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謝罪力

2017 - 03/24 [Fri] - 20:31

ビジネスマンは年齢を重ねてくるといろんな経験とともに能力が高まってくると一般的に考えられています。確かに大企業では経験を重ねることによって社内外での調整能力も高まり、それとともに仕事を処理する能力も高まってくるでしょう。それが歳を重ねることによって手に入れることができる大きな能力の一つかもしれません。

しかし私たちのような専門職においては歳を重ねることによって身につけなければならない能力はそれだけではないかもしれません。

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専門職の場合は365日毎日同じような仕事を繰り返し行っています。ある程度経験を重ねてくれば仕事に慣れてきて処理能力は高まってくるでしょう。しかしそれも必ず限度というものがあって、10年実務経験がある人とと30年の実務経験者の間に差があるか、といえば必ずしも差が生じるケースばかりではないと思います。むしろ30年選手の方がミスが多いケースも決して少なくないはずです。

かくいう私も何年この仕事をしていても恥ずかしながら間違えるところはやっぱり間違えます(笑)。それはきっとこれから何十年この仕事を続けていても絶対になくなるはずがないし、改善される部分は少ないと思います。でもありがたいことに仕事は毎年少しずつ増えていくわけで、ミスをする絶対数も仕事数の増加に合わせて増えて行かざるを得ないわけです。

ミスをゼロにするという能力が年齢と経験を重ねても高まらないとするならば、私が今まで仕事を続けてきた中で身につけた能力がなにだったのかと言えば、ミスを起こしてしまったときに相手に謝って許してもらう能力、すなわち「謝罪力」じゃないかと思うんです(笑)。

笑い話のように書いていますが、実際のところ私たちのような仕事の場合、ミスをしたことがわかったらまずそのミスが訂正・修正可能なものであるかどうかを見極めます。訂正・修正可能であるものなら事後的に直せばそれで終わりです。しかし直すだけで済めば良いですが、我々の仕事にはミスを直した場合には依頼者にペナルティを生じさせるものがあります。あるいは端から修正ができないケースというものもまれにあります。

そういった場合にはこちらの間違いによってペナルティを支払わされることになる依頼者に対して謝ることになります。あるいは修正不可能なケースにおいては、修正できないことによって依頼者が被る恐れのある経済的損失について謝罪する必要があります。私はこのとき決して言い訳はしません。ひたすら1から10までお詫びし続けます。その理由は簡単です、自分がもし仕事を依頼した相手のせいで損を被った場合、相手が責任逃れをするかのようにひたすら言い訳をするようなヤツだと絶対に許そうと思わないからです(笑)。

だからもし私が迷惑を被った立場であれば、どんな謝り方をすれば許してやってもよいと思うか、ということだけを念頭に置いてひたすら謝罪します。例えその謝る理由が直接的に自分になくて、部下や同僚の責任であったとしてもただひたすらに謝ります。相手が許してくれるまで謝ります。

そしてそれでも許してもらえないとすれば、それは金銭的なお詫び・補填を申し出ます。なぜならば身も蓋もなく極論すれば私たちの仕事は依頼者の税金を計算して納めていただく、という「金銭」に直接関わる仕事をしていて、私たちと依頼者とはあくまでビジネス(=金銭)でつながっている関係に他ならないわけですから、依頼者に対して不必要な金銭的損失を私たちが被らせたとすれば、その損失を私たちが補填して依頼者の損失をカバーするしかないと思うんですよね。ですからそれ以外、それ以上のお詫びの方法はないと思います。

正直、金銭的な補填を申し出て、それでも許さないという依頼者はいません。そりゃそうです、いるはずがありません、だって依頼者自身が私たちのミスによって被る金銭的な損失がないのであれば、依頼者ご自身だってそれ以上怒る理由がなくなるからです。ですから仕事をしたときのミスの最終的な落しどころはそこです。そこに至ればそれ以上罵声を浴びせられることも、肉体的に危害を加えられることも、ましてや命を取られることなどあり得ません。だってビジネスですから。

そう、ですから話はある意味簡単なんです。ミスがなければそれに越したことはありませんが、それは絶対にあり得ませんのでこちらの落ち度によって相手に損害を与えてしまったのであればまずは謝り、それでもどうしても許していただけなければ相手の損失を補填する、それが私たちの仕事における「謝罪」の方法だと私自身は考えています。

で、こういう仕事のなかで「謝罪力」とは何かと言えば、それは私たちが依頼者の金銭的損失を補填しなくても「いいよ、わかった許してやるわ」と言っていただけることにあると思っています。こちらがミスをするたびに金銭補填で許してもらっているのであれば何をやっているのかわかりません。依頼者の方に「そんなお金の補填までしてもらう必要はない」と感じていただいて、私たちのミスを許していただき、そしてそれまでと同様、あるいはそれまで以上に信頼関係を強固にしてお仕事を頂戴することができることが「謝罪力」だと思っています。

私が社会に出て以降、あくまで「仕事は仕事」とある意味割り切っているところが私にはありますので、仕事に関して私が謝ることに関しては全く抵抗はありません。土下座をして許してもらえるのであれば土下座をすることなど喜んでやります。なぜなら仕事はあくまで仕事、ビジネスはビジネスなのであって、別にそんな仕事で怒られたり謝罪することが私自身の人格を蔑んだり否定されるものだとこれっぽっちも思っていないからです。

仕事をしているときの自分を「ビジネスマンという役柄を与えられた役者」だと思って演じるつもりでやっている限りにおいて、仕事のミスなどのせいで謝罪することなど気にもなりません。だって「いま自分は『ビジネスで失敗して謝っているビジネスマンの役』を演じている役者だ」と思えば、いくらでも謝れるからです。「謝っている今の自分」はただの与えられた役柄であって、私自身の人格を相手から否定されるわけでも、肉体や精神を傷つけられるわけでもないからです。

だから謝った後は比較的平気です。もし仮に謝っている最中に涙目になったとしても、それはそれだけ一生懸命「謝るビジネスマンを演じた」というだけのことであって、謝った後はほとんどケロッとしています(笑)。

でも私はそれでいいと思っているんです。しょせん仕事の話なんですから、仕事のミスはあくまで仕事として謝ってカバーすればいいと思っているんです。それが「謝罪力」だと自分では思っています。言い方を変えれば、こちらのミスによってトラブルが起きたときに、いかにしてさっさと謝って相手から許してもらえるか、ということでしょうか。

でも、最近はその「謝罪力」がないビジネスマンが増えているんじゃないかと思うんですよね。たかが仕事、ビジネスで相手に謝っているだけなのに、そうやって頭を下げて謝ることを自分のプライドが許さないような人が増えているんじゃないかと思います。

「明日までにこの仕事やっておいてね」と頼まれた職場の新人が「わかりました!」と元気よく返事したので任せていたら、納期になっても仕事ができておらず「あの仕事どうなった?」と尋ねると、できない理由を並び立てたあげく、「ちょっと出かけてきます」と出かけてそのまま行方不明になって帰ってこなかった、という冗談のような話を最近耳にする機会が増えました(笑)。

それも結局は「謝る」ということができないからこんなことになってしまうと思うんですよね。そう、謝れない人が世の中に増えていると思うんです。きっと子供の頃から大事にされて褒められて育てられた人が多く、親や他人から怒られた経験もほとんどなく、だから自分の仕事が思うように進まなかったり、ミスをしてしまった場合には怒られることを過度に恐れるあまり謝ることができない人が増えているんじゃないかと思うんです。

つまり「謝り慣れていない」「怒られ慣れていない」わけです。だから自分から謝ることや、相手から怒られることがまるで自分の全人格を否定されてプライドがズタズタに傷つけられるような気がするんでしょうね。だから怒られることが怖くて、謝ることができないんだと思います。本当はトラブルが小さいうちに謝っておけばトラブルが小さいうちに対処できるのに、謝ることや怒られることを極度に恐れるがあまり謝らないで放置していると、トラブルは手に負えないくらい大きくなってしまい、結局はメチャクチャ怒られることになってしまうのです。でもそれでも謝らないんですよね、謝るくらいなら相手の目の前から逃亡して消えてしまう人がいるんです(笑)。

要はそれほど「自分大好き」「自尊心の塊」みたいな人が世の中に増えてきている、ということなのでしょう。先ほども書きましたように、仕事の上で謝ったり怒られたりすることなんてしょせん仕事の話に過ぎないのに、その仕事での謝罪や怒られることが自分の人格やプライドが傷つけられるように感じる人が多くなってきているのでしょうね。

そしてそうやってプライドと自尊心だけが無意味に高くて「謝れない人」は、やがて精神に支障をきたしてしまうわけです。だから周りを見ていても、鬱になってしまう人の中にはプライドが高くて謝ることや怒られることを極度に嫌がる人が多いことに気がつきます。たかが仕事の話なのに、謝れなくて自分が傷つき、そして気分も落ち込み鬱になってしまう・・、実に本人にとって不幸な話です。

そう、だから社会人になったらまず謝ることを覚えるべきです。すなわち「謝罪力」を少しずつ身につけていくことがとても大切だと思います。謝れない人は本当に見苦しいし、なによりもビジネスにおいて役に立ちません。たかが仕事、ビジネスなんですから、場面場面に応じて適切に謝る能力を少しでも早い段階で身につけるべきです。

そうすれば不要に落ち込んで精神的に参ることが減りますし、なにより「たかが仕事、私自身は別のところにしっかりといる」という本当の意味での「自尊心」を強く持つことができます。そう、謝ることは自尊心を傷つけるのではなく、逆に自尊心が強いからこそ「たかが仕事」で頭を下げて謝ることなんて屁とも思わなくなるのです。

仕事で謝ることを恐れて職場から逃走する人や、鬱になってしまうような人を少しでも減らすことは社会にとっても大切なことです。そのためにも謝る能力、すなわち「謝罪力」というものを身につけることの大切さをより多くの社会人に知っておいてほしいと願いますね。

ほんと、たいしたことじゃないですよ、仕事で謝ることくらい(笑)。たとえ「アホ、カス」といわれたって、たかが仕事ですよ。もし精神や肉体に危害を加えられるようなことがあるなら、それはしっかりこちらも力で応戦するか、さっさと逃げてください。そんなブラックな仕事環境でない限り、本来仕事というものは人格や肉体を痛めつけられるようなものではありません。だから、さっさと謝って自分が気持ちよく仕事できるようにしてください。

それもストレスが多い現代の社会人にとって大切な能力の一つだと感じます。

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