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TPP、「約束が違う」と言われても・・

2015 - 10/21 [Wed] - 15:29

TPP交渉がとりあえずまとまり、少しずつですがその合意内容が私たちにも伝えられるようになってきました。農産物のほとんどの輸入関税が撤廃されるなど、農家にとっては厳しい状況に置かれる内容も伝えられています。

<TPP>「値下げを」「約束違う」交錯する期待と批判

TPPについてはいろいろとご批判もあると思います。私もかつては仕事で貿易をおこなっていたこともあって、基本的に自由貿易については反対です。関税や数量制限を撤廃した自由貿易は、結局のところ資源などが豊富な国が必ず勝つ結果に終わるので、資源大国以外の日本などにとっては負け戦になることがほぼ見えているからです。

しかし、それでも日本はTPPに参加せざるを得ないのです。これは悲しい話なんですけど、仕方がないんです。なぜなら日本は資源に乏しい国なので、輸出などの外国との取引に依存しなければ存続できない国だからです。バブルまでの日本の発展だって、当時の先進国に向けて日本製品を安く大量に輸出したことによってなしえたことも事実です。それだけ貿易に助けられ、貿易のおかげで発展した日本が、国際貿易の枠組みを組もうかという段階になって「それは日本にとって不利だから加入しない」では筋が通らないんですよね。

仮にTPPに参加しなければ、そりゃ日本はTPP域外国になるわけですから、域内国同士が輸出入を行う場合と比べて、不利な関税などが課されることは容易に予想がつきますよね。TPPができあがってしまったあとで、日本がTPP域外にいることを選択した場合、果たして以前と同じように貿易で利益を上げることができるのかどうか、非常に難しいところですよね。

だから農業などをはじめとして、多少日本にとって不利な条件を飲まざるを得なかったとしても、それでも日本の国益を大きく捉えた場合には、TPPに参加してTPP域内における自由貿易から得られる利益を最大限享受するほか選択はなかったと思うんですよね。

それにそもそもの話をすれば、日本の農業は政治に守られすぎでした。なんで私たちの税金を使って農家の生活を維持させなきゃ行けないのか、それがそもそも私にはイマイチ理解に苦しむところでした。一般企業は為替のリスクも背負いながら、ほぼ自力で稼げるように努力し続けてきているのに、なぜ農家はなんの努力もしないで補償金を得られるのか、そこのところが民間の感覚ではわからないんですよね。

リンク先の記事にも農業関係者から「約束が違う」だの「農業を守っていない」などと批判の声が上がっているようですが、すんません、TPP交渉において日本の農業が今までと同じように高関税で守られると本気で思っていたのですか?もし思っていたのだとすれば、そりゃ考えが甘すぎますよ、TPPというものの目的が全然わかってないです(笑)。まず真っ先にやり玉にあげられるのが日本への農産物に対する高関税であることくらい、わかるでしょうに。

政治家が「農業を守る」と言ったから関税撤廃はありえない、と思っていたんですか?バカですねぇ、だって相手は政治家ですよ(笑)。政治家が「守る」と言った約束を本気で信じていたんですか?(笑)

このブログに何度も書いていますが、「政治」とは「普通では片付かない問題を、裏技・寝技を使って強引に解決させること」です。そりゃ、その過程においては当初の思惑通りに行かないことだってあるでしょう。また最初からウソをついて交渉をまとめることだってあるでしょう。でも、それが政治ですよ。

「そんなだまし討ちにするような政治なんておかしいじゃないか!」と文句を言う方もおられると思いますけど、でも政治家だってバカじゃないです、民主党や社民党はバカでしたけれども(笑)。先ほども書きましたけれども、政治とは「裏技・寝技を使って強引に問題解決させること」なんです。つまり、今回のTPP交渉だって、損する部分も多々あったとしても、それでもTPP交渉を曲がりなりにもまとめ上げることが大きな目で見て日本にとって国益があるからこそ、日本はTPPに参加しているはずなんですよね。

だって、日本が守るべき国益って、別に農業分野だけの話じゃないですからね。他の産業やサービスの分野で日本が獲得できる利益が大きければそれでオッケーな面もあるわけですからね。そもそも日本の農業は競争にも晒されないで、ぬるま湯に浸りながらのんびりとやってきたところがあるわけですから、これからの日本社会を考えた場合には、そんな社会的に高コストが必要となる農業にはいつか見切りをつけなければならないのも自明なわけですからね。

ええ、農業に関しては、このTPP参加をきっかけにして、近代生産業として生まれ変わって欲しいと願いますね。そういう意味ではこのTPPが日本の農業にとって黒船、カンフル剤になって欲しいと願うところです。水利権だの、農業委員会だの、農協だの、ハッキリ言って日本の農業には生産効率化と大規模化、自由化を阻む障壁が多すぎます。確かに自然災害の多い日本においては、かつてはこういった諸々の存在が役に立ったことも多いとは想像できますが、しかし社会が国際化・自由化されてきた現代においては、これらの存在は農業を「前時代の産業」に留めるための弊害にしかならないんですよね。

TPPの影響によって安い農産物が日本に輸入され、そのあおりで廃業する農家も出てくるかも知れません。しかし、それはしょうがないです。その代わり、先ほど書いたような農業参入を阻む障壁をできる限りなくし、農業を「儲かる先端産業」に変えてくれる人たちが必ず日本に現れると信じています。きっと彼らは日本の農産物の「安全」は守りつつ、その上で効率的で低コストな生産を実現させることで日本の農産物のコストを劇的に下げてくれるのではないかと期待しています。

良いチャンスです。TPP参加によって日本の農業も製造業と同じように生産する商品のレベルと品質が上がってくれば、日本は最強じゃないですか、元々製造業は世界でもトップレベルなわけですし、そのうえ農産物まで世界のトップレベルになれば。そこを農業にはぜひ目指して行ってほしいと期待するところです。

で、何度も書きますが、税理士業界だってTPPの影響が有るのか無いのか、まだよくわかりませんからね。「政治家が税理士問題はTPPの議題にしない」と言っていたからといって、それを鵜呑みにするのはバカだ、ということは農業分野での交渉結果が示すとおりですからね(笑)。

もちろん、税理士制度問題は今回のTPP交渉においては全く議題に上がらなかった可能性も否定はできませんが。

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