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大企業の埋蔵金話

2009 - 02/01 [Sun] - 02:06

 企業の内部留保額について批判的な声をしばしば耳にしますね。その内容は「企業は赤字決算で厳しい、厳しいといいながら、実は国家予算に匹敵するほどの内部留保額を持っている。実にけしからん話なので、その埋蔵金を今こそ雇用確保などに有効に使うべきだ。」とのこと。私もこういう仕事をしているにもかかわらず内部留保額というのが具体的に何なのか分からないので、よくよくこういった論調の中身を見ていますと、どうやらここでいう内部留保額とはいわゆる貸借対照表上の利益剰余金あたりのことを指しているようです。その利益剰余金がたくさんあるのだから有効にそれを使いなさい、というのことのようです。


 こういう論調に出会うと「ああ、またこんなわけの分からんことを素人がギャーギャー言って。」と思いますね、正直。そんな事言われたって会社はどうしようもないですよ。以前顧問先の小さな会社の社長からも同じ質問を受けましたよ。「うちにはこんなに利益剰余金があるけど、これはそれだけのお金がどこかにあるってこと?そんなお金どこにもないけど、これはどういうこと?」。冒頭の「埋蔵金」「内部留保額」も正にこの社長の質問と根本は同じ。簡単に言えば利益剰余金は毎期の決算の損益計算上の利益額を積み上げていった金額です。一年目に百万円純利益が発生し、翌期も2百万円純利益が生じれば計3百万円の利益剰余金が発生している、と単純に言えばそういう話です。企業が今まで儲けてきた金額の総額がここに書いてあるわけです。


 じゃあその3百万円が会社に現金や預金で残っているのか?と言われると、そりゃあ超優良な企業であればそれだけのお金が実際に残っていることもあるかもしれませんが、普通は残っていませんよ。なぜか?仮に一期目に百万円の利益が発生しそっくりそのまま百万円の現金が増えたとしても、通常儲かったお金をそのまま手元においておく経営者はいません。通常はさらに大きな儲けを得られるように翌期は固定資産を購入するなどの投資に使うはずです。特に上場企業であれば必要以上に現預金を溜め込んでいる企業は利益の再投資やキャッシュの使い方が下手糞で、配当も低い企業として評価が落とされたり、或いはM&Aの対象になるだけです。ですから利益が生じて現預金が増えてもそれを再投資や配当に回すことが投資家から要請されているので、利益剰余金が例えどれほどあろうと実際には企業はそれだけの現預金を持っていないのが普通です。特に歴史の長い企業であれば少しずつでも利益剰余金は増えていっているでしょうから、貸借対照表上はかなりの利益剰余金が計上されているのは当たり前の話でしょう。


 それを「埋蔵金」などと称して、さも企業が隠し金でも持っているかのように表現し、それを世のため人のために使え!的な論調でマスコミがバッシングを行うことは大いに間違っていると思いますね。先ほどの中小企業の社長も同じ疑問を持っていたわけですが、貸借対照表を指し示しながら「いえ社長、儲かったお金はほらこうやって貸借対照表の左側にある固定資産とか、投資等とか、そのあたりの財産に姿を変えているんですよ。社長もそうやって儲かったお金を会社のために使ったじゃないですか、だから手元にそれだけのお金は残ってないんですよ。」とご説明すると納得してくださったようです。


 いったい誰がこんなことをマスコミでギャーギャー言い始めたんですか?最初に言い始めた奴も、それを見て「そうだそうだ」と同調して書き始めた奴も全然分かってない奴らじゃないですか。それでこういう記事を読んだ一般の方々はなおさら分かっておられない方々なので、マスコミが書いてあることを鵜呑みにしてまたこの論調に同調するわけです。マスコミもあんまり無責任なことを書くもんじゃないですよ、ほんとに。馬鹿丸出しじゃないですか、こんなんじゃあ会計学を学校や大学で習い始めた初学者が自分の持っている狭い知識でエラソーに言ってる話と一緒じゃないですか。以前ブログに書いた「減価償却の自己金融効果」で文句言ってきたバカな奴と全く同じですよ。物事の根本が分かってない奴がちょっと授業で聞きかじったくらい全てが分かったようにギャーギャー言うんじゃないですよ。


 てなことで、最近話題の「企業の埋蔵金」話、結局はそういうことですよ。本当にそんなに企業にお金があったらとっくの昔に従業員や組合からもっと文句が出たり、或いは投資家から配当金増額の要請を受けてますよ。分けわかんないことをよく調べもしないで天下のマスコミ様がさも事実であるかのように無責任に書くことはやめて欲しいものですね。世に多く出回っている健康商品、美容関連商品なども同じような感じですけどね。マスコミに出てくる話って結構いい加減なもんですよ、よくご注意あれ。

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