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消費税の軽減税率、飲食店についてもう一度考えてみる

2018 - 10/18 [Thu] - 13:58

前回のブログで来年10月に消費税の増税実施の際に導入される複数税率について、飲食店で食事をする場合も条件を定めて軽減税率を行うべきじゃないか、ということを書きました。で、その後またいろいろと考えておりましたらちょっと思いつくところがありましたので、続けてこの件につきまして書いてみたいと思います。

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現時点で来年の10月に施行される新消費税法においては、食料品等については店舗で飲食する場合には10%の通常税率、持ち帰って家などで食べる場合には8%の軽減税率が適用されることになっています。しかし、この税率の差について例えば「憲法における法の下の平等に反する。店舗飲食の際にだけ通常税率が課されるのは到底平等と言えず飲食店を不当に差別しており違法だ!」と国を相手取って裁判が起こされることなどないのでしょうか?

なぜなら、わかりやすいケースで考えれば、例えばハンバーガーショップでハンバーガーを買った場合、ハンバーガーの値段は税抜で200円と一律であるにもかかわらず店内飲食の場合は消費税率10%で税込220円、持ち帰りの場合には8%で216円になるわけです。しかし、この220円と216円の価格差について消費者や事業者が納得できる理由付けができるでしょうか?

本体価格はどちらも同じ200円であり、店内飲食においても持ち帰りにおいてもその商品価値にはなんの違いもないのに、適用される消費税だけが方や20円、もう一方は16円になる理由などありませんよね、どう考えたって。なので同じ食事を提供しているだけに過ぎないのに、店舗内飲食の業態店では通常税率が課され、一方で持ち帰り専門店では軽減税率が課されるのは差別的ではないかと考えられるわけです。

で、このように「憲法に定める法の基の平等に反しているのではないか」と指摘された際に国税側はその批判に耐えられることができるだけの法的根拠を持っているのでしょうか?(もちろんそこは考慮済だと思いますけれども)。

仮に店内飲食における店員の店舗清掃、片付け、飲料水やお茶などのサービス提供が店内飲食における通常税率適用の根拠であるとしても、ハンバーガーのように持ち帰りと店内飲食との間に価格差がないのであれば、顧客が支払う価格に店内飲食の際に受けられるサービス料が含まれているとは言えませんよね?だから店内飲食と持ち帰りで適用する税率を変える理由になるとは思えませんよね?

もし店内飲食のサービス提供が通常税率適用の理由であるとするならば、店内飲食の際にはその食事本体の価格とは別にサービス料が加算されるべきであって、食料品本体は軽減税率が課され、サービス料には通常税率が課される、というのであれば理屈として納得できます。

でも店内飲食に対するサービス料が価格に上乗せされないにもかかわらず、同じハンバーガーを購入しているにもかかわらず消費税が二通り存在することは納得いかないし、とても平等に課税が行われているとは言えないし、ある意味差別的な課税だとも言えるように思います。

今回の飲食に関する通常税率・軽減税率の適用についてはほとんどヨーロッパにおける適用状況をそのまま日本に持ってきているように思うのですが、そもそもヨーロッパでの飲食店舗では食事本体の料金の他に別のサービス料というのが加算されているのではないでしょうか?あるいは食事の提供の方法が日本とは異なるシステムになっていたり、飲食店で食事をとるという行為に対する概念が日本人とは違う、という背景があるのではないでしょうか?

ヨーロッパのことは明るくありませんが、例えばアメリカではレストランでは各顧客に専属のウェイター・ウェイトレスがつき、彼らがオーダーを取り、料理を運ぶ、などのサービス全般を行い、そしてそのサービスに対して顧客はチップという形でサービス料を上乗せして料金を支払うシステムになっています。

そういった日本の事情とは異なる背景があって店舗における飲食と持ち帰りとの間に税率の差があるという可能性はないのでしょうか?我々だって高級レストランや高級料亭ではただ単に食事を食べる、という行為以上の価値を見いだそうとすることがありますが、ヨーロッパの人たちにとって普通の飲食店で食事を行うことであっても単に料理を食べるということだけにとどまらず、それに伴ってそれぞれの店が提供するサービスを楽しむ場所であるという感覚が強いのかも知れません。

そういった社会的背景があるからこそ、店内飲食では通常税率になり、持ち帰りであればそのサービスを受けないので軽減税率になるのかも知れません。

しかし日本の一般的な飲食店においては食事の代金の他にサービス料が含まれていることはほとんどないですし、顧客の側も店員の特別なサービスを受けるためにお店で食事を食べようと思うことはまずありません。日本人にとってはお店で食事をすることは、ただ単に「お店でご飯を食べる」という以上の意味はないことがほとんどだと思います。

もしそういう社会背景の違いがあるのであれば、ヨーロッパにおけるそういう事情を丁寧に説明しないでヨーロッパでの食料品に関する複数税率制を日本にそのまま導入することははあまりに乱暴ではないかと感じますね。

もしそういった社会的背景があった上でヨーロッパでは食事に対して二つの税率が存在しているのであるとすれば、そういった社会的背景がない日本で「二つの消費税率は法の下の平等に反して差別的な課税だ」と指摘されてしまうと、国税側は勝つ理屈がないのではないでしょうか?

税理士会は今でも複数税率導入反対の姿勢を貫いているみたいですが、そんなことより店内飲食に関する軽減税率適用の実現に尽力すべきではないでしょうかね?もし税理士会の活動によって飲食店舗における軽減税率適用が実現されるのであれば、飲食業界から大いに感謝されることでしょうし、併せて広く世間からも税理士に対する評価を高めることにつながるように思うんですよね。何しろ日常的に関わることが多い飲食に関する話ですからね。

前回のブログにも書きましたように、将来消費税率が15%、20%と上がっていくことを見据えた場合、食料品などの最低限の生活必需品については遅かれ早かれ軽減税率か非課税が導入されるべきであることはしかたないところです。そう考えるのなら、税理士会は複数税率導入について反対を行うのではなく、複数税率制度をより良いものにしていくための議論を行い、そして政府に働きかけて提言を行うべきだと思います。

もっと言えば新聞が軽減税率なのは全く理解できないですね(笑)。今どき新聞が情報を得るための唯一で不可欠な手段と言えない中において、雑誌やNHKの受信料が通常税率であることを考えれば日刊新聞だけが軽減税率適用されることには全く合理性がないです。

こういう税制の矛盾や不合理さについて政府に粘り強く働きかけていき、より公平な税制が実現されるように努力していくことも書く税理士や税理士会が行うべき重要な役割ではないかな、なんて思ったりします。

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