税理士もりりのひとりごと

税理士もりりがぶつぶつと日ごろの出来事についてひとりごとを綴っていきます





  税理士もりりのひとりごとのナビゲーター   トップページ > 税理士 > 「分かりやすいということ」(税理士界1261号より)  

「分かりやすいということ」(税理士界1261号より)

2009 - 10/18 [Sun] - 12:31

 日税連が発行する税理士界という会報はとてもいい意見が書いてあるんですよね。今回の第1261号でも「発言席」という意見ページに東京地方会の高橋昌也先生がいいご意見を書いておられました。タイトルは「分かりやすいということ」。


 ご意見を要約しますと、まず税理士の仕事が端から見ていてカッコ良く見えない。だから新しくなろうとする人達が減ってきている。カッコ良く見えない理由は端から見て何をやっている人かわからないから。では税理士も顧客を含めた税理士以外の人達に自分達がどのような仕事をしているのかをもっとわかりやすく発信していかなければならないのではないか、といった内容ですね。キーワードとして「税理士にとって最大の課題は『わかりやすくすること』」と書いておられます。


 全く私も同意見ですね。本当に素晴らしいことを書いてくれています。よく言われていますでしょう、「難しいことをさも簡単そうに行うのがプロであって、難しいこと(或いは「簡単なこと」)を難しそうにするのはアマチュアだ」と。本当のプロであれば、難しいことをさも難しそうに見せる必要もないし、そんなポーズを取らなくても仕事の出来映えを見ればその素晴らしさが伝わるので報酬も顧客からきちんともらえますものね。

 
 アマチュアや素人は仕事の出来映えに自信がないから「こんな大変な仕事をこんなに労力をかけてやりましたよ」ということを必死でアピールしないと誰も誉めてくれないんでしょうね。でもそういう姿勢って顧問先から見ると少々ウザいんですよね。「だってお前らプロだろ、そのくらいのことやって当たり前じゃないか」って思われるんですよね。


 また本当に賢い人、物事を理解している人、専門家はたとえ相手が小学生であったとしても、その聞く相手のレベルに合わせて相手が理解できるような言葉を使って説明することができます。なぜなら物事をよく理解しているので、難しい専門用語を相手がわかりそうな平易な言葉や表現に置き換えて説明することができるからです。


 私たちがかかわっている税務会計もとても難しい言葉が多いですが、これをそのまま顧客に使ったって相手は税の専門家ではないのですからわかるはずがありませんし、税務の専門用語をそのまま顧客に対して話すということは全く相手のことを考慮していないことを意味し、場合によっては話している本人が理解できていないことを意味することにもなるのです。


 税理士の中には経営者にも経理と税務の勉強してもらって経営者に税務会計の専門用語で税理士と会話ができるようなレベルになって欲しい、という方もおられます。しかしそれは正しい話でしょうか?なぜ会社経営の専門家が税務や会計の専門家になる必要があるのでしょうか?そんな無駄な労力を経営者に強いるべきではないと私は思います。


 彼らは会社全体の向かう方向や拡販などの経営全般について能力を注ぐべきで、会計や税務は経理担当者や税理士に任せておく方が望ましいと思います。そして経理担当者や税理士から経営に必要な情報をいつでも随時アドバイスもらえばいいのではないでしょうか。経営の神様である松下幸之助氏が税務会計の隅から隅まで知っていたとは思えませんし、もとよりそんな必要はないでしょう。


 そうなると税理士は会計や税務の専門家でない経営者に会計・税務に関する必要な情報を経営者が理解できるようにしっかりと伝える義務があります。なぜならそれこそが税理士の仕事だからです。決算をして税金の計算をして申告するだけが税理士の仕事ではありません。その作業の過程で税理士が気付いた会社の経営に有益な情報を経営者に正しく伝えることも税理士の重要な仕事の一つです。


 ですから「経営者自身がそれをわかるレベルの知識を身につけて欲しい」と税理士が経営者に願うなど、どこまで勘違いした発言だろうと思ってしまいます。それをかみ砕いて経営者に説明するのが税理士の仕事です。それは税理士さん、「あんた」の仕事なんです。思考が全く逆です。


 税理士事務所の事務員や税理士も当たり前のように「受配」だの「配特」だのという自分達がわかる略語を日々使って仕事をしていますよね。どの世界にもそういう略称だとか、横文字の言葉とかが業界語や流行言葉として使われますが、私はこういうのがあまり好きではなくて、専門家ぶった業界略語や横文字言葉を使うことは事務所内でも極力使うことを避けています。なぜなら日々使っているとクセになってしまい、顧問先との話の中でもふと使ってしまうからです。


 またもし事務所員が私に対してそういう最新の横文字などを使うと、たとえ私がその言葉の意味を知っていても「それ何?どういう意味?悪いけど日本語で分かり易く言ってくれる?」とわざと問い返します。ところがこう訊くと、訊かれた相手は大抵上手く説明できません。つまり全然その言葉を理解していないで使っているのです。自分がわかっていない言葉を他人に対して平気で使うなんて失礼な話ですよ、全く。顧問先に対してそんな話をしたら失礼だし、相手をバカにし過ぎです。


 またこんな「配特」だの「受配」などと業界用語を言われても顧問先はきょとんとするだけで、「こいつ何言ってんだ?」と思われるだけです。時々顧問先との電話でワーッとすごい勢いで試算表の数字を専門略語を交えながらまくし立てている職員がいますが、これなど顧問先から見れば迷惑千万。せめてその試算表のポイントに印でも入れたものををファックスで送って、その後で改めて平易な言葉で確認するくらいの配慮が欲しいものです。これはもう仕事の進め方に間違いがあるとしか言いようがありませんが、業界略語などを使って特権意識などを持つとこういう仕事の進め方を平気でしてしまったりするのです。


 また税理士の中には「素人にもわかるような説明などしているようじゃ、税理士の重み、ありがたみを顧問先に感じさせなくなる。」と考え、わざとこう言ったことを行わないで威厳を保とうとする人もいるでしょう。もちろんそれもその税理士の営業姿勢ですが、それが続けられる税理士ってどれほどいるのでしょうか?


 まあ続けられる人にはその調子で続けてもらえば結構ですが、私自身は到底そんなことができるような威厳も自信もありません。何より私はもっと顧客の理解を得て顧客に感謝してもらえる税理士でいたいと思っています。ですからたとえ経済的に成功を収めて他人からお褒めの言葉をいただくことがあったとしても、態度だけは今と変わらないでいたいと私自身は思っています。


 繰り返しますが、本当に偉い人、賢い人、仕事ができる人は素人相手に専門用語や業界用語、横文字言葉を使った話はしません。税理士が行っている業務をわかりやすい言葉で広く多くの人に正しく伝えること、とりわけ最も大切な顧問先に私たちが行った業務の内容と結果を正しく理解してもらえることに努めることは当たり前の話だと思います。


 その当たり前のことを当たり前にできることこそがプロフェッショナルとしての税理士の仕事であり、そうすることで税理士の仕事が世の中で正しく理解され、敬意を集めたりカッコイイと思ってもらえることにつながるのではないでしょうか。また当然ながらそうあることが税理士の経済的な成功にも直結するのではないかと信じています。


 日税連もこんないい話を税理士界に全面ページで掲載するくらいなら、もうちょっとやらなきゃいけないことが在るんじゃないの?って思っちゃいますよね。「先ず隗より・・」という話でしょうかね。専門家、プロとしての仕事を果たせない推定数万人の税理士を税理士として登録しておく必要があるのでしょうか?社会要請的にも、税理士制度維持のためにも。


 まさか会費を集めるためだけに登録させているわけじゃないでしょうね?「幽霊会員ほど支部にとって有り難いものはない」と平然と言い放つ支部長さんもいるくらいですからね。それはある意味そうでしょうが、根本は間違ってますよ。こういう間違った考えを持った頭がいるから全体が腐るんですよ。

関連記事

トラックバック

http://moriri12345.blog13.fc2.com/tb.php/387-92003fce

 | HOME | 






プロフィール

もりり

Author:もりり
当ブログにお越しいただきありがとうございます、税理士のもりりです。のんびりと、時々辛辣に日々感じたいろいろなことを自由に書いていきたいと思います。

最新記事

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード