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TPP参加で日本の税理士制度はなくなります。

2011 - 01/26 [Wed] - 14:00

 TPP参加が最近の社会経済の話題になっています。専らその話題の矛先は農産物の関税撤廃に向かい、その結果日本の農業関係者からの猛反発という形になって報道されることが多いですね。

 農業がTPP参加に反対しているというのはわからないでもないですが、まあ他の日本の産業は様々な世界との競争に勝ち抜きながら今の地位を築いてきたわけですから、農業もやれるだけの努力はしてくださいよ、というのが私の意見ですね。努力しないで補助金だの、農協だのでとりあえず飯が食っていけるっていうのは単なるぬるま湯ですからね。

 ぬるま湯につかっておいてちょっと周りで騒ぎがあると「なんかわからんけど、反対!」ってとりあえず言うのは違うと思いますからね。やるだけのことをやって、血を流すほどの努力を行って「反対!」って言うのならまだしも、何もしないで楽に暮らそうとして「反対」というのでは、そりゃ世間の誰も味方につきませんよ。

 まあTPPの話は勢い農業分野に話が集中しちゃうんですが、前にブログに書きましたように、税理士だって影響はあるんですよ、当然。よくわかっておられない税理士も多いみたいですけど、このTPPというのは物と人の移動を障害なく行おうという趣旨の共同体ですから、当然加盟国同士では関税を撤廃するだけでなく、様々な資格保有者の相互参入も可能にするものなんですね。

 ですからアメリカや韓国の医師免許保有者は日本でも自由に医療ができるようにする。外国の弁護士資格保有者は日本で弁護士活動ができるようにする。当然海外の会計士は日本で日本の会計士と同じ活動できるようになるわけです。

 ここで問題になってくるのが税理士法改正ですよね。今の流れとしては税理士法を改正することで、今までフリーパスで与えていた公認会計士への税理士資格付与を見直そうとしているわけです。つまり会計士も税理士試験の税務科目の合格を税理士資格付与の条件にしようとしているわけです。

 まあ日本の税理士法をそのように改正してしまえば、例え海外から会計士資格保有者が山のように日本国内に流入してきても税理士業務を行う人数が急に増えるということは防止できるかも知れません。しかし税理士にとって恐ろしいのは、税理士制度自体が世界的にはそれほどポピュラーな制度ではないため、税理士制度そのものがTPPによって破壊される可能性があることですね。

 どういうことかといえば、例えば諸外国で税務申告の代理や相談を行う職業として公認会計士がスタンダードであるのであれば、当然日本のTPP参加と同時に諸外国の公認会計士資格保有者からは「日本国内でも公認会計士が自由に税務業務を行えるようにすべきだ!」という圧力がかかるはずなのです。

 ちょっと前に日本の公認会計士協会などから同じような圧力がかかって、それをかわすために税理士業界はこれから税理士法を見直そうとしているわけですが、TPPがらみで日本の税理士制度にかかってくる圧力というのは日本の会計協会からの圧力の比ではありませんよ、きっと。

 かかってくるプレッシャーのレベルが全然違うはずです。だって世界的に資格制度を見直して可能な限り自由にTPP参加国域内で資格業務が行えるようにするのがTPP制度の目的だからです。

 日本の税理士法と税理士制度を楯にして海外の会計士資格保有者からの日本における税務業務開放圧力をかわすことは正直いって相当困難だと思いますね。だって海外には税理士制度そのものがないわけですから、日本の税理士制度を海外の会計士に理解しろ、という方が難しいわけです。逆にそれが海外の会計士資格保有者に対する「非関税障壁」と捉えられかねないのです。

 普通に考えれば、海外で一般的な制度に日本の制度を見直すべきなのであって、それは農業の関税撤廃で一部の農家が不利益を被ることと同じ事なのです。TPPに反対している農家を批判するのであれば、実は私たち税理士もそれなりの覚悟を持ってTPP参加を甘受する必要があるのです。

 だからですね、まあいまさら私の持論を展開するのもなんですけれども、やっぱり会計士と税理士は資格統合すべきなんですよ。TPP云々の話が出てきている今の時期において税理士法を改正して会計士や弁護士に試験合格を税理士資格付与のために条件付けるなんて、ちょっとナンセンスな気がしますよね。

 だって数年後にTPPに加入するのであれば、慌てて今税理士法改正をやったってどうせまたすぐに吹っ飛んじゃうんですもの。まあ降って湧いてきたTPP加入話に、長年時間をかけてきた税理士法改正論議なんて簡単に潰されちゃうってことですよね。

 まあここで少しだけ日本がTPPに参加して海外の会計士が日本で自由に会計士業務ができるようになったら、日本の税理士制度を守るためにナニができるか、ということを想像してみましょう。一つめのケースは当然ながら海外の会計士資格保有者には母国で行っているのと同じように会計業務だけでなく税務業務も自由にできるようになった場合ですね。

 その場合、日本には国内法で税理士法というのがあるので、もしTPP加入までに税理士法が今の素案の通りに税理士法が改正されるとすれば、日本の会計士については日本の税理士法に従ってもらい、TPPに基づく例外措置として海外の会計士のみに日本国内での税務業務開放を認めることが考えられますね。

 でもこれだと当然日本の会計士から文句が出ますし、一方で海外の会計士が税理士登録不要で日本国内の税務業務を認めてしまうのであれば、近いうちに税理士制度そのものが崩壊しますね。だってTPP域内で最も会計士試験が簡単な国に行って会計士の資格を取れば日本国内で税理士も会計士もできるわけですから、誰だってそうしますよね。多分私もそうします(笑)。

 そうなれば誰も日本の税理士試験など受けないし、税理士登録なんてしません。そうして税理士制度は崩壊します。

 逆に日本がTPP加入した後においても、日本での税務業務は日本の税理士法に基づいた税理士しか行えないと突っぱねたケースを考えましょう。会計士が海外から日本にやってきて日本国内で「会計監査業務」だけを行うのであれば自由にしてもらっていいけど、「税務業務」だけは日本には税理士法があることを理由にしてはねるとします。

 これって・・、やっぱり難しいですよね。そんなこと言ったら「だったら日本の税理士法を無くしちゃって、海外と同じように会計士資格で全部できるようにしたらいいじゃないか。なんで税理士なんてわけのわからない制度が日本にはあるんだ!」と全方面から強烈な圧力がかかるのは当然ですよね。

 うん、そういうことでやっぱりTPPに日本が参加して会計士の相互乗り入れができるようになってしまったら税理士制度は無くならざるをえないかな。代わりに今の日本の税理士達は簡単な試験を受けることでインターナショナルな会計士資格を保有できる制度を経過措置として設けることが妥当かな・・。

 だって会計士から見てみれば、TPPに日本が参加することで海外からわけのわかんない会計士がどーっと大挙して日本に押し寄せて日本市場が荒らされるくらいなら、日本の税理士に会計士の資格を付与して大日本人連合を作って日本の市場を日本人で守った方が得策ですからね。

 そう考えていくとTPP参加が日本の税理士制度の大きな転換点かな。転換点というか終焉というか。でも税理士と会計士を統合するためのちょうどよい機会かも知れませんね。これから行われる税理士法改正論議の際にはぜひこの点を踏まえた上で、近い将来の会計士との資格統合を視野に入れて実のある論議を行って欲しいものですね。

 どうせ数年後に逆方向にまた見直さなきゃいけないことが分かっているのに、将来進むべき方向と逆の方向に法改正を行うなんて全く意味のないことですからね。時間と労力を無駄に使うだけの話です。

 税理士業界のトップにはいま大きな視野に立った見識が求められていますね。

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