような仕組みになっているわけです。

 そう考えますと、固定資産税を徴収する際にはええかっこするために行政側は「受益関係」だの「行政サービスから受ける保護と便益」などという美辞麗句を並び立てているわけですが、いざ今回のような災害が起きたら「復旧は自己責任で」なんて言い放つなんてふざけんじゃねぇよ、の世界だと思いませんか?お前、こんなときに「行政サービスから保護され、便益を受ける」ために固定資産税を払ってんじゃねぇのか、おまえらずっとそう説明してきたやないか、って思いませんか?

 そうじゃないのなら「固定資産税は単なるショバ代です」「ええ、取りやすいところからなんだかんだと難癖つけて税金取ってるだけです」ってはっきりと言ってほしいですね。その方がよほどスッキリするし、裁判の際にも論点がはっきりするじゃないですか。

 「ショバ代として取ってただけですから、そんなん個人の土地が液状化で歪もうがどうしようが私ら知りません」と行政も言えばいいじゃないですか。でもそんなこと言われたら住民側だって反論できますわね。「おまえら、ショバ代で取ってたんならなおさら行政が直すべきやろが!」って言えますわね。また「おまえらがこんなときに原状回復してくれへんのやったら、固定資産税なんかびた一文支払う必要ない!」って言えますわね。

 結局税金なんて、ずーっと古い昔からの権力者と被支配者の関係で権力者がなんだかんだと難癖つけて被支配者から金を巻き上げるためのカツアゲ行為みたいなものですから、課税に本当の理由なんてないんですよね。だって支配者の気分に任せて金ありそうなヤツから巻き上げてきただけなんですから。それに文句言うヤツがいれば力でねじ伏せて支配下に置いて税と領土を巻き上げていく、そういう国家形成の流れですもんね。

 まあとは言ってもここ100年くらいは民主国家なるものが幅をきかせてきたもんですから、課税するにも法で定めた「民衆が納得する理由づけ」みたいなものが必要になってきています。しかし税の本質は「国家、支配者が自分達の権力を維持するために立場の優位性を利用して被支配者層から巻き上げる金品」に他ならないので、ヤクザ組織の上納金と全く同じシステムなのです。

 ですから別の見地に立てば、優しい国家であればその上納金をつかって被支配者層の生活改善や保護を行ってくれるわけですし、ただの独裁国家であればその上納金は支配者の個人蓄財に回るわけです。

 話がずれてしまいましたが、日本がもし住民に優しい民主国家を自認するのであれば、固定資産税にあれだけもっともらしい理由づけをして徴収を行っている以上、今回の大災害などで被害を受けた固定資産、少なくとも個人ではいかんともしようがない土地の原状回復工事は行政が行うべきですよね。

 しかし固定資産税を単なるショバ代として徴収して、「受益もクソも関係あるかい、おまえらは土地買えるだけ金あんねやから毎年ショバ代払うのくらい楽勝やろ」と行政が考えているのであれば原状回復する義務はないでしょうね。その代わり固定資産税を支払う合理的な課税根拠は完全に失われますから、今後固定資産税の支払い拒否をする訴訟が山のように各地で起こされるでしょう。

 さあ今回の大震災によって被害を受けた各地における土地の原状回復費用負担に関する各地方自治体と国の対応、どうなるでしょうね。今まで平和時であれば誰も深く考えなかった固定資産税の課税根拠が大きく問題視されることになるのかも知れませんね。

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