税理士もりりのひとりごと

税理士もりりがぶつぶつと日ごろの出来事についてひとりごとを綴っていきます





  税理士もりりのひとりごとのナビゲーター   トップページ > スポンサー広告> 税務・会計 > クロヨンの話  

スポンサーサイト

-- - --/-- [--] - --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

クロヨンの話

2015 - 06/04 [Thu] - 23:55

今日新聞を読んでいますと、税に関するクロヨンの話が書いてありました。クロヨンとは、ご存じの方も多いと思いますが、税金を課税する際に「サラリーマンは所得の9割が課税当局に捕捉される一方、自営業者は6割、農家に関しては4割しか捕捉されていない」という不公平感を表す言葉です。

まあ確かに、サラリーマンは給与所得控除と年末調整で収入額に応じてほぼ定型化されて課税される一方、自営業者であれば様々な経費を計上したり、法人化させることなどでかなり税負担をコントロールする事ができます。

農家の税務については私は詳しくないので分かりませんが、クロヨンと呼ばれるくらいですから、かなり経費について多く計上できるのでしょう。あるいは収入額を減らせるのか、分かりませんけれども。

ですけれども、実際のところサラリーマンがそんなに損をして、自営業者や農家が得をしているのか?と考えてみますと、私自身は正直疑問に感じることも少なくありません。なぜか?それを書いていきましょう。

最初に、自営業者が税金を得していると考えられる理由を書いてみます。売上をちょろまかすことも不可能ではないので、まずそこで得していると考えることもできるでしょう。しかしそれはれっきとした脱税行為ですから、それが自営業者全体における税務上のメリットとは言わないでおきます。

それよりも、プライベートで使った経費を事業用の経費として算入しやすいことが大きなポイントではないかと思いますね。特に個人事業者の場合には仕事場と居住場所が同じ事が多いので、車の経費をはじめとして、プライベートにも使っている経費の多くを事業用の経費として計上しやすいことは事実だと思います。

そのおかげでサラリーマンと比べると、同じ収入額であっても、税金が課せられる所得額は大きく異なってくることになり、結果的に自営業者の税負担を減らしているのかもしれません。

しかし、もう一方でサラリーマンの課税を見てみますと、こちらも案外得をしているんじゃないかとも思えるんですよね。確かにサラリーマンは自営業者のようにプライベートで消費している金銭を申告の際に経費として計上することはできないとは思います。しかし、自営業者は実際に身銭を切って経費を使っているのですから、事業に使った経費を確定申告の際に計上できるのは当たり前の話なんですよね。

このブログに何度も書いている話ですが「経費をたくさん使ったから税金の負担が減った」というのは、節税でもなんでもないのです。あくまで「経費を使ったのだから、税金が減った」という当たり前の話なのです。実際に手元に残っている金銭のことを考えれば、経費をたくさん計上して税負担を減らすというやり方は、結局損であることは何度もこのブログに書いてきている話です。

ところが、サラリーマンは違います。サラリーマンって、仕事をするために一体どれほど経費を使いますか?もちろん、サラリーマンだって仕事のために電車にも乗るし、車だって運転してガソリンや駐車場代だって払うし、スーツや靴だって買うし、宴会の費用だって支払うでしょう。しかし、その多くは「会社が負担してくれている」じゃないですか。

実際にサラリーマンが仕事のために使う経費のうち、自腹を切らなければならない経費ってどれほどあります?せいぜい取引先との飲み会や接待ゴルフでの自己負担額(しかし、実際にはこれらも接待予算として役職に応じて枠を持っているケースが多い)、そして服飾代や自己研鑽のための読書代くらいじゃないでしょうか?それって月に10万円も使います?

サラリーマンの給与所得控除額って、例えば年収600万円のサラリーマンで年間174万円もあるんですよ?年収800万円の方なら年間200万円もあります。この給与所得控除額、損ですか、得ですか?実際に自分が年間に支払っているスーツ代や読書代が年間に100万円もあります?絶対無いでしょう?

だったら実際にはお金を支払ってもいないのに、支払ったとみなして年間174万円や200万円も控除してくれるのですから、かなりの優遇を受けていると言えないでしょうか?事業主なんて、せいぜい青色申告控除として年間65万円引いてくれるだけですよ。以前にもこのブログに書いたことがありますが、給与所得控除額って結構強力なんですよね、実は。

給与所得控除については特定支出控除の特例、っていうのもありますけど、いくら以前と比べて使いやすくなったとはいえ、一般的な話としてはよほど高額な研修に参加でもしない限り、こんな制度を使う人はまずいないはずです。その理由は「給与所得控除額が十分すぎるほど多いから」。

そう考えてみますと、確かに世の中では「クロヨン、クロヨン」って言われますけれども、私個人としては「本当にそんなにサラリーマンは税金で損をしているかなぁ?」と思いますねぇ。むしろ「サラリーマンは税金で損をしている」と言うのなら、一度サラリーマンも自腹を切って負担した仕事のための経費を集計してみてはどうでしょうか?年収600万円の人で174万円もあるでしょうか?年収800万円の方で、年間200万円も経費を拾えるでしょうか?

むしろ自営業者から見れば、「サラリーマンは何でもかんでも経費を会社(=他人)が払ってくれるからいいじゃないか!」って思う部分だって決して少なくないんですよ?世界中飛行機で飛び回ったって、その旅費は全部会社が支払ってくれます。旅費の自己負担がないばかりか手当まで出ます。

課長や部長になれば取引先を接待するための予算が、給料とは別に会社から月10万円とか20万円とか与えられたりもします。それだけ経費を自腹で払うことがなくて、生活費に回せるお金が残せるわけですから、自営業者と比べて税金の負担が増えたって全然文句はないはずですよねぇ?

また見方を変えれば、サラリーマンが仕事で必要とする経費は会社の法人税の計算で経費として損金計上されているのに、その上更にサラリーマンの所得税を計算する際には所得控除としてみなし控除してくれるんですから、これって結果的に二重控除しているのと同じ効果があって不当に税負担を軽減しているいるという見方だってできますよね?

更にはサラリーマンには当たり前のように有給休暇とか、厚生年金や退職金制度など手厚く会社の福利厚生もあるわけですから、自営業者と比べればずいぶん恵まれていると思いますよ。だって自営業者が年金や退職金をたくさんもらおうとしたら、結局のところ自腹を切って自分で積み立てなきゃいけないわけですから、そりゃあ全然違いますよ。

そう考えて見れば、どうですか、クロヨン。そんなに不公平ですかね。私自身は、サラリーマンも自営業者もどちらもやってきた経験がありますので、その立場から見れば「どっちもどっち」だと思いますけれどもねぇ・・。むしろサラリーマンの多すぎる給与所得控除を減らすか、あるいはサラリーマンに給与所得控除なしの確定申告を義務付ければ、所得税収を上げるためにはとても有効な手段ではないかと思っているくらいなんですけど・・(笑)。

日本全国に一体どれほどのサラリーマンがいると思います?そのサラリーマンの皆さんの給与所得控除額を年間数十万円でも減らせば、どれだけの所得税と住民税が増えると思いますか?きっと凄い金額ですよ。でもそんなことしたらまた共産党などが「大企業優遇の弱い者いじめだぁ!」とか言って大騒ぎするんでしょうね(笑)。しかし、お金を使ってもないのにたくさんの控除額が受けられて税負担が少なくなるのは、とうてい「公平な税制」とは言いがたい側面もあると思いますが・・。

皆さんはどのようにお感じになりますか、クロヨン。

関連記事

トラックバック

http://moriri12345.blog13.fc2.com/tb.php/2397-f48114f0

 | HOME | 






プロフィール

もりり

Author:もりり
当ブログにお越しいただきありがとうございます、税理士のもりりです。のんびりと、時々辛辣に日々感じたいろいろなことを自由に書いていきたいと思います。

最新記事

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。