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「税務監査証明書制度」の導入を!

2009 - 10/28 [Wed] - 02:52

 会報税理士界を読んでいますと、池田会長の挨拶の中で公認会計士協会が公認会計士資格を持って税務業務を行う措置を求めていることに対して「税理士制度の存在を否定し、申告納税制度を全く理解していないものなので到底容認できない」と発言したとのこと。


 結局こんなことに文句を言って池田会長や日税連は将来の税理士制度や会計士との関係をどのようにしたいのでしょうね?いろいろと業務拡大をはかっていますが、そのほとんどは税務とは関係のない成年後見人、外部監査人や会計参与といったもので、本来の税務代理人としての業務拡大は税務署という役所との力関係の差が大きすぎてほとんど前に進んでいません。


 しかし将来の税理士の地位と収入の向上を劇的に実現させる方法が一つだけあります。それは現在の生ぬるい書面添付制度を「税務監査証明書」に格上げして100%の調査省略の担保にすることです。そうなれば会計士が企業会計にお墨付きを与えるのと同じように、税理士が企業の税務会計姿勢に公的なお墨付きを与えることができることとなり、こうすることで税理士の地位と社会的需要は飛躍的に高まるでしょう。


 当然税理士への報酬も増えるでしょう。下手をすれば公認会計士や弁護士、医者よりも社会的地位は高まるかも知れません。だって税理士がオーケーと証明すれば税務署はその内容に口出しできないわけですから、今まで税理士に申告を依頼してこなかった納税者も税理士に申告代理を依頼するでしょうし、い加減な税務を税理士にさんざん強いてきた納税者も黙らせることができるでしょう。こうなればもの凄い公的権限を税理士は手に入れることができます。


 ただ現状の税理士業務レベルでは税務署がそこまで税理士の税務監査に対して信頼を与えてくれていませんし、税理士事務所が顧客に対して適正な税務会計を指導できていないので今のままでは到底不可能な話です。また現在の書面添付制度は所詮自己判断によるレベルの低い代物なので、こんなものを「税務監査証明」と名前を変えたって何の信頼性もありません。某団体が同じような名称の書類添付で調査省略を税務当局に求めているようですが、私が書いている内容はそんないい加減な制度ではありません。


 この「税務監査証明書」に公的な効力を持たせるためには、例えば「税務監査認定委員会」といった公的な機関によって業務審査をパスした事務所だけに「税務監査証明書」の発行が許される認定制度にするのです。当然課税当局とも連携してその事務所から提出した過去の申告内容の適否や非違状況も審査されます。そうやって信頼される税理士事務所が厳格な業務手順にしたがって厳密に内容を吟味した結果作成された申告書を作成する場合だけこの証明書の発行が許されるわけですね。


 そして時々抜き打ち検査をして条件を満たしていない事務所には「税務監査証明書発行認定事務所」の資格を向こう二年間くらい剥奪すればよいと思います。現行の書面添付制度では過失があった場合には税理士自身がその罰を負うわけですが、「税務監査証明書発行認定」については認定が取り消されるだけで、通常の税理士業は従来通り行うことができます。そういう面では仮にミスを行っても税理士としての処罰は受けませんので税理士への精神的プレッシャーは少ないですが、ただし認定が取り消されるので業務上はやはり大きな痛手となるかも知れません。


 税務署としてもこの制度を導入すれば調査業務は格段に楽になります。公的なお墨付きを得た事務所が作成する申告は端から調査対象から外せばよいですし、当然証明書を発行する事務所への信用は相当アップするでしょう。逆に証明書のない申告や証明書を発行できない税理士の申告書は調査対象に上がりやすくなり、これらを調査すればかなりの確率で非違を指摘できるので大幅な業務効率の改善が見込めます。


 税理士はそもそも脱税に荷担するのが業務ではなく、逆に適正で公平な申告業務の推進に貢献するのが業務ですから、こうやって税務行政の効率化に寄与し、不正な申告の指摘率のアップに貢献することは税理士としても本来喜ぶべきことです。自分の担当する顧問先から税務の非違を指摘されることは税理士として本来恥ずべきことですからね。だって税理士として顧問先の指導ができていなかったことや、自分自身の処理のミスを指摘されるわけですからね。


 それに加えて、この制度が実現すれば今まで税理士間でくすぶっていた試験組、院組、OB組の差別・区別が完全に撤廃されます。つまりどういう経緯で税理士になったかということによる有利不利が完全になくなってしまうのです。「税務監査証明書」の発行が許される税理士事務所はOBであれ、試験組であれ調査がないわけですから、今までのようにOBだから税務署のやり方を知っていて調査に有利だ、といったことは全くなくなってしまうわけです。これからは「税務監査証明書」の発行ができる事務所かどうかが問われるだけになるのです。


 まあ税理士が税理士として生き残っていくための唯一の一発逆転策は税務監査証明書(=書面添付制度)の効力をどこまで高めることができるか、ということしかないでしょうね。税務監査証明書の発行が許可される事務所と許可されない事務所では顧客や納税者から寄せられる信頼が格段に差がでますから事務所の差別化やランク分けが進むことになってしまうでしょう。しかしその結果いい加減な業務レベルの税理士事務所は淘汰されざるを得なくなりますから、信頼される税理士制度維持のためには望ましいことです。


 ただこういった制度の確立を待っていると時間がかかりますから、先ず今からでも我々にすぐにできることは、いたずらに書面添付を普及させることに腐心するのではなく、書面添付を行う場合は本当に100%完璧な税務を行っていると自信が持てる顧問先にだけ書面添付を行うように改めることです。税理士としての職を賭けても絶対に適切な税務を行っている、と自信がある顧問先の申告書だけに書面添付するのです。たとえそれで書面添付を行っていない顧問先の税務調査が増えたとしても、この制度の信頼性を高めるためには税理士にもそれ相応の覚悟をもって書面添付にとても重い価値を与える必要があるのです。


 そして当然ながら書面添付を行う場合には厳格な基準に基づいて作成されなければなりません。ですから早急に日税連と課税当局で話し合って「これだけ記載されていれば信頼に足る」と課税当局から感じてもらえる作成基準を策定しなければなりません。そしてその基準を満たすことができないのであれば書面添付を禁止するくらい厳格に基準を設定しなければなりません。


 そうやって課税当局から一定の信頼を得られたら、いよいよ公的な「税務監査認定委員会」を発足させ本格的な「税務監査証明書」制度の導入に移行するのです。そしてこの制度をマスコミなどを通じて世の中に周知させるのです。「税理士は新しく『税務監査証明制度』を導入します。これは内容に不正がないと税理士が認定した決算書と申告書だけに添付される証明書で、この証明書があれば税務調査は行われません。この証明書の発行が行われるためには、各納税者が税理士の指導にしたがって適切な決算と税務を行わなければなりません。」と告知するのです。こう言われれば真っ当な納税者なら税務監査証明書が発行してもらえるように税理士に協力するでしょう。


 要するに会計士と企業との間で監査証明書を発行するために緊張感と厳格さが求められるのと同じように、税理士と依頼者との間でも税務監査証明書を発行して欲しければそれ相応の緊張感のある厳格な処理が行われるようになればよいのです。それができなければ証明書を発行しない、それで良いのです。「証明書が不要であれば今までと何ら変わりません。調査に来るか来ないかは時の運です。でももし私たちの指導内容に従った処理をしてくれるのであれば税務監査証明書を発行します。当然監査証明書報酬は別途必要になります。しかしこの証明書を提出すれば税務調査は絶対来ません。どちらにするかはお任せします。」と判断を顧問先に投げれば監査証明付きの業務を求める顧客が多いのではないでしょうか。こうなれば税理士への信頼感、社会的地位はグンとアップするはずです。


 まあ税理士の生き残り策はこれしかないでしょうね。これを実現させないのであれば、税理士は早急に会計士に吸収されるべきだと思いますし、吸収されなければ会計士の人数増加とともにいずれ自然消滅してしまうと思います。税理士が生き残るためには税務以外の生き残り策はないのだ、ということを強く心に刻んで制度改革に望むべきだと思いますね。

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