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オーナー会社役員給与損金不算入制度の考察、再び。

2010 - 04/01 [Thu] - 14:12

 今日ふとあらためて考えてみました。今年の税制改正からオーナー会社役員報酬の損金不算入制度がなくなったわけですが、相変わらず財務省あたりには何らかの方策を採って同族会社オーナーの税金を増やしたいという意図がくすぶっているわけですね。

 その理由は個人事業主と実質個人事業と変わらない法人のオーナーの税負担に差があるからで、その原因は給与所得控除額にあるわけです。実質個人事業と変わらない法人のオーナーが税務申告を行う際には、法人の決算において事業に必要な経費が損金で落ちていているわけですね。にもかかわらずオーナーの個人の税金を計算する際にはさらに給与所得控除額が効くので、この給与所得控除額相当分だけが個人事業主と比較して税金が安くなってしまっている、と。財務省はそれが許せない、と。

 じゃあ最も簡単な解決策はオーナーの給与所得控除をなくせばいいんですよね?と思って導入したのが以前のオーナー会社役員報酬の損金不算入制度ですよね。でも、給与所得控除額が税金を不当に安くしている原因だと考えるのであれば、世の中にたくさんいるサラリーマンの給与所得控除額だって多すぎませんか?

 よくよく考えてみれば日本の所得税法で認められている給与所得控除額そのものが全サラリーマンの税負担を不当に軽減することになっている原因になっているのではないでしょうか?だって年収500万円のサラリーマンだったら年間154万円も給与所得控除があるんですよ?月換算で13万円弱、そんなに毎月仕事絡みにお金使ってますか?絶対使ってるわけないでしょ?こんなんほとんど生活費が引かれてるだけじゃないですか。

 そう考えれば世の中の多くのサラリーマンは自分の税金を計算するときに生活費を引いて税金計算してもらっているわけで、本来負担すべき税額と比較すれば相当な軽減が受けられているでしょう。じゃあ社員数千人、数万人の会社の法人税と社員全員の所得税合計額を考えた場合、オーナー会社の役員が減らすことができる税金の軽減額とどっちの方が国家の税収に大きな影響を与えていると思います?明らかに大企業の社員の所得税負担軽減額の方が影響は大きいでしょう。

 大企業のサラリーマンや役員達が仕事で使うべき経費は当然会社の申告で経費に落ちてるじゃないですか、普通。じゃあ大企業のサラリーマンや役員達の給与所得控除額だって本来控除する必要などないですよね。違いますか?

 仮に平均給与500万円、社員数1万人の会社についてみれば、所得控除額の合計額は単純計算で実に154億円!これに社員一人あたりの税負担率を最低の15%として掛けるだけで23億1千万円も社員全員の所得税の税収は少なくなっていることになります。(注:分かり易くするために話を単純化しています)

 つまりオーナー企業のオーナーの所得控除額がおかしい、って言うのであれば、そもそもの根源を考えていけば大企業の社員からもこれだけの税金を取らなきゃバランスがおかしいのです。にもかかわらず標的にされたのはオーナー会社役員一人だけの給与所得控除額だけ。

 しかも所得税から取るのではなく、法人税で課税というわけのわからない制度、何で?理屈が通らないでしょ?個人事業主との税負担の差を埋めるのなら所得税でなきゃおかしいでしょ。もし法人税から取るなんて理屈が通るのなら、先ほどの大企業に関していえば法人税負担率を40%として61億6千万円も税金が法人から取れることになっちゃいます。訳わかんない。

 何で世の中の大企業のサラリーマンの税負担軽減には一切触れずにオーナー会社役員個人の税負担だけをことさらに取り上げようとするのか、その意図が明らかにおかしいですよね。そんなことを言い出せば世の中全てのサラリーマンから大反発を喰らうのが目に見えているから、取りやすい中小企業のオヤジから取ったれ!っていうのがミエミエですわね。

 まあでももし仮に給与所得控除額がなくなった結果、「いや、私は仕事に使うためのパソコンや書物を自腹を切って買っているのにそれを税金の計算で引いてくれないんじゃあ困る」というサラリーマンが世の中にいるのであれば、そういう人は領収書を添付して確定申告すりゃいいんじゃないでしょうか。全然難しい話じゃありません。自分の税金を安くしたければ、自分でそれなりに対処すれば良いだけのことで、そんなの自営業者なら誰でもやってることです。

 そう考えていけば、オーナー会社役員報酬の税負担を不公平だという連中がいるのであれば、その解決策で最も有効なのは世の中の給与所得控除額を全廃することですね。そうすればオーナー会社役員の税負担が個人事業主と比較して不当に安くなることもないし、世の中にゴマンといるサラリーマンの不当な税負担軽減もなくなります。簡単な話でしょ?凄く公平な税負担社会の実現です!完璧じゃん!

 しかし・・、そんなことをすれば世の中の全ての人が確定申告を行わないといけなくなるわけで、そのようなことが果たして行政側の人員の問題などから実現できるのでしょうか?将来の全サラリーマン確定申告を見越して税務の電子申告を一生懸命推進しているのであれば、これはなかなか先見の明があるところだと思うのですが。

 でもそもそもの話、オーナー会社役員の給与に関して税負担の不公平云々を持ち出すのであれば、最初からここまで問題の根源を掘り下げて追求する必要があったはずでしょう?問題の根源はオーナー会社役員にあるのではなくて、世の中全ての人が受けている給与所得控除額にあったはずなのに、そこには一切触れなかった財務省と世の中のマスコミはおかしいですよ。

 財務省役人だって給与所得控除額で自分の税金が安くなっているわけですから、本来給与所得控除の問題には触れて欲しくなかったはずなんですよね。結局目先の利益に踊らされてオーナー会社役員給与課税制度を作ったおかげで、財務省役人自身がパンドラの箱を開けちゃったんじゃないでしょうかね。

 しょーもないコトしなきゃ良かったのに。細かいことごちゃごちゃ言わないで黙っておトクな給与所得控除をこれからも受ければいいんですよ。だってお役人もサラリーマンもオーナー役員もみんなそう思ってるでしょ?だったらそれでいいじゃないですか。

 そもそもこんなことで騒ぐことなんかなかったんですよね。みんな幸せに暮らしていたんだから(笑)。

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