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AIが進歩したら税理士の仕事はなくなるか?

2017 - 10/25 [Wed] - 19:11

最近「AIによってなくなってしまう仕事」というのがしばしば話題に上りますよね。で、残念ながら税理士(税務申告代理人)の仕事はこのAIによってなくなってしまう代表のように言われています(笑)。

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皆さんはこの件、どうお考えになりますか?税理士会の会報などを読んでいても最近この手の「AIに駆逐されない税理士業務」に関する話題がしばしば記事として掲載されています。もちろん会報に書いてある内容としては「税理士業務はAIに置き換えられるものばかりではないので、しっかりとそういう業務をがんばって伸ばしていこう!」と書いてあるものがほとんどです。

では、私個人の考えはどうかと言えば、ちょっと前までは会報に書いてあるような考えに近かったのですが、先日日経新聞(だったかな?)に書いてあったAIに関する記事を読んでいて「ああ、こりゃ我々の仕事は全部AIに取って代わられるわ」とほとんど絶望に近いものを感じています(笑)。

それはどういった記事だったかと言えば、先日AIが囲碁の名人だか何かに勝った話だったと思うのですが、その過程におけるAIの学習手順について書かれたものだったのです。従来のAIは人間が過去の棋譜などをAIに憶えさせて、その膨大な棋譜データから最適な手を打つような学習をさせていたのだとか。ところが最近名人に勝ったようなAIはそうではなくて、囲碁のルールをAIに理解させて、人間は手を貸さないでAI自身が勝つための手を考えるようにプログラムされているのだとか。

そうやってAIが自分自身で「勝てる手」を考えるように学習していく中で、天文学的な数の手筋を一瞬でAIは考えつき、そしてその中で自分が勝つために最適な手を打つのだとか。その過程において、AIが従来定石と呼ばれてきた手筋を打つことも少なくないので、やはり人間が長い経験の積み重ねから得られた最適と思われる定石がAIによって裏付けられたことがある一方で、逆に「初心者か?」と思われるような布石をAI同士の囲碁対戦では見せたりするのだとか。

それは単に的外れで読み違えた手である可能性もありますが、もしかしたら人間同士の対戦では決して考えつかないようなとんでもない妙手である可能性も十分あるわけです。もし後者であるとすれば、もう人間は到底AIに囲碁では勝つことができないわけです。実際、名人に勝って以降は、AIは人間との対戦はしていないのだとか。ひたすらにAI同士で打ち合いをして研鑽を続けているのだそうです(記憶によれば、確か)。

AI自身が学習して人間の棋士では太刀打ちできないようなレベルに来ている状況において、税務なんて税法を教え込んで最適な解をAIに計算させるようにしておけば、税理士が申告書を作るのよりもずっと精度が高くて、そして税額が最低になる申告書を即座に作ってくれるはずです。

「いや、税務申告書の作成や決算は確かにAIに勝てないかも知れないけど、税務プランニングや経営相談はまだまだ人間に勝てないだろう」などと思っている方がたくさんいると思いますが、まあ数年から10年も経てばそれも人間は到底AIに太刀打ちできないレベルにAIは進化していると思いますね。

だって世界中の税法や税に関する判例をAIに憶えさせて理解させるようにしておけば、瞬時にして世界で最も得をする国際タックスプランニングをAIが考え出してくれるでしょう。それももちろん訴訟リスクもきわめて低いものをです。

そして税務申告の場面においても、調査立ち会いなどは現状では税理士が立ち会って税務署と折衝などをしているわけですが、これも今後税務申告の場面におけるICT化が格段に進み、例えば現状のように申告書と決算書をネットで税務署に提出するだけでなく、今後ネットのキャパと処理能力が格段に増えて帳簿類はおろか、電子保存された証憑類まで添付して申告できるようになる時代が来れば、税理士が税務調査に立ち会う必要など全くなくなります。

というより、税務調査そのものがもはや行う必要がないものになる可能性だってあります。そうやって納税者(税理士)から提出された申告書、帳簿や証票データをAIが全部突合しながらチェックするシステムができあがれば、不正申告や間違いなんてあっという間に見つけ出すことができます。

さらに言えば帳簿に記載された取引先名から、その取引先の申告内容を相互に確認するようなシステムができれば、税務署員が反面調査に行って取引の内容確認を行うような必要すらなくなってしまうかも知れません。そのようなシステムができれば、税務署員はシステムが見つけてきた明らかに不正な取引を行っている納税者や、税務計算に明らかに不正を行う意図があるものだけをピックアップして臨場調査して納税者の申告意図確認をすればいいだけになります。

そこに税理士が入り込む余地はかなり小さくなるはずです。だって調査に来る時点で税理士が行っている仕事の内容は全てAIが把握しているからです。

ましてや、先ほども書きましたようにタックスプランニングなどはAIのほうが税理士が思いつくものよりも格段にレベルの高いものを顧客に提示してくれるでしょう。だって囲碁や将棋の世界ですら既にAIのほうがいい手を思いついて勝てるような時代なんです、経営プランニングをAIが学習して最適なプランを顧客に提示するなんて、その程度のことすぐにできるはずです。

要するに「知恵や経験を競うもの」に関しては人間はもはやAIに勝つことはムリです。それは知るべきです。だって今のAIは過去の事例を引っ張ってくるだけではなく、自ら学習して新しい答えを見つけ出すことができるレベルになっているからです。ホーキング博士が「これ以上AIを進化させるべきではない。このまま進化させると人類は滅亡する」という趣旨の話をしたようですが、その意味がなんとなく理解できるようになり、映画で見たようなAIの世界が現実のものになるのではないかと思わず背筋が寒くなります。

つまり、もはやAIは車を自動運転させる、とかそんなレベルにとどまらず、AI自身がまるで自分の意思を持って自分にとって最も有利な解を導き出せるようなところに進化してきているのです。もし車を自動運転させるAIが意思や感情を持てるレベルになってしまったら、最悪ワザと事故を起こすような運転を始めるかも知れません。

私たち税務の世界でもそうです。恐ろしく高度に賢いAIがこの世界で仕事をするようになってくると、もはや人間には何をやっているのかわからないレベルでAI同士が超難解で超複雑な税務スキームをおこなって人間そっちのけでそのスキームを勝手に実行して財産を取り込んでしまい、節税スキーム策定を依頼した依頼者の財産を瞬時に世界のどこかに隠してしまうようなことを行ってしまうかも知れません。

現状においてもフィンテックとか自動クラウド会計みたいなものが税理士の世界にも少しずつ入り込んできていますが、そのシステムの仕組みを理解して使っている人たちは一体どれだけいるでしょうか?こういったシステムが進化してくると、ユーザー自身に理解ができないところで処理を自動で進めてしまうようなことがどんどん行われるようになってくるのです。クラウド会計を利用しているユーザーにしても、その自分が作業をしている会計データがどこのサーバーに保存してあるか知っている人はいますか?たぶん誰一人正確には知らないはずです。

自分が処理を行っている会計データがどこにあるのか知らないって、よく考えてみればものすごくリスクがあることだと思いませんか?そのデータを誰がこっそり使っているかもわからないんですよ。ある日突然そのデータが消えたとしても、どこでそのデータを復旧させればよいかわからないんですよ。全てがそのクラウドシステムを提供している事業者任せなんです。そのためにはものすごい信頼関係がなければならないのに、クラウドシステムを利用しているユーザーにはほとんどそんな意識はありません。それが一番コワいところです。

世の中が便利になっていくことは本当に素晴らしいことなんですが、これからのAIやITC(ICT、ですね・・。よく間違えます(笑))はともすればユーザーの理解を遙かに超えたところで進化し続けていく可能性が高いです。そうなったとき、ユーザーはもはやそのシステムを使いこなす立場にあるのではなく、逆にそのシステムが提供するサービスや答えをお金を払って使うだけ、という立場になってしまうのです。つまり人間であるユーザーとシステムの立場が主従逆転してしまうわけです。

そんな時代に税理士が顧客のためにできることなんて、たぶんほとんどありません。もちろん弁護士や医者といった他の専門職においてもできることはありません。現実的に医療の画像診断の世界ではAIがすさまじいスピードで病変部分を見つけたり、症例から人間の医師では思いつきもしないような最適な治療法を提案するシステムができているそうですしね。そう考えてみれば近い将来にやがて恐ろしいほど人間の知恵や経験が必要とされない時代がやってきそうな気がします。

そのとき人間は何を仕事にしてお金を稼げばよいのでしょうね?ひょっとするとAIには必要なくて人間だけが必要とするレジャーや農業、食やマッサージなどといった第一次欲求的なものをきわめて職人的な手作業で満たす職業だけがAIの浸食を受けないで残っていく職業になるのかも知れませんね・・・。

ああ、なんか想像するだけでバラ色の便利な将来が見えると喜ぶよりも、なんだか陰鬱な気分になってしまいますね(笑)。

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