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消費税の課税、免税の件、困ることがもう一つ

2015 - 07/27 [Mon] - 15:05

すみません、何回も消費税の免税点の件について書きまして。「ええかげんにせい!」と思っておられる方も多いと思いますが、でも実務をやっていると矛盾点ばかり出てくるもんですからね、本当に皆さんも是非今一度消費税の免税点の判断基準についてお考え下さい。

先日も、その根拠である国税不服審判所の裁決内容をブログに引用しましたが、現実の会計処理を行っていますとですね、例えば課税事業者が免税事業者になるような場合、ものすごい不具合が生じるわけです。

私たちが税理士試験を受けていた頃であれば、たしか消費税に関する会計処理は「税抜処理」が基本であるべき、と習った記憶があります。今はどうか知りませんけれども。要するに、税込処理を行う事業主、特に法人などは「よほど会計処理のレベルが低い会社」と思われる、というイメージがあるわけですなので、私は基本的に依頼主さんのメンツをあげてあげるためにも、基本的に消費税に関する会計処理は税抜処理で行うことにしています。

しかし、こうやって課税事業者の頃に税抜処理を行っている法人があるとすると、この法人が免税事業者になったりすると、実に困ることが起きるんですよね。先の裁決事例にもありましたように、いちおう今の課税当局の姿勢としては「免税事業者である課税期間においては、消費者から預かった消費税など存在しない」という立場ですから、弥生会計などの会計ソフトも課税期間が免税である期の会計処理については「税込処理」しか選べないんですよね。というか「税込」「税抜」の表示すら出てこなくなってしまいます。

するとどういうことが起きるかといいますと、前期比較の資料などを作りますと、前期までは課税事業者だったのでずーっと税抜ですべての貸借対照表、損益計算書などが表示されており、当然決算書もそれと同じ金額が記載されていたのに、当期が免税事業者になりますと、過年度の数字まで税込表示になってしまうわけです!

これ、本当に前期比較をする時困るんですよ。去年までお客さんに提出していた資料と全然数字が違いますしね。そもそも税抜処理を行っていたわけですから、その期に納付すべき消費税額については租税公課勘定などで計上せず、未払消費税や仮払消費税、仮受消費税勘定などで処理を行っているわけです。

これが税込処理に勝手に切り替わりますと、当然仮払消費税や仮受消費税の処理はおかしくなり、損益計算においては未納消費税額の分だけ最終利益が増えてしまうことになります。これが実に困るし、お客さんに対して説明しにくいわけです。

免税事業者から課税事業者になる場合も全く一緒です。税抜処理を行おうとするなら、課税事業者になってから前期比較試算表などを作りますと、もう数字がボロボロ(笑)。去年までと全然違っちゃいます。決算書とも全然合いません。

もちろん、こういう不具合は弥生会計だけなのかも知れません。他の会計ソフトであれば、そうやって免税→課税、課税→免税となった場合においても、以前の期の数字についてはそれまで採用していた税抜、税込表示を引き継いでくれるのかも知れません。しかし少なくとも、かなりのシェアを占めている弥生会計に関して言えば、そんな器用な処理はできません。

いえ、それもこれも例の裁決事例とそれに基づく消費税基本通達に忠実に従ってプログラムを作ったせいなんですよね。こんなもの、免税事業者の課税期間においても「消費税は課されて当然」と理解して税抜処理ができるようになればなにも問題ないんですよね。だって考えてみれば、免税の課税期間中の会計処理を税抜で行おうが、税込で行おうが、結局のところ法人税の課税所得は一緒になりますからね。要するに焦点は「その課税期間の課税売上高は税込金額か、税抜金額か?」という違いだけ。

だって、会計処理についていえば、考えてもみて下さいよ、百歩譲ってその裁決事例に従うとして免税であった課税期間における売上に消費税が含まれていなかったとしても、経費(課税仕入)については消費税が課されていますよね?じゃあ、免税期間の経費処理についても、確かに課税売上高は総売上高を計上せざるを得ないとしても、経費に関しては税抜経理をすることが許されてしかるべきですよね?

課税仕入については税抜処理を行うことにより、税抜本体価格と仮払消費税部分に分けて計上することは理屈で考えても当然許されますよね?だって免税事業者といっても、仕入や経費にかかる消費税額はまぎれもなく支払っていますからね。この点については課税庁も「免税であった課税期間に行った課税仕入については、消費税は課されていない」などという屁理屈をさすがに言わないでしょう。

だとしたら、免税事業者だって税抜処理による会計処理を行ってもよいですよねぇ?逆に言えば、やっちゃいけない理由なんてないですよね?「なんで売上高に消費税が含まれていないのに税抜処理を行う必要性があるんだ!」と言われたとしても、そんなの別に課税事業者であったとしても非課税売上高や輸出免税売上高があるときには、税抜処理しないで売上計上するわけですしねぇ。

もっと言えば、免税事業者だって、確かに本業の売上高は消費税を含んでいないことになるのかも知れませんが、作業くずやスクラップなどを引き取ってもらった際には税込金額で代金を受け取っているんじゃないでしょうか?内訳明細書に消費税額書かれていませんか?あるいは携帯電話のアンテナ設置の対価とか。

だったら免税事業者だって、消費税が課された課税売上高が生じる可能性ってあるじゃないですか。それともあれですか、こういうケースでも免税事業者は消費税を受け取っちゃいけないんですか?スクラップ業者や携帯電話キャリアは税抜本体金額だけを免税事業者に対して支払ってくれてるんですか?ホントに?あー、めんどくせぇなぁ、それ(笑)。

なんか、そうやって考えたら、「免税事業者は消費税を課されていないから消費税を受け取っていない」という理屈って、会計処理や本来有るべき消費税の転嫁の流れをおかしくしているだけじゃないですか。もう、考えれば考えるほど矛盾だらけ。こんなのタダの課税側の論理だけに基づいた屁理屈で、実務を混乱させているだけですやんか、そう思いません?

免税事業者であったとしても消費税を支払う義務はあるわけだし、逆に消費税を受け取っても良いと思いますよ。そして少なくとも課税仕入が生じている以上、会計処理についても税抜処理が認められる余地はあってしかるべきだと思いますね。

要するに、アレでしょ、こんな複雑怪奇で今となっては理解不能な裁決が下ってしまった理由って、最初に消費税が導入された際に売上3千万円以下だった事業者が結構多くて、そういう事業者は当然ながら消費税導入前と同じように売上高に消費税を乗せずに商売を続けますよね?そういう実状に鑑みれば、課税する側や審判所も「こりゃ、免税事業者は『消費税は課されていない』と言うことにしないと、3%の値上げをしなかった免税事業者たちの理屈が立たないな。実際連中は消費税を受け取っていなかったわけだし」という判断になっちゃったからなんでしょうね。

そもそものスタートがそういういびつな状況から始まったので、裁決が下った平成8年の段階においても「免税事業者は消費税を受け取っていない」という理屈にせざるを得なかった、というのが本当の理由なのではないでしょうか?会計処理においても、きっと理由は一緒でしょう。消費税導入時の免税事業者たちは、それまでの消費税導入以前と帳面の付け方は何一つ変わらず「税抜」も「税込」も全く意識していなかった訳ですから、結果的に「免税事業者=税込のみ」という処理形態しか事実上存在しなかったわけなのでしょう。

そういう経緯があるにしろ、ないにしろ、今となってはほんと、実際のところマジで困るんですよ、免税事業者は税込処理しかできない、っていう会計処理の縛りが。なんでこんなことになっちゃったんでしょうねぇ。簡易課税も含めて、何からなにまで矛盾だらけの消費税制について、10%に税率が上がる前にきちんと整理してくれませんかねぇ。実務の末端でかかわっている我々は正直困ってるんですよ、と言うか、はっきりいって迷惑しているんです。

ぜひ、きっちり見直してキレイに整理して下さい。ホント、お願いします。

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