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要するに、正しい申告書が提出されればよいのでは?

2015 - 08/22 [Sat] - 16:25

先日在宅勤務をターゲットとした税理士事務所向け業務システムが販売されている件に絡めて、今の税理士に関する二ヶ所事務所禁止規定を見直すべきではないか、という記事を書いたのですが、それに関連しまして。

結局なぜ二ヶ所事務所がいけないのか?といえば、究極的に言えば、「二ヶ所事務所はニセ税理士行為の温床となるから」ですよね。特に昔からの流れでいけば、例えばある所長税理士が大阪市と西宮市の二ヶ所に税理士事務所を設置していると、人間の体は一つしかないですから、大阪市と西宮市に同時に所長税理士が居ることはありえない、と。

ということは、少なくとも必ず一つの事務所には税理士は「居ない」とこいう状況になっているわけで、そうであればその事務所は無資格職員だけで税理士業務を行っていることになるため、それは実質的に「ニセ税理士事務所」「無資格者が税務j代理行為を行っている」のと同じことになるので税理士法上認められない、という理解ではないかと思います。

でも、これは今の時代に照らして言えば、本当に綺麗事だけの規定であることくらい、税理士として実際に業務を行っておられる方なら誰でも感じることではないでしょうか?だって、所長税理士が四六時中事務所にいて職員の業務をチェックしているなんて、今の時代には絶対と言ってよいほど不可能ですからね。

私がよくこのブログに書く話ですけれども、稼いでいる税理士さんの中にはゴルフが大好きな方が多いわけですが、そういう所長税理士さんが平日に朝から晩までゴルフに出かけている時は、事務所は職員だけしかいませんよね?だったら所長税理士がいない状態で税理士業務を行っているわけですから、これは実質「ニセ税理士事務所」なんじゃないんですか?

あるいは日税連の役員になられるような税理士さんの事務所であれば、地方から日税連の会議に参加するために2日くらい事務所を留守にすることがあるかも知れませんよね?こんな事務所も「ニセ税理士事務所」とみなされませんか?それから、所長税理士が客先に出向いている間は事務所には税理士が誰もいなくなるわけですから、実質「ニセ税理士事務所」になるんじゃないですか?

ね?そんなことを言いだしたら二ヶ所事務所禁止規定の厳格な運用なんて絶対と言ってよいほど不可能なんですよ。だったら二ヶ所事務所を設けて時々どちらかの事務所に所長税理士が顔を出して業務のチェックを行うことくらい、なんの問題もないんじゃないか、ということになるわけです。ましてや業務の効率化をはかるために在宅勤務を導入することになんの問題があるの?って話にもなるわけです。

今の税理士事務所の運用状況というのはこのように事務所に所長税理士が居ないことが日常的に起きているにもかかわらず、ただ単に「税理士が居る場所と、職員が事務処理を行っている場所が同一か否か?」という点だけを取り上げて二ヶ所事務所禁止規定に反しているかどうかを判断することはとても無意味なんです。

そんなことよりも、そもそもの二ヶ所事務所禁止規定の理由が「ニセ税理士行為防止」であるのであれば、二ヶ所事務所を設置することによってニセ税理士行為が横行するといった事態が蔓延すると懸念されるのなら、別に「二ヶ所事務所禁止規定」に反したことを問題視するのではなく、その「ニセ税理士行為そのもの」を問題視すればよいではないでしょうか?

そして、更に突き詰めて言えば、なぜニセ税理士行為が問題なのかと言えば、それは「ニセ税理士が不正な税務処理を行うことによって適正な税務処理の妨げになるから」ということが理由ですよね?もちろん税理士法という法律によって規定されている税務代理業務を、資格がない人間が金銭等を得て行っていることが問題である、という根本的なところがあるのは事実ですが、それは別問題なのでここでは分けて考えることにします。

そもそも税理士法がなぜあるのか?と立ち返ってみれば、それは「きちんとした税務処理を行う知識や経験がない人間が誰でも納税者の税務代理を行ったのでは、不正な税務申告や納税が横行することにつながり、行政と納税者の双方が不利益を被ることにつながるから」というところに行き着くのではないかと思います。

で、あるならば、きちんとしたライセンスを取得している税理士が事務所を一ヶ所しか設けないのか、三ヶ所も四ヶ所も事務所を設けるのか、ということ自体は本来的には全く問題ではないのです。問題なのは、結局のところ、税理士というライセンスを与えられているにもかかわらず、その事務所から提出される申告書の内容が税務上正しくないことが問題になるわけですよね?

裏を返して言えば、所長税理士がきちんと職員を教育して、税務上適正な申告書が税務署などに提出されているのであれば、事務所が何カ所あったとしても全く問題ではないわけです。それは「事務所の数」が問題なのではなくて、「事務所から提出される申告書の内容が正しいかどうか」が問題なだけなのです。

もしある税理士が複数の事務所を開設することによって、申告内容の質が低下して不正な申告書が提出されることになるのであれば、それはただ単にその税理士に対して「おたくがハンコを押して提出している申告書は内容がメチャクチャで間違いだらけ。こんなことでは困る」と伝えて、業務の改善を求め、それでも改善されなければ処分すればよいだけのことではないでしょうか?

もっと言えば名義貸しだって一緒ですよね?名義貸し行為は何が問題なのかと言えば、資格を持っていない人達が作成した申告書の内容をきちんと確かめもしないで名義貸ししている税理士がハンコを押して申告書が税務署に提出されることによって、不適切な内容の申告書が提出されてしまうことが問題なんですよね。

これだって、ハンコを押した税理士がバカなだけであって、税理士がハンコを押した申告書を提出する、ということは、申告書の内容の全責任をその税理士が負う、ということなのですから、名義貸しだろうがニセ税理士行為だろうが、結局のところは不適切な内容の申告書を提出した全責任はハンコを押した税理士が負えばいいだけのことですよね?

そう考えていけば、事務所が複数あるとか、職員が在宅勤務するとか、会計処理業者や知り合いの税理士などに申告書作成業務を外注させるとか、そういった諸々の現行税理士法上の「問題行為」の多くは、「全然問題じゃない」ということになるんです。そういういくつかの行為が問題なのではなくて、その税理士がハンコを押して税務署に提出した申告書の内容が正しいか、正しくないか、ただその一点が問題なだけなんです。

本質的に税理士法の趣旨というのは「正しく適正な申告書を税理士が作成・提出するかどうか」にあるわけであって、本来的には事務所の数や、誰が書類を作成しているか、なんてことを問うものではないと思います。誰がどこで作った申告書であろうと、最終的に国からライセンスを与えられた税理士が内容をチェックして「適正である」と判断したうえで提出されたのであれば税理士法上も全く問題が無いのではないかと思います。

しかし、結局のところ、そうは言っても現実的には職員や下請け・外注先などに作成させた申告書の内容をきちんと確認もしないで税務署に提出する税理士が多いから、二ヶ所事務所禁止規定だの名義貸し禁止などといった規定を作らざるを得ないのだと思います。ただ、本質的には、そういった問題が起きたらそういう不正な申告書を提出した税理士を「税務上不正な申告書を作成して提出した」という理由で処分すればよいだけのことであって、別に二ヶ所事務所の設置や名義貸し行為を闇雲に禁止する必要性は無いと思います。

なんか、二ヶ所事務所禁止の規定などを見ていても、本末転倒ではないかと思えるんですよね(笑)。悪いのは「不正な申告書を量産する税理士」なのであって、税理士業務を行う場所が複数あること自体は悪いことでもなんでもないのです。詰まるところ、適切な内容の申告書が、国からライセンスを与えられた税理士を通じて提出されればよいだけのことであって、それ以外の税理士業務の効率化や業務革新をはかる部分に関しては基本的には税理士法などで細かく規制すべきではないと思います。

国から「税理士」というライセンスを与えられていること自体がかなりの「規制・お墨付き」になっているわけですから、不正行為が行われた場合にそのライセンスを停止、剥奪して不良税理士の業務を強制排除できることは、税理士における不正行為を抑止する効果は十分あると思うのです。なので、二ヶ所事務所規定や名義貸しといった税理士に対する禁止規定というのは極力規制を設けなくてもそれほど大きな問題は生じないのではないかと考えるわけです。

それよりも税理士にとって問題なのは、完全な無資格者(ニセ税理士)が名義貸しの税理士のハンコを押すことすらしないで、納税者本人が申告書を提出した形を取る申告書を作成することですね。これは国からライセンスを与えられたわけでもない、全く無責任な輩がただ自らの金儲けのためだけに善良な納税者を騙して、時として多大な損害を与えながら商売を行っているだけなので、これは全面的に厳しく規制すべきだと思いますね。

もちろん、またまた本質的な話をすれば、この場合だってそのニセ税理士が作成する申告書の内容が適切なものであれば特に問題はないのです。しかしそのニセ税理士が毎年改正される税制にきちんと対応しているかどうかということは誰も保証してくれるわけではないですので、やはり他人の税務代理を業として行いたいのであれば、しっかりと試験に合格して、国からライセンスをもらって、税理士として登録し、そのうえで研修や自己研鑽を通じて最新の税制に対応するべきではないかと思います。

だから、税理士の研修義務化には大きな意味があるのです(笑)。「研修など義務化する必要はない。税理士なら自助努力で行って当然」という意見もわかりますが、それは第三者的に見た能力の担保にならないのです。研修を義務化しなければ、ニセ税理士とやっていることが変わらなくなってしまうのです。

・・話が逸れましたが(笑)、まあそうやって税理士業務の本質を考えながら二ヶ所事務所禁止規定をはじめとする様々な税理士に関する規制について再検討を行う必要性もあるのではないでしょうか。

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