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白色申告の話

2010 - 06/25 [Fri] - 12:54

 日本には申告の形式として白色申告と青色申告があります。税理士がかかわるような事業者はまず全てが青色申告ですし、税務署なども青色申告のメリットを挙げて青色申告の推進に力を入れています。

 青色申告には青色申告控除や損失の繰越などの各種メリットがありますので、普通に考えれば青色申告の方が良いと思えますが、それじゃあ本当に白色申告にはなんのメリットもないのでしょうか?

 白色申告も青色申告と同様に、自分で利益(所得額)と税額を計算して申告を行います。ですから基本的な手続は青色申告と何ら変わりません。青色申告はきっちりと帳面をつけて、その帳面に基づいて申告期限までに申告をし、そしてその帳面や領収書などをきちっと保管してくれた人には各種メリットをご褒美として享受させてあげようという制度です。

 逆に言いますと、そういう青色申告の「ご褒美」が要らない人、必要がない人にとっては青色申告は様々なしがらみや義務があるだけでうっとうしい制度でもあるわけです。例えば全然儲かっていないでどう転んでも税金が出ない人、またきちんと帳面などをつけて実額で申告すると税金を多く納めなければならない人、あるいは税金をちょろまかしたい人などにとってはむしろ白色申告の方がメリットが大きいのです。

 白色申告のデメリットは何かと言えば、先ほどの青色申告の各種税務メリットが受けられないことの他に「推計課税」を受けることにあります。推計課税とは税金を計算するための資料が適切に揃っていない場合などに税務署が「うーん、あんたの税額は大体これくらいはあるはず!だからこれを納めなさい」と勝手に税額を計算できる制度です。ちなみに青色申告であれば基本的にこれはできないことになっています。

 で、この推計課税を受けた場合、白色申告者は基本的に逆らえません。もちろん異議申立はできますが、異議を申し立てるためには当然ながら推計課税の内容が不当であると自分で証明しなければなりません。証明するためには第三者が納得する資料を用意しなければなりません。そういう帳簿や領収書をわざと隠していたのであればいざ知らず、最初から用意していないのであれば異議申立などしても無駄なだけです。

 と言うことで、推計課税と異議申立が基本的にできないのが白色申告のデメリットですが、それも逆にメリットと捉えることもできます。いくら推計課税を受ける恐れがある、と言っても税務署だって雲を掴むように闇からに税額を出すわけではありません。「推計」と言われるくらいですからある程度の根拠を元にはじき出します。言えば「まあそれほど外れていない金額」を推計するわけです。

 であれば、極端な話、ちょっと儲かってそうだけど自分で帳面つけるのも分からないしめんどくさい、かといって税理士に金払って頼むのもイヤ、と言う人はいっそのこと白色申告でテキトーにすりゃいいわけです。で、その申告内容について税務署が「こりゃアカン」と思えば調査して推計課税で課税してくるわけですから、納税者から見れば全部お上に丸投げすりゃいいわけです。

 これを逆利用しているのが民商ですね。聞くところによれば民商は基本白色申告だそう。だってお上に逆らうのが信条ですからね(笑)。青色申告だと義務も罰則も色々ありますが、白色ならテキトーに申告書を作ろうと、手元に帳面や領収書が残ってなかろうと、知ったこっちゃありません。要するにめちゃくちゃなわけですね。

 で先ほどのように税務署が民商経由の白色申告者の内容がおかしいと思えば税務調査に行って更正や推計課税するわけです。でも基本的にきちんと書類を保管していないし、きちんと計算していないわけですから調査に来れば負けますわね。いくら「不当調査だ!」と文句を言ったとしても。

 でも最初の方に書きましたように、わざと白色申告を選択するメリットというものも有るのは事実なのです。本当に全く儲かっていないような事業をしている方、まともに帳面つけて申告すると経費が少なすぎる方、税理士にお金払うよりも万が一の税務調査や推計課税でペナルティを支払う方が安いと判断する方・・、などは白色申告の方が資料も残さなくていいし、帳面もつけなくていいのでメリットが大きいのです。

 まあこんなことを税理士が書くのはどうかしているかも知れませんが、でもそういうメリットがあることは事実です。税務署から見ても頭が痛い話ですが、でも白色申告を禁止する法律などないわけですからどーしようもありません。「罰金払ってもこっちの方が安いからイイ」と言う相手に対しては何も打つ手がありません。

 実際私たちだって申告の相談を受ける場合に、相手の資料保管の状況や事業の内容によって青色にするメリットが全然ないと思われれば白色を勧めることもあります。その代わり白色だと納税者にとって税理士が処理をするメリットもほとんどないので、できれば自分で計算させることを勧めます。だって税理士が判子ついて申告書出したって、税理士が税務署の調査内容に待ったをかけたり税務署の推計課税に文句を言うことができないんですもの。税理士がかかわる意味がありません。

 ただもう一つは白色でも税理士として積極的に勧めるのはめちゃくちゃ儲かっている納税者の場合。しかも経費が全然ないような場合ですね。具体的には書きませんが、猛烈な不労所得があるような場合。例えば1千万円収入があるけれども経費など実際には0円であるケース。

 この場合まともに申告すれば所得1千万円です。青色申告にでもすれば65万円の控除が受けられますが、逆に経費の資料や帳簿を残しておかなければなりません。ところが白色申告にしてみなし経費として2割程度の経費を計上して申告したとしましょう。意外とこれがそのままスルーされ続けたりするのです、経費率がそれほど高くないので。

 昔は経費率表なんてものが有りましたよね、税金を計算する際には。今でも税務署の中では各種事業の経費割合の是非を見るときにはある程度この数字を参考にしていますので、最低の経費率くらいを計上しておけば引っかからない可能性もあるんですね。

 まあ先ほどの納税者の場合にはこうすることで経費を約2百万円くらい計上して、それがその後のチェックで引っかからないとするならば、まともに申告するよりも簡単に50万円くらい税金が安くなっちゃったりします。

 もし万が一税務調査で引っかかって「経費が高すぎるんとちゃいます?根拠か資料はあります?」と文句を言われたとしても、逆に「いやぁ、そんないちいち領収書や帳面なんか置いてへんし、これくらいはなんやかんやでかかってると思って申告したんやけどぉ?もしアカンのやったら税務署さんで計算して。お願い。私分からへんわぁ。」って税務署に投げちゃえばいいんです。だって白色申告ですもの。で、200万円と計算した経費が推計課税でたとえ半分の100万円に減額されたって青色申告するより結果的にはトクなケースが多いでしょう。

 まあ白色申告にはそういう使い方もあると言うことです。民商のように税務署にケンカ売るために選択する白色申告もありますが、そうではなくまったりとゆるーくトクをするための白色申告もある、という話です。

 ただ納税者全員にそういうことをやられると対応がかなわないので、税務署としてはより精度の高い自主申告方式である青色申告をご褒美をつけて一生懸命推進するわけです。これはこれでもっともな話ですわね(笑)。

 まあ基本は青色申告ですよ。普通の事業で儲かってくればそっちの方が基本的にトクになりますし、税務調査の心配も減りますからね。白色がトクなケースは本当にレアケースか、全然儲かってないかだけです。そう考えると儲かっている人で民商に入って白色申告しているなんて、もうなんて言ったらいいんでしょうか・・。ただただリスキーなだけですよね。

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