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滞納は消費税がダントツ

2018 - 08/13 [Mon] - 14:22

国税庁から平成29年度の租税滞納状況の公表がありました。それによれば消費税の滞納件数が圧倒的に多いことがわかります。

平成29年度租税滞納状況について

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これは税理士業務を日々行っていますと、なんとなくわかる気がしますね。それなりに売上高がある事業者さんでしたら、年間の消費税納税額は100万円を超えることはザラです。にもかかわらず、ほとんどの中小法人は赤字申告ですから法人税等がありません。

つまり赤字でヒーヒーいって法人税を納める必要がないのに、消費税だけは100万円納めなきゃいけないわけです。これは普通に考えて払えるはずないですよね。だって普通の個人の日常生活を考えていただいてもわかると思いますけど、年に何回か来る一回の納税額がせいぜい数万円程度の固定資産税なら払うことにそれほど四苦八苦しないかも知れませんが、いきなり100万円の税金を納めろ!と言われるとほとんどの人は「そんなの払えません」と言うと思います。

税務署さんに言わせれば「消費税は預り金なのだから、それはきちんと手元に残しておかなきゃいけない。事業資金に使っちゃったらダメですよ」ということになるのですが、世の中の中小事業者は資金繰りに苦しいところがありますので、いくら預り金だとわかっていても目の前にお金があれば使ってしまいたくなるのは人情です。

もちろん年間の納税額が100万円にもなる事業者であれば、予定納税で前年の申告納税額の半額を予納することになっているのですが、その税額も50万円とかになってしまうのでこちらも結局払えないわけです。

なかなか難しいですね、消費税の滞納問題は。「預かったお金なんだから、すぐ納税するのが当り前。使い込んでしまうなんてもってのほか」という税務署の指摘はよくわかりますけど、先ほど書いたように法人税や源泉所得税などと比べて納税額が大きすぎるんですよね。予納がないレベルであっても、決算を行って法人税とかは地方税の均等割の数万円だけなのに、消費税だけ50万円!とか納税額が出ちゃうわけです。

均等割しか払っていない企業にとっては、儲かってないからこそ赤字になるわけですからお金なんて残ってないです。税込経理で決算を考えてみればわかりますけど、年間の消費税額を損益計算の租税公課に持ってくる前の状態で決算が既に赤字になっているわけですから、やっぱり納税資金なんか手元に残っているはずがないんですよね。

中小企業の経営者の頭では、消費税は預り金という感覚などなく、まさに日々の商売は税込で損した得したの世界であって、年に一回支払う消費税は預り金を支払っているのではなくて、「租税公課」という「経費」を払っている感覚です。それはまさに税込経理の決算書通りの感覚であって、税務署の方がおっしゃるような「税抜経理が基本で、消費税は預り金」という感覚とは違うわけです。だから決算が終わった時点で納税ができなくなっちゃうんです。

結局のところ消費税を度外視した税抜額で商売の損得をみていないから決算のあとで消費税の納税が苦しくなってしまうわけです。普段は税込で損得を考えてしまうので消費税の納税額相当分余分に儲かってお金も残っていってしまうことになり、経営者は「儲かってるんじゃないの?これで問題ないやんか」と勘違いしちゃうわけです。ところが最後にその儲かったと思ったお金が消費税額として全てなくなってしまうわけです。

だから税込経理の頭で売値を決めちゃいけないんですよね、当り前の話ですけど。税込経理の売値で粗利8%の商売なんかしてたら一銭も儲かってないわけです。結局赤字の中小事業者はそんな商売ばかりしてる、ってことです。事業者はしっかりと税抜で粗利を取って、その上にさらに消費税を上乗せして売値を決めなきゃいけないんです。普通の小売りでも税込経理で粗利が30%近い売値でないと絶対儲かりませんし、消費税率が10%になれば税込粗利が30%は絶対にないと結構しんどいはずです。

預り金という考え方が事業者に理解しにくいところが消費税の滞納が多い理由だと思いますが、それならば逆に税込経理で考えて、年間の消費税額相当額は期末まで利益としてプールしておかなきゃいけないということなんです。税込経理で損益を考えた場合には最低でも消費税相当額以上の利益を決算前までに上げておかなきゃいけないんですよね。

消費税率が高くなればなるほど、期中にお客さんから受け取る金額が増えるので、期中の資金繰りや税込の損益だけみてるとまるで儲かっているように思ってしまうんですよね。でもそれが大きな落とし穴。同じように商売をしていると、消費税率が10%になってしまうともっと地獄を見るようになってしまいます。

だから事業者さんは、消費税の納税があることを常に頭に置いて、もっと儲けないといけない、ってことですよね。そして消費者も消費税の税率が上がっていけば税込の価格が高くなるのは当然、と理解を示さないといけないですよね。結局のところ消費税はその名の通り「最終的な消費者が負担する税」なわけですから、消費者がその税を出し渋って税込の買値を必要以上に叩いてしまうと、事業者が資金不足で消費税を納税できなくなってしまって、結局なんのための消費税なのか?ってことになっちゃうわけです。

ほんとに消費税って中小事業者にとっては納税に頭を痛める税金ですよね。そして社会全体で消費税に対する「理解」がもっと必要ですよね。

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