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税理士はAIに駆逐されていくか?

2018 - 04/09 [Mon] - 11:35

ふと「AIで税務の質問を受け付けているようなサイトはないかな?」と思って「税務 AI」という検索ワードでググっていますとこんなサイトを見つけました。

税理士さんがお書きのサイトですが、お上手な文章で内容もしっかりしていて「なるほどね」とよくわかる内容でした。

人口知能(AI)の進化で稼げなくなる税理士は『1つの質問』だけでわかります

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内容はお読みいただけるとすぐおわかりいただけると思います。要するに昨今AIが進化してきて最も影響を受ける職業の一つとして税理士が指摘されているわけですが、その税理士の中でも生き残る税理士のタイプ、生き残っていけない税理士のタイプはこんなの、とわかりやすく書いてくださっています。

確かにそうだと思います。というか、税理士を取り巻く現状の中で勝ち残っていける人、淘汰されていく人も同じ基準で振分けることができると思いますね。私もこの仕事を始めてからそこそこの年数が経ちましたが、色んな同業者や同僚の税務に対する姿勢や顧客に対する提案内容を見聞きしてきて、やっぱり「カネだけの話」をする人はこれからの時代しんどいだろうな、と常々思っていました。

何かと言えば「こうすれば税金が○○円安くなるから、こっちがトクやで!」「そんなんしたらあかん。損するからやめとき。こっちがええで」と一言目に言う税理士さんやベテラン事務員さんって居ますよね。お客さんからすると意外とこういう人はウケがいいんですよ。なぜならすぐに損得を言ってくれて、そのとおりにすれば自分が儲かる気にさせてくれる人だから。

だから税理士の営業上はこういう人がいいんだろうと思います(笑)。ただ、同時にこういうタイプの人は顧客からの信頼を失いやすく、そして先ほどのようにAIが進化してくると真っ先に淘汰されるタイプの人たちだと思います。

そもそも「損」とか「トク」とか言っても、「なにを持って損得というか?」というのは千差万別なんです。全く同じ事案であったとしてもそこに関わる人たちによって「損得」の内容は変ってくるんです。なぜなら先ほどのリンクのブログにもあるように、人には「感情」や「気持ち」があるからです。

同じAという出来事が起きても、ある人は凄くハッピーだと感じるかもしれないし、でも別の人はイヤだなと思うかもしれません。そういうことです、つまり機械と違って人には感情があるので、同じ出来事に対しても感じ方は人それぞれなんですよね。冒頭のリンクのブログにあった「社長から配当の相談を持ちかけられたケースでどう答えるか?」でいけば、実は私も「ソンかトクかは正直なんとも言えませんけど、社長が配当するのがいいとお考えであれば配当してはいかがですか?株主さんは間違いなく喜びますし」と言うだろうな、と思って読んでいたんです。

だからといって私が将来生き残っていける税理士なのかどうかは別問題ですが(笑)、でも正直答えはそうなっちゃうと思うんですよね。もちろん社長から「配当しようと思うやけど、税金はソン?トク?」と尋ねられたら、「そりゃ、ソンですよ。税金二重取りですもん」と間違いなく答えると思います。でも「配当しようと思うやけど、どうやろ?どう思う?」と尋ねられたら、「税金の面ではソンかもしれませんけど、配当することで株主の皆さんが喜んでくれるのならそれも一つの大切な経営戦略じゃないでしょうか?」と答えると思います。

そう、相手に合わせて、というか、ケースバイケースで適切なアドバイスをしてあげるのが税理士、もっと言えば本当の意味でのコンサルタントだと思うんですよね。先ほど書いた税理士さんやベテラン職員のように「そんなもん、ソンに決まっとる!こうしなはれ、こうしたら税金こんなに安くなるで!」と言うだけなら、そんなのお客さんの個別事情や感情などを無視した機械的なアドバイスですから、それこそそんなのはAIがすぐできることなんです。

カネでソンかトクか、を判断するだけなら人間はAIには絶対勝てないでしょうね。以前のブログにも書きましたけれども、そんなのは世界中の税法の中から最適な節税解を一瞬で導き出して相談者にAIが提案してくれるでしょう。それは人間には到底太刀打ちできるようなものではないと思います。

だからそういう「機械的な損得アドバイスの押しつけ」をしているだけの税理士事務所は潰れていくでしょうね。それともっと早く潰れていくのは、その「損得の判断すらできない、やらない」税理士事務所ですけどね、もちろん(笑)。これは全く話にならないです。

けれども「表面的にトクに見えることが本当にトクなのか?」って言うのは、これは先ほども書いたようにケースバイケースなんです。私がお客さんによくお話することですけれども、相続税の節税策はそういうことの最たる事案なんです。

私がよくお客さんに言うのは「こうやってああすれば相続税は間違いなく一番安いです。私は税理士で、税理士はお客さんに節税策について説明する義務があるので最も税金が安くなる方法があって、税金がどれくらいになるか、ということは一応説明しておきます。でもそのやり方がお客さんご家族にとっていいか悪いかは別問題です。私は個人的には税金のことより将来にわたって皆さんが仲良くしていただけるような遺産分割をおこなってほしいと思っています。税金が多少安くなるからといって、その後ご家族がお互いに二度と顔を合わせることがなくなるとか、裁判で争う、なんていうのは大変不幸なことですから、そうならないようにぜひしていただきたいと願っています」ということです。

相続なんて、本当に税金の損得だけで決めちゃいけないことの最たるものだと思っています。もちろん親族全員が税金が安くなる方法でいい、と合意しているのなら問題はありません。でも税金を安くするためにはどこかにムリをする必要があることがほとんどなんです。それこそ「機械的に」バシッとすれば税金が安くなる、っていうのがほとんどなんです。

でも相続ほど人の本心が表に出てくることもありません。だから機械的な節税策が全ての相続人を満足させるとは限らないわけです。3人相続人がいれば3人とも考えがバラバラであることも決して少なくありません。そういうケースでは、こちらが節税策を提案して従ってもらうのではなく、3人の相続人さんたちに満足いくように遺産分割してもらい、その結果として税金を計算する方がファミリーにとっては幸せだと思うんですよね。

そこはAIがいくら進化しても変らないところだと思いますね。

・・・といろいろAIが進化してきても人間や税理士は負けないよ、大丈夫だよ、みたいな感じに書いてきましたけど、それでも残念ながら税理士はAIに負けますね(笑)。だって考えてもみてください、個別のお客さんのケースに合わせて損得を提案してそれに合わせて税務を行う、といったって、そんなのAIだって簡単にできますからね(笑)。

「最も税金がトクになるのはこれこれこうやることです。そうすれば税金はこれだけ安くなります。でも、それがお客さんにとって最適かどうかはわかりません。なぜならこういう別のメリットもあるからです・・」と説明できるAIができれば人間の税理士と全く同じアドバイスを行うことが可能になるからです。

だから、結局のところ能力では人間の税理士は「絶対に」AIに勝つことは不可能です。今でも世の中には「もういちいち税理士と会って税金の処理をしてもらうのなんて面倒くさい。ネットと電話のやりとりだけで税金計算して申告書提出してくれたらそれでいい。税金のわからないことはこっちがネットで調べるわ」とお考えの方は徐々に増えてきていますからね。そういう方にとってはAIによる税務システムができあがれば最高の税務サービスになるわけで、そうなればそういう人たちは税理士に仕事の依頼なんてしてこないでしょう。

じゃあ、そんな時代になったとして税理士がどうやってお客を集めて商売をするか、と言えば、そりゃもう税理士自身、そして事務所自身のキャラ、人間性しかないと思うんですよね。コンピューターとやりとりするのもなんか味気ないし、態度が横柄な税理士としゃべるのなんかもっとイヤ、と思っている方が世の中におられることは間違いなく、そういう人たちにとってはご自分の話を機嫌良く聞いてくれ、そして自分もしゃべっていて気持ちよくなるような税理士がいれば嬉しいわけです。

そしてその税理士が自分の好みのタイプや相性が合うタイプの人だったりすれば、「会って会話をすること」だけにお金を払ってもよいと思えるようにすらなってくるわけです。なぜ男がスナックに行って冷静に考えれば法外とも思えるような金額を払ってお酒を飲むのか、そしてなぜ多くの女性が大枚はたいてアイドルの追っかけをしているのか、そこに考えを巡らせると見えることがあるわけです。

やっぱり人間は人間ですからね。他人と会話したい、とか、自分が会って気分よくなるような人とはお金払ってでも会ってみたい、という感情は必ずどこかにあるでしょうからね。だから税理士も相談者さんのそういう欲求を満たしてあげることができるのなら、お客さんはAIに相談したりすることなく、税理士事務所に足を運んでお金を支払ってくださるかもしれませんね。

そのあたりは本当に客商売ならどこでも一緒でしょうね。私たちだって飲みに行った居酒屋の店員の愛想が悪かったら二度と来るか、って思いますもんね。お金払うのだって気分悪くなりますしね。でもアイドルなんて、目の前にいてひと言二言話してくれるだけで喜んで数万円、数十万円支払ってくれる人がいるわけですからね。人の魅力っていうのはそれだけ価値がある、ってことです。

だから美男美女揃いで、愛想もすばらしい税理士事務所があれば超話題になって、お客さんがバンバン集まってくるでしょうね(笑)。もちろん「そんなのどーでもいい。安くて、こっちが気を遣わないサービスを提供してくれればそれでええねん」というお客さんにとってはそれも全く通用しませんので、結局AIに流れていく人は相対的に増えるような気もしますが(笑)。

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