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土地の分割贈与って税務上の問題ある??

2015 - 12/15 [Tue] - 12:45

家族や親族間において土地の贈与を行おうと考えることってよくあることですよね。で、その際において、土地って大体評価額が高いことが多いので一筆まるまる一度に贈与してしまうと贈与税が結構バカになりませんよね。下手すると評価額の半分が贈与税でとられちゃったりしちゃいます。

土地の分割贈与、困った


なので、そういったケースでは土地を何年かに分けて贈与税を無税、または少額になるように贈与するケースが結構あると思います。でも、これって最終的なターゲットって土地を一筆贈与することが目的なんですから、何回に分けて贈与しようとその一筆全体の贈与が終わった時点で金銭贈与の定期金贈与みたいな問題が生じないのか?という疑問がふと湧いてきたんです。

金銭などを贈与する場合、あらかじめ1千万円を10年に分けて贈与するつもりがあるのであれば、一年あたりの贈与額は確かに100万円なので贈与税の非課税額110万円以下ということで贈与税の対象にはなってきませんが、税務上は「1千万円を10年間にわたって受け取る権利」を贈与されたものとして贈与税課税の対象とみなされることがありますよね。これは税理士などであればよくご存じの話ではないかと思います。

で、今回の土地の話もそこが若干引っかかるわけです。土地の贈与についても、例えば最初からある土地を一筆贈与するのが目的なんだけれども、贈与税や登記の際の登録免許税や不動産取得税のことを考えると費用負担があまりに多すぎて困るというケースもあると思います。「じゃあ土地を5回くらいに分けて贈与すればいいじゃないか。そのほうが毎年の費用負担も少なくできるし、贈与税も安くできる」ということで、こういうケースの場合多くの方は分割贈与を行うのではないかと思います。

しかし改めて考えてみますと、そもそも何度に分けて贈与を行おうが、一度に贈与を行おうが、その贈与を行っている行為の最終ターゲットは「土地を一筆贈与する」ということには違いありません。もし5回に分けて贈与を行ったとしても、登記簿を見れば最終的に一筆が最初の所有者から親族である別の所有者に贈与によって移動していることはすぐわかります。

しかもそもそも土地を分割して贈与する、という行為の理由は「登録免許税の負担を減らしたいのと贈与税を減らしたいから」という理由しかありませんよね?(笑) 仮に税務署から「なんで一筆を一度に贈与しないで、わざわざ分けて贈与したんですか?」と尋ねられたらそうとしか答えようがありません(笑)。ほかに理由なんてどう考えたってありませんからね。

だとしたらそれは定期金の権利の贈与と同じで、土地一筆の贈与が完了した時点で土地を一筆贈与したとみなされて贈与税の課税の見直しがなされるのではないか、という懸念がわいてくるわけです。(その際に土地をどのように評価するのか、というのは別の話として) 理屈で考えれば、端から一筆の土地を5つに分けて5年にわたって5回の贈与を行うと決めていたのであれば「そりゃ、実質的に土地一筆贈与してるのと一緒だろ?」と税務当局から指摘されてもそれを否定する口実はないように思えるわけです。

まあ、こういう場合は条文を読んで一人で考えていても結果は出ませんので、税務署に教えてもらうのが一番です(笑)。で、尋ねてみましたところ、いろいろな税務上の問題点はもちろんあるのですけれども、「こういったケースは現実問題としてよくあるし、分割贈与をされた場合であっても税務署ではなかなかその点を指摘することはむつかしい。なので贈与の際にきっちりと贈与契約を交わし、そして贈与の都度登記も行っているのであれば基本的には問題ないのではないか」との答えでしたね。

もちろん担当官によって意見は異なる可能性はあります。しかし私が尋ねた税務署でもそういった土地の分割贈与なんて腐るほど事例があるわけですから、一般的なケースに対する税務署内部における税務上の取り扱いはこの税務署の回答に従っておけばよいのではないかという気がします。

ただ担当官も「分割贈与はしたけど、登記は最後にまとめて一筆した、というのはダメですよ。それは事実上一筆の贈与とみなしますからね。やはり分割贈与を行ったという客観的な事実は必要です。」とクギをさしました(笑)。ネットなどでも分割贈与の最後の贈与の際に贈与登記をするケースの税務上の取り扱いを尋ねるケースを見かけますが、税務署的な取り扱いはこのようになるようですね。

先ほど書きましたように、これが100%信用できる答えであるかどうかはわかりません。しかし一般的には税務署内部で土地の分割贈与はこのように扱われるケースが多い、ということを知っておけば一つの指針にはなるような気はしますね。私もそれなりの期間税理士という仕事をしていますが、お恥ずかしながら何年たっても税務上の取り扱いで迷うことって必ずあります。そういう時はいくら考えても仕方ないので、税務署に尋ねるのが一番ですね(笑)。

だって納税者が行った税務申告の内容を最終的に見直すかどうかは税務署が判断するわけですから、様々な事例について税務署内部ではどのように取り扱うのか、ということは税務署に訊かないとわかりません。その判断基準を判断がつきにくい事例が発生するごとに税務署に教えてもらうということも、将来のトラブルを防ぐ点においては大きな意味があるのではないかと思いますね。

私自身は「戦う税理士」でも何でもないし、「私が税法」というほど税法を隅から隅まで読み込んで理解しているわけでもないです。逆に隅から隅から税法を読み込んで自信満々で税務署と戦ったって負けることもありますからね(笑)。そんな無駄なエネルギーと労力を使うくらいなら、一通り調べても迷う事例については税務署に尋ねて税務署内における判断基準や取り扱いを教えてもらったほうが顧客のためにも私たち自身にもよほど有益だと思いますね。

今回の事例も一つのケースとしてご参考になさってください。

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