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簡易課税制度選択届出書が提出されていないのに簡易課税??

2016 - 05/27 [Fri] - 18:33

ちょっと前の記事に「今の時代は税理士だってコロコロ変わるんだから、納税者が過去にどんな届出書を税務署に提出しているか把握できないケースが多い。なので代理権限証書を持っている税理士であれば所轄税務署は現在までに納税者が提出した全ての届出書を閲覧させるべき」と書いたことがありました。

なんでこんなことを書いたかといえば、こんなケースが実際にありえるからなんです。

こちらを見て下さい。これはある法人の消費税申告に関する事前の通知書の内容です。

届出書

こちらの下の方の部分に「消費税簡易課税制度選択届出書」の最新提出状況に関する記載欄があります。この納税者の場合にはここに記載事項がないので簡易課税は選択していないことになります。ところが、実際には違うんですよ、このお客さんはこの通知書が届いた期は簡易課税で申告しなければならなかったんです!

普通こんな通知書の内容であれば税理士であればだれでも当然本則課税だと思いますよね?しかも最近は電子申告で提出しますので、申告用紙も税務署から送られてきませんので本則課税か簡易課税かの判断はこの書類が唯一の頼りです。それなのにここに記載している簡易課税に関する内容を信じた結果誤って本則課税で申告を行ってしまい、その後税務署からの指摘を受けて増差額を簡易課税で修正申告してペナルティを納めることになるなったりするんですよ。

どういうカラクリでそんなことが起きるかといいますと、わかりやすくするためにこの会社の期は暦年通りだとしましょう。たとえば申告をしなければならない期が平成27年分で、基準期間が平成25年だとしましょうか。この会社をかつて担当していた税理士は大昔、それこそまだ簡易課税の適用要件が年商2億円までだった頃に簡易課税の適用届を税務署に提出していたわけです。

ところが簡易課税の適用要件が引き下がってしまったので、売上が5千万円を越えていたこの会社は簡易課税の不適用届出書を提出する必要がなく自動的に本則課税が適用されることとなりました。しかし不況の煽りで売上は徐々に落ちてしまい、とうとう平成25年分、つまり今回の申告期の基準期間において5千万円を割り込んでしまうことになりました。

実はこの会社はもともと簡易課税を選択していましたが、実際には本則課税の方が納税額は少なくなります。つまり簡易課税を選ぶ方が損になってしまうのです。なので、以前からの担当税理士が平成25年分の申告が終わると同時に平成26年中の間に簡易課税選択不適用届出書を税務署に提出しておけばなんの問題も起きなかったのですが、うっかりとしてしまい平成27年の1月に不適用届出書を税務署に提出してしまったのです。

こういう背景があることを理解して先ほどの通知書の内容を見ていただくと、なぜこの書面の内容なのに平成27年分の申告が簡易課税になるのかという理由がおわかりいただけると思います。つまり、この通知書が届いた平成27年分の申告時期である平成28年2月頃の時点までに確かに簡易課税選択不適用届出書は提出されていたのです。ですから通知書に記載されている簡易税制度選択届出書に関する提出日付が空欄であるのは間違いではないのです。

しかし簡易課税選択不適用届出書を提出したのは平成27年に入ってからですから、実際には平成27年分の申告に関して言えば、簡易課税選択届は有効なままであり、基準期間である平成25年の課税売上高が5千万円以下であれば簡易課税で申告をしなければならなかったのです。

平成27年の途中で税理士を変えたような場合であれば、依頼者のこんな事情など新しい税理士さんは何一つ知りませんから先ほどのような通知書が送られてくればほとんどの税理士さんなら本則課税で申告してしまうはずですし、税務署に簡易課税の届出状況の確認をすることなんて考えもしないでしょう。過去の申告もここ10年以上は全て本則課税ですから、平成27年分だけが簡易課税になるなんて、誰がどう考えたって思いつく話ではありません。

もちろんこういった届出書を依頼者がきっちりと全て保管してくれていれば問題ありません。でも実際には全ての届出書をきっちりと保管している納税者はほとんどいないのではないでしょうか。そうなると今回お話ししたような通常では想像すらできない、まるでミステリーのような話が発生してしまうわけです。

しかし、納税者から代理権限をもらった税理士であれば誰でも過去の全ての届出書の内容を閲覧することができるという制度が一般的になっていれば、こんなトラブルだって避けることができるのです。でも現状の制度では代理権限をもらっている税理士が税務署に問い合わせても担当者によっては届出書の内容を一切教えてくれないんですよね。そうなると納税者もわからない、税務署も教えてくれない、ということで新しい税理士は完全に闇の中にいるような状態で申告しなければならなくなるのです。税理士にとってこんなギャンブルみたいなことはありませんし、なにより納税者に迷惑をかける恐れがあります。

先ほどのようなケースで新しい税理士が間違えずに平成27年分の申告を簡易課税で行うことなんてまず不可能ですよ、絶対。あの通知書の内容で簡易課税の申告書を提出しようなんて普通の税理士なら夢にも思わないでしょう。まあ、こんなケースでのトラブルを避けるためにも、納税者からの代理権限証書を与えられた税理士に対しては、税務署は無条件に過去から提出された全ての届出書の内容を閲覧できるように制度として整えるべきですよね。

これからの時代はますます納税者が担当税理士を変える機会が増えると予想されますので、新しい税理士が間違えないでスムースに税務を行うためにも税務当局の早急な対応をお願いしたいですね。

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