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本来、全国民が確定申告を行うべき

2015 - 03/10 [Tue] - 20:33

先日このブログで「永遠に続く住宅ローン控除」という記事を書きましたけれども、アレにしてもなんであんなことが生じてしまうのかと言えば、それはともすれば税金の知識が不足している可能性も高い担当者が各企業で年末調整を行ったりしているからなんですよね。

このブログで何度も書いていることですが、そもそも年末調整という制度は、役所から見た場合には実に都合が良くて合理的な制度である一方で、本来であれば源泉徴収された税額というのは、各個人が税務署に確定申告を行うことで調整を行うことが納税者の主権と意志を尊重する意味でも世界的に当たり前なんですよね。にもかかわらず、なぜか日本では給与支払者である企業に対して法律で年末調整を行う義務を課すことで、税務署の役割を各企業に義務づけるというまことに理不尽な制度になっています。

なぜ「理不尽」なのかと言えば、いま書きましたように、税金の調整というのは本来納税者が税務署に直接申告を行えばよいのですから、「年末調整」なるサラリーマンの税金の擬似的確定申告業務を行うべき窓口は税務署であるべきだからです。それにもかかわらず、各企業は別に国税局や税務署からその確定申告代行に対する報酬を一円ももらうわけでもなく、むしろ法律によって年末調整を行わなければペナルティまで科される状況の中で、国に対して無償のボランティア活動(=労役)を義務付けられているからです。

こんな非民主的で前時代的な制度なんて、どう考えたっておかしいんですよね。そもそもなんで給料を払っている会社が、各社員の税額の確定申告まがいのことをする必要が在るのでしょうか?そんなの給料をもらった各社員が自分で税額を計算して税務署に確定申告すりゃいいだけの話じゃないですか。大企業などでは、毎年の年末調整にかかる人事部の労務コストだってバカにならないレベルなのに。数万人の従業員がいる企業だったら、下手したら年末調整を行うためだけにちょっとした税務署の個人課税部門並みの労務コストがかかっているのと同じことになるわけですからねぇ。

そのコストを国が法人税から負けてくれるわけでもないのに、なんで本来やる必要のないこんな無駄な作業を毎年しなきゃいけないのか、到底理解に苦しみます。あるところで読んだ情報によれば、戦前は日本では個人課税については各地域ごとに課されたノルマをそこに属する各住民がそれぞれの儲けを参考にしながら地域代表者の一任によって分担する賦課課税のようなものだったらしいのですが、シャウプ勧告によって全国民が申告納税制度で納税を行うべきことが強く勧奨されたのだとか。

ところが、理由はよくわからないのですが(たぶん地域を統括する長の強い権限を維持させる意図や、戦後すぐのどさくさの中で申告納税によるまともな個人課税などできるはずがない、という懸念があったのでしょう)、他の税目ではシャウプ勧告に素直に従ったにもかかわらず、この個人課税に関してだけは申告納税制度を基本的にとりいれたフリをしつつ、一方で個人が所属する組織の長が税金をまとめて納付するという「年末調整制度」という世界的にも珍しい制度を考案・導入することで賦課課税制度的な性格を残す、という折衷案で丸め込んでしまったのだとか。

確かに個人課税を申告納税によって徹底させるというのは大変な労力が必要であることは想像に難くありません。しかし様々な社会的基盤も整い、人々が豊かになるにつれて、納税に対するモラルも意識も高まっている現在であれば、もうこんな納税者を信用していない、そして給与所得者の納税と申告に対する自由意志を奪い去り、また雇用者に従業員の納税代理を課すといった封建的・前時代的な制度はそろそろ止めてもよいのではないかと思います。

それに今後はマイナンバー制度導入によって、税務に対する電子化が大きく改善されることになっています。このような制度を国として導入するのであれば、個人の申告納税に関してもマイナンバーを利用した確定申告を前提に制度設計するのが当然ではないかと思います。

もちろん、いきなり年末調整制度がなくなってしまえば、現在の税務署の人員では到底受付業務や相談業務の面などにおいて大きな支障と混乱が生じることは容易に想像できます。しかし、そこはマイナンバーや電子申告という便利な制度を利用し、そして私たち税理士をサラリーマンの確定申告窓口の一つとして最大限活用してもらうことで、真の意味において国民主権とも言える国民総確定申告の実現を図るべきではないかと思います。

何と言っても、年末調整制度の最大の弊害は、国民の大多数であるサラリーマンから税金に対する意識を遠ざけることです。もちろんその方が国民から税制に対する不満が少なくて助かる、という国側の裏の狙いがあるのでしょうが、しかし、もうそういう時代ではないと思いますし、これから国の財政が更に厳しくなることが予想されるなか、国民一人一人がもっとご自身の納税という行為に対する意識を高め、そして国の財政や税金の使い方についてしっかりと目を向けるということが大切になってくるのではないかと思います。

そういう意味でも年末調整を廃止して国民総申告納税制度にすることは、もはや時代の要請でもあるように感じます。

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