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ドイツでも会計士が税理士業務を行えるようですが・・?

2015 - 09/05 [Sat] - 15:31

一つ前の記事を書きながら、ふと「そういえば税理士会は『会計士は税務業務を行えるだけの能力担保が行われていない!そんな連中に税理士資格を無条件に与えるなんて絶対反対!』的な思考で大騒ぎして、結局返り討ちにあった結果に終わってしまったけれども、税理士制度がある他所の国では税理士と会計士の関係って、どうなってんだろ?」と思い至りました。

で、調べてみました。ドイツ語で書かれた現地の法律そのものを読みこなすことはできませんので、関連するネットの記事の中からこれを見つけました。例の件で税理士がギャーギャー大騒ぎしていた際に日本の会計士政治団体が反論した記事に書かれていた内容です。

税務業務の位置づけと公認会計士がその担い手であることの相当性

この記事の内容が正しいという前提で見ればの話ですが、この記事を見ていても、税理士業界が事あるごとに税理士制度の社会的必要性を主張する際に引き合いに出されるドイツの税理士制度ですが、ドイツの税理士制度においても弁護士と会計士には税理士業務を行ってよいという規定があるようですね。

日本以外の先進国で税理士制度があるのが唯一ドイツなので、税理士業界では税理士制度存続と社会的必要性を強調する際には必ずと言ってよいほど「欧米先進国ドイツにも税理士制度がある。日本だけが特殊なのではない。だから税理士制度は会計士や弁護士制度とは異なった資格として尊重されるべき」という意味合いで述べられるわけですが、例の会計士に対する税理士資格付与問題の際においても、そういえばドイツの税理士資格がどうやって会計士に付与されているのかということについて我々税理士だってよく知らなかったところはありました。

こうやって会計士の主張の中に書かれている内容を見ていますと、きっと税理士会はこの事実を日本で公にすると自分たちの主張が批判されることにつながりかねないので、ドイツでの会計士に対する税理士資格付与の内容については敢えて触れなかったのでしょうね。都合の良い時にはドイツの税理士制度を日本の税理士制度の社会的必要性の理由付けのように利用するくせに、都合が悪い話になるととたんにドイツの税理士制度に一切触れないというのも、よく考えて見れば極めて卑怯な論法ですね(笑)。

まあ、今さら改めて言うのもなんですが、客観的に考えてみれば、公認会計士に税理士資格を自動付与するのは当たり前な話です。弁護士に対して自動付与するのはもっと当然な話。ただ、そうは言っても税法は特殊で複雑であることは、私達自身が税理士という仕事をしていていやというほど痛感していますので、自動付与されるからといって会計士や弁護士がすぐ税理士業務を行うことはなかなか大変だと思います。そこはやはり専門の知識と経験をしっかりとマスターしなければお客さんから報酬を頂いてプロとしての責任を果たすことは難しいのではないかと思います。

うーん、でもこうやってドイツの税理士制度における公認会計士に対する税理士資格付与の内容を見ていましても、いかに昨年辺りまで大騒ぎをしていた日本における税理士資格を公認会計士に自動付与すべきか否か、ということが意味のないことであったかということが改めてよくわかりますよね(笑)。本当に税理士会はムダな時間とお金と労力を使って、なんでこんなことを一生懸命騒ぎ立てていたのか、何度考えても不思議でしかたありません。

だって自分たちの税理士業界自体を見回しても、ダブルマスターや国税OBなど試験を受けずに税理士資格を取得している人がたくさんいますのにねぇ(笑)。彼らが税理士試験を受けずに税理士資格を持ち、しかも税理士業界において主要なポジションを確立させているにもかかわらず、会計士と弁護士に対してだけは試験合格を義務付けようとしたところが端から矛盾してましたよね。

こんな自ら墓穴を掘るような主張を行っていながら、会計士に対する試験合格義務化のアイデアが広く世間に受け入れられるはずありませんよねぇ。会計士だって、きっと怒りを通り越して「税理士会ってバカじゃないの?」と呆れていたと思いますが、まあ大人の対応をしてくれて、税理士制度撤廃の活動まではなさらなかったので感謝しています(笑)。

話は変わりますけど、私は以前よりずーっとずーっと税理士と会計士の資格統合を主張してきているわけですが、今回のドイツの税理士制度を調べていた際に、ドイツでは税理士資格保有者に対して一定の試験を受けることで会計士の資格を与える制度があり、それについてTKCの創始者が「それは結構なことです。日本では今、税理士会と公認会計士協会が同じ問題で正面衝突している最中です。」と述べているくだりがあるのを見つけました。

飯塚博士と私 税理士から公認会計士への道

この対談内容を見ていましたら、私がかねてよりこのブログで書いてきた税理士に対する会計士資格付与試験制度とほぼ同じ内容がドイツに存在している(していた?)ことがわかりました。しかもその制度については「結果は上々」「西ドイツ連邦税理士会の努力の賜物」と書かれています。(西ドイツがあった頃の話なので、30年以上も前の話でしょうか)

日本の税理士業界にはTKCのユーザーも多く、また飯塚博士信者も多いと伺いますが、この対談の内容などをご覧になってその方たちはどうお考えになりますかね?税理士業界と会計士業界が対立しているなんて不毛の一言だと思うのですが、それこそドイツの税理士制度も参考にしながら、そろそろ本気で資格統合について税理士業界は会計士業界と歩み寄りを行なうべきではないでしょうか?

会計士も税理士も、10年以内にはその社会的必要性はなくなっているとすら言われています。それが本当になるかどうかは別として、IT技術の進化によって業務の範囲が狭くなり、社会的必要性も減り、ある意味業務が特化されていくことは避けられようのない話だと思います。そんな中において、同じように会計を基本とする2つの公的資格保有者たちが自分たちの既得権確保のために喧嘩をしているなんて情けないし、悲しい限り。

2つの資格保有者たちが喧嘩しながら共倒れするより、将来も有望な仕事としてお互いに生き残っていける仕組みを模索するほうがどう考えたって利益があることは間違いありません。特に税理士はこのままの姿でいけば自然消滅すら現実味があります。それは当然会計士による業務侵食が大きな原因となるわけですが、そうなってしまう前に、せめていま税理士としてバリバリ活躍している人たちくらいは将来も「会計士」あるいは「税務会計士」などとして活躍できる道をつけてあげることを税理士業界として本気で考えなければならないのではないかと思います。

数十年前にドイツで行われた資格付与試験も参考にしながら、これからの日本社会で税理士がその能力を社会のために活かす制度づくりを模索することも税理士会としての大きな役割ではないかと思います。決して隣接士業からの業務侵食を頑なに拒否することだけが税理士会の重要な仕事だとは思いません。

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