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平成27年、税理士試験合格発表!

2015 - 12/20 [Sun] - 21:47

すみません、遅くなってしまいましたが先週の平成27年12月18日に平成27年の税理士試験合格者の発表があったんですね。科目合格、五科目合格合格を果たした皆さん、おめでとうございました。皆さんが一生懸命努力した成果がこうやって実を結びましたね。

平成27年度(第65回)税理士試験結果

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このたびの合格者は835人となっていて、例年より少ないですね。受験申込者、受験者総数も年々少なくなってきており今年は受験者総数が4万人を切って38千人程度となっていますね。5科目合格者数と一部科目合格者数の合計が平成26年、平成27年ともにほぼ6900人で来ていますので、試験主催者側としては合格者目標数をこの辺りに定めて採点を行っているのでしょうね。

受験者総数は減ったのに、合格者数は昨年と一緒ですので合格率は昨年よりも良くなっています。しかも簿記論については合格率18%という高さで、このあたりに税理士という資格や税理士試験に対する世の中の関心の低さが反映されているような気がしますね。つまり受験者がこれ以上減ってしまわないように入り口の科目である簿記論の合格者を増やし、そのことによって翌年以降も税理士試験を受けてくれる人たちをある程度確保しようという主催者側の意図が透けて見えるようです。

合格が発表されたばかりの時にこんなことを書くのは本当に不謹慎かもしれませんけれども、税理士という商売自体はこれから大きく伸びることはないと思います。もちろん高齢化によって年齢の高い税理士さんたちが雪崩をうって業界から引退してくれるのであれば業界の年齢構成が大きく変わりますので話は変わりますが、現状では新たに資格をとっても独り立ちして稼いでいくのはなかなか骨が折れるのではないかと思っています。

以前からこのブログにも書いていることかもしれませんが、税理士という仕事はとても魅力のある仕事で、やりがいもあります。そのような魅力ある仕事で金銭を得ることはとても良いことだと思います。それは間違いなくそう思っていますが、しかし正直言って税理士の資格保有者はこれ以上増えるべきではなく、むしろ減っていくべきだと思っています。

税理士の仕事は基本的には日本国内でしかできない仕事ですので、これから高齢化が進み、人口が減っていく日本社会の中においては税理士のニーズが減っていくことは間違いないと思われます。唯一ニーズが増えそうなのは、相続税関連の相談や申告くらいでしょうが、それも課税対象者を下に広げただけなので、件数が増える割にびっくりするほど儲かる畑だとは思っていません。

そんな中で新たに合格を果たした皆さんは、ご自分の頭を一生懸命使っていかにしてプロとしてお金をしっかり稼ぐことができるか、ということをこれからは考えていく必要があります。もうこれは医師、歯科医師、弁護士、公認会計士等を含めた師士業全般に言えることで、今の時代は資格試験に合格して資格を持っているだけでは独立開業して満足な収入が得られるような時代ではありません。

しかも税理士に関しては、はっきり言って税理士試験に合格することだけが税理士になる道ではありません。公認会計士の資格を持っていればほぼ自動的に税理士の資格を得られるわけですが、昔は公認会計士試験がメチャクチャ難しかったので、税理士試験を受験するメリットやニーズもそれなりにあっただけではないかと思うんですよね。

しかし、最近では公認会計士試験の合格率が非常に高くなってしまったので(もちろん、社会ニーズに合わせて再び絞りだしてきていますが)、合格に時間がかかる税理士試験を受験して税理士になるより、受験期間の短い公認会計士試験を合格して公認会計士と税理士の二つの資格を得るほうがメリットが高いのではないかと個人的には思っています。

なので、お叱りを受けることを承知でぶっちゃけを書きますと、「なぜ今の時代に税理士試験を受けるの?」という疑問を感じないこともありません(笑)。私の感覚では、今の時代に税理士試験を受けなければならない方というのは、

①「親が税理士で、そこそこのビジネスなので将来後を継ぎたい。会計士になる必要は特にない」
②「既に科目合格をしており、今さら止めるに止められない」
③「いま税理士事務所で仕事をしているので、働きながら資格を取り、出世・独立等を実現させたい」

くらいしか思いつかないんですよね。

それ以外の方で税理士に興味を持っておられる方は公認会計士を目指すべきだと思うんですよね。いえ、もっと言えば、上記の①の方についても、私が強くおすすめするのは会計士資格を取って監査法人でしっかりと実務経験を積み、その上でしかるべき後に親の税理士事務所を継ぐのが良いと思っています。そのほうが視野も広がるし、これからの時代においていろいろなことに対応することを考えれば、持てる引き出しは多ければ多いほうがよいと思うからです。

ですから、こんな税理士試験合格者の発表があったばかりのタイミングでこんなことを書くのは申し訳ないのですが、本当に上記②と③の方たち以外は別に税理士試験を受験する必要性はないんじゃないかと思いますねぇ。もちろん、

④「働きながらそれなりの資格を取りたい。受験に時間がかかることは気にしない」

という方もおられるでしょうから、そういう方は会計士試験より税理士試験のほうが良いのかもしれません。しかしそうでない方で税理士という仕事に興味を持っているのなら、会計士試験を受験することを強く強くオススメしたいですね。なぜ日本ローカルの資格をとる必要があるのか、もっと世界的にも活躍の場があり、よりスケールの大きな仕事を行う事ができる公認会計士という資格のほうがいいと思うんですよねぇ。

税理士を取り巻く環境というのはこの10年ほどで大きく様変わりしてきています。パソコン会計の一般普及と低コスト化が急激に進み、仕事の進め方・ビジネスモデルが激変し、低収益化しました。そして税務ソフトも低価格で普及し、これも業務効率を一気に高め、税理士事務所から会計・税務職人の必要性は大きく下がりました。

そしてその上で少子高齢化による既存の事業主の高齢化と新規開業者の減少とビジネス継続の難しさが更に税理士の市場規模を縮小させていっています。そうです、税理士事業は今や高効率、低コスト化での運営が求められ、その上で縮小するパイの奪い合いをしなければならないのです。

税理士業は、いまや戦後から十数年前まで続いた「職人を何人も抱えて行なう労働集約的な仕事」ではないんですよね。そして情報化によって税務や税理士事務所に関する情報も世の中にあふれていますから、以前のように「税金の素人である依頼者」あるいは「他の税理士事務所に関する情報を持っていない依頼者」を騙すかのような仕事を行って、高額な報酬を平気で請求できるような時代ではなくなったんですよね。

なので、よほどの目的意識がない限りは別にいまから税理士試験を受けて税理士だけの資格を取得する必要はないと思うんです。どうしても会計・税務の資格が欲しいのなら、公認会計士試験を受けるほうがよほど潰しも効くし、箔も付くと思うんですよね。

合格発表が終わったばかりのおめでたいタイミングで希望を削ぐようなことを書いてしまって申し訳ないとは思うのですが、いまから税理士を目指す方、税理士試験を受験される方はこの辺りの事情をよく理解しておく必要があるんじゃないかと思うんです。世の中に必要とされる仕事って、時代背景によって変わります。税理士という仕事に関して言えば、今後税理士の総数がこれ以上増える必要性はほぼゼロだと言っても良いのではないかと思います。

ですから税理士試験合格者数も年間千人も絶対いらないでしょう。来年以降はもっと受験者数も減って、五科目合格者数も更に減らして700人前後、あるいはもっと減らして5-600人位でも十分ではないでしょうか。それくらい新しく税理士になろうとする人たちの事業環境は厳しいんだ、というショックを税理士界の上層部に与えて現状認識をしっかりさせなければ、これからの税理士業界はジリ貧で沈んでいくだけで良くなることは期待できないようにも思えます。

今の税理士業界は早急に「縮小均衡」をはかって業務の質と収益性を確保すべきだと強く思っています。これは単純に市場ニーズの変化から判断するビジネスの話としてです。そして以前から何度も書いていますように、新しい税務についていけなくて、顧客の役にまったくたたない高齢税理士にとにかく業界から引退してもらうことも大切です。

消費税の複数税率とインボイス方式が導入されることによって、それについていけない税理士が業界を去ることで税理士業界の新陳代謝が大きく進み、良い方向に健全化されていくことを個人的には期待を持って見守っているところですね。新しい税理士試験合格者を増やすかどうかはその辺りの市場動向を見ながら決定していけばよいのではないでしょうか?

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