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125万件の情報流出―年金機構、そしてマイナンバー制度について

2015 - 06/01 [Mon] - 21:48

日本年金機構の職員のパソコンがサイバー攻撃を受け、125万人の個人情報が流出してしまったのだとか。

125万件の個人情報流出=職員端末にサイバー攻撃―年金機構

今の時代はどんなデータも電子化して保存、利用されているわけですが、こういった情報流出の事件は後を絶ちませんね。情報流出は、ある意味IT社会と切っても切れないものという認識をしていますが、やはり政府が全力を挙げて作っているシステムにおいても、内部の職員を介してサイバー攻撃を受けることがあるのですね。

そうやって考えますと、マイナンバー制度も心配ですよねぇ。もちろん国税の電子申告システムも。今のところ国税の電子申告システムについてサイバー攻撃を受けたとか、データが外部流出した、といった話は聞こえてきませんが、どこまで無傷のままでいられるでしょうか・・。

そしてマイナンバー制度、心配ですねぇ。マイナンバーで共通化される基幹システムのうちの一つである年金機構のデータが攻撃を受けているわけですからねぇ。大丈夫なんでしょうか?それにそもそもマイナンバーって、我々税務にたずさわる人間から見て公平なシステムなんでしょうか?

世の中では、既に、来年の1月から稼動するマイナンバー制度について「実際にシステムが稼働し始めると、きっとそのシステムをまともに動かすために数年はかかってしまうので、それ以外の業務について手薄になる」とすら言われています。一つの大きなシステムを作り上げますと、それを運用している過程で生じる様々なトラブルをしらみつぶしに解決していかなければなりませんからね。

マイナンバー制度は、まずは社会保険に関するデータからシステム化していくと聞いており、もちろん、平行して国税や市区町村役場も導入していくはずなんでしょうが、今聞いている限りではどうにも心許ない、というか、到底信用できる運用状況にはなりそうにない気がしています。

そもそもマイナンバーのホームページを見ていましても、のっけから「このマイナンバー制度は強制ではない」といった内容が書かれています。そんなこと読むと「ええっ?マイナンバーって義務じゃないの?」ってひっくり返っちゃいます、個人的には(笑)。義務じゃないんだったら、やる必要なんてありませんよね?

確か「税と社会保障の公平を実現する」ためのマイナンバー制度と聞いていましたのに、なんか聞こえてくる話によれば、「そんなので公平な制度なんてできるの?」って感じの内容ばかり。金融機関の各口座に対するマイナンバーの振り付けは「任意」。マジかよぉ。

税務の世界でも来年の年末調整あたりからデータ処理にマイナンバーが入ってくるわけですが、確かに私たち税理士はいちおうプロですからマイナンバーを各従業員、各納税者に振り付けて電子データを税務署などに提出できるかも知れません。とはいえ、先日の税理士に対するアンケート結果を見れば、地方税の電子申告がほとんど行われていない状況であるにもかかわらず、マイナンバー制度を利用した市区町村への給与支払報告書の提出なんて、ホントにできるのでしょうか?

我々のようにパソコンを使ってデータ処理を行うプロであってもそんな現状なのに、80歳のおじいさん、おばあさんが事業主やってるようなところで、パートさんを雇って商売やってるような場合に、税務署や市区町村に対してマイナンバーをきちっと書いて書類提出できると思います?

そりゃどう考えたってムリでしょ?だったら来年の1月から行うマイナンバー制度の開始なんて、当初はマイナンバーを記載していない手書き書類ばかり提出される可能性が大ですよね?だったら、マイナンバー制度なんてのっけから抜け穴だらけで、我々がマイナンバーを割り振って、年末調整データとかを税務署や市区町村に提出する必要って、果たしてどこまであるのでしょうか?公平な税制の実現、という観点から立てば。

だって、そんなことしたら正直者がバカを見る、を地でいくようなもんじゃないですか(笑)。でしょう?爺さん婆さんの事業主さんが自分で年末調整する場合には、まず絶対にマイナンバーなんてきちんと割り振られません。だって義務じゃないんだし、マイナンバーをやらなかったとしても罰則もないわけですからね。

じゃあ、私たち税理士が年末調整なんかしたら、1人で先頭走り過ぎちゃって依頼者から不満を受けるかも知れないじゃないですか(笑)。ええ、だから、うちの事務所なんかでは、平成27年の年末調整は「事務所では年末調整も、書類提出もしません」とお客さんに言っているくらいです(笑)。だってうちでやったら、お客さんのマイナンバー情報を全部かき集めて役所に報告「せざるを得ない」じゃないですか(笑)。だってプロだもん。

でもお客さんが「自分で提出する」のなら、別にマイナンバー情報が書かれてなくてもどこからも文句言われないでしょ?だってそんな事業者ばっかりなんだもの。だからうちの事務所では、お客さんのご要望があれば、うちの事務所を経由した書類提出はやらない選択も用意しています。ええ、書類はあくまでお客さんが作って提出してもらう、という建前を取るわけです。

なんで、正直者がバカを見るようなデータ提出を率先する必要があるのでしょうか?こういった類のものは「いっせーのーで!」と様々な税務情報などにマイナンバーを割り付けて全事業者が提出するから、「公平性」が保たれるのです。ところが現実問題としては、そんな「公平性」など到底実現不可能そうな状況。だったら私たちのお客さんをわざわざ他と比較して不利な状況に置く必要などないですよねぇ?

もちろん、こういう大きなシステム運用に関しては、「できるところからやる」という姿勢が大切なことはわかります。しかし、「じゃあ、できるところってどこよ?」と見てみたところ、それは、大企業を中心としたサラリーマンに関する給与、年末調整関係データと、それと税理士事務所の関与先に関するデータあたりに絞られてくるじゃないですか。

だって本来最もどこよりも先にマイナンバーを割り振るべき金融機関が「任意導入」なんですもの。そんなバカな話なんてありますか?ここをまずしっかり押さえなければ、どう考えたって公平・公正なマイナンバー制度による税務の実現なんて夢のまた夢に決まってますやんか。大金持ちはまず証券会社、銀行などの金融機関に多くの資産を置いているのに、そこの情報収集が「任意」だなんて、もう、ザル丸出しじゃないですか。ホントやる気失せましたよ。

それなのに、現実的に手を付けやすいところは、結局サラリーマンの年末調整データ。大企業はそりゃマイナンバー制度をいち早く導入するでしょうね、お上からの要請もあるでしょうし。しかしそうやっていの一番に情報が丸裸にされるのは、結局「サラリーマン」。で、個人事業主や個人投資家たちの所得内容や財産内容は全くの放置状態。これで公平な税務が実現できると思いますか??私は大いに疑問を感じています。

だから、マイナンバー制度、私もできることなら当面は距離を置きたいと思っています。少なくとも、銀行、不動産、證券、生保あたりでしっかりとマイナンバーが99%程度の精度で割り振られたのであれば、その時点で私たちもマイナンバーを日常業務に取り入れていけばいいんじゃないかと思っています。

なんで大手や金持ち連中がマイナンバーをお上に報告しないのに、一般庶民の情報を報告する必要があるのでしょう?まずは税務や社会保障上の影響が大きい金持ち連中の捕捉がしっかりできてから下々の人達に降りてくるべきではないでしょうか?だってその方が公平な税務や社会保障制度の実現のためには効果が大きいでしょう、どう考えたって。

なんか、マイナンバー制度も、疑問ですねぇ。そもそもシステムの概要や全体像が私たちにわかっていないというのも疑いたくなる要素ですね。ですからどうやって情報をシステムに収集・保管し、そしてどういう経路でデータを突き合わせて検索などの処理を行うのか、そういったシステムjの概要を知りたいんですよね、まずは。

そして、税務と社会保障制度の公平を期すのがシステムの目的であるならば、まずは金融機関や不動産情報にマイナンバーを割り振るのが順番としては最初でしょう。そしてその次に社会保険、税務、じゃないんでしょうか???それを、来年1月から税務のマイナンバースタート、なんて、なんかバカバカしくって正直やってられない気分です。

金持ちのカネのストック場所と運用先を特定しようとしないのに、なんで税務と社会保障の公平性が実現できるのでしょうか?最初に捕捉するのは大企業を中心としたサラリーマンのデータだけなのに・・。おかしい、おかしいですよ、この制度・・。

まあ、私も情報不足な上に、この悪いアタマですから、論点がずれまくっていることを書いているかも知れません。その節はご容赦下さい。でも、制度の末端でかかわる役割を負わされる私たちとしては、どうにもこの制度の不公平さが気になってしかたがないのです。

だってこの制度の目的は「公平・公正な税務と社会保障制度の実現」なんでしょう?だったらそれを効率よく実現できるような順番で運用・導入していって欲しいんですよね。ただ単に「手っ取り早くできるところから導入していく。めんどくさくて、反対する連中は後回し」で制度導入を進められると、全然当初の目的が達成されない制度になってしまうんですよね。

今の情報を聞いている限りでは、完全に後者の状況であるように感じます。そりゃ後者で導入する方が、政府が掲げた「導入目標」を達成するには早いでしょう。しかしそれで穴だらけの制度が導入されて、正直者がバカを見て、うまく立ち回る金持ち連中だけが高笑いするのであれば、そんなマイナンバー制度なんて絶対協力したくありません。少なくとも、私たちの依頼者に損をさせるような制度の片棒を担ぐのだけはイヤですね。

どうか、どうか、このマイナンバー制度については、狡い人達がトクをする制度にだけはしないようにして欲しいと切に願いますね・・。

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