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ネットで私刑、って…

2015 - 03/02 [Mon] - 13:47

広く報道されているように川崎で痛ましい事件が起きましたね。そしてこの事件に関する容疑者とみられる未成年者(「少年」という呼び方は、小中学生という不当に年少というイメージを与えるのでこの事件で使うのは不適切な気がします)が逮捕されています。

で、最近の凶悪事件に対する一般市民の反応の傾向ではありますが、この事件の加害者と思われる人たちの実名と写真、そして家族に関する情報がネットに書き込まれ、そして「こんな連中は死刑だ!許してはならない!」といった調子による非難が書き込まれているのだとか。

「容疑者」家族の顔写真投稿、自宅の動画を撮影... 川崎市の中学生殺人、ネットで「私刑」が横行

上記のリンク先の記事は、そのネットでの炎上に対して大手メディアからの行き過ぎを懸念するものですが、正直「そうかなぁ」と思いますねぇ。

最近はこうやってなにか凶悪な事件が起きると、マスメディアよりも先にネットで犯人や事件に関する情報が流れるわけですが、それに対して大手メディアは「少年法」「プライバシーの侵害」「誤認逮捕の恐れ」などを理由にあげて、慎重な対応を行うよう求める論調が多いです。

でも、大手メディアにそんなことが言えるのでしょうか??今回の事件だって、その容疑者の18歳の未成年者が自宅から出てくる様子について、報道カメラマンや報道陣たちが自宅にズラーっと並んでその様子をビデオに収めていたじゃないですか。そしてその未成年者が警察に到着した時に弁護士に付き添われて警察署に入っていく様子もカメラに収めてテレビで放送していたじゃないですか。

カメラに納める、ってことはつまり、「容疑者はどこに住んでいて、氏名は◯✕✕、年齢何歳」っていう情報をマスコミは逮捕される前に知っていたってことでしょ?まだ捕まっていもいないのに、なんでそんな重大な情報がマスコミに「だけ」流れるのでしょうか?そしてどこから漏れたのかわからない、それこそプライバシーの重大な侵害になりかねない情報に群がって、逮捕前の未成年者の自宅前に大挙して押し寄せてカメラをセットし、そしてその家庭の様子を逐一ビデオや写真に納めている行為は許される、とでもマスコミ連中は思っているのでしょうか?

ほんとうに不思議に思いませんか?あれだけ「プライバシーの侵害」だの「少年法に抵触」、「誤認逮捕の恐れ」などと綺麗事をテレビなどで言っているくせに、ご本人たちは容疑をかけられた人たちのプライバシーや少年法などどこ吹く風で、容疑者の自宅前で取材をおおっぴらに行い、そして容疑者の未成年者の映像を撮影しているんですからね。

顔をぼかして放送すれば許されるとでも思っているのかもしれませんが、そこまでやっている取材活動そのものが十分すぎるほど「プライバシーを侵害」し、そして「少年法の趣旨」を無視していますよ。そもそもなんでマスコミだけが逮捕前の容疑者に関する捜査情報を入手することができて、そしてその容疑者に対する取材活動が許されるのでしょうか??大いに疑問ですね。警察も人権侵害につながりかねないそんな重大な情報をマスコミに垂れ流してなぜ罪に問われないのか不思議で仕方ないです。

そうやって警察からの容疑者情報に基づいて取材を行った結果、重大な人権侵害を引き起こしてしまった例として、松本サリン事件の河野さんのケースが挙げられますよね。あれなんか本当に酷い話ですよ。松本サリン事件の最初の被害者である河野さんが、なぜだか容疑者として疑われ、ご家族も大きな障害を負って入院した被害者であるにもかかわらず、連日マスコミ連中から容疑者として追い掛け回されて報道されたのですからね。あんなにヒドい人権侵害、プライバシーの侵害などあるでしょうかね?

その反省などマスコミは全くしていませんよね。

そしてあれだけヒドい取材活動を繰り広げているマスコミが、今度はネットでの容疑者に対する非難について苦言を言うわけです…。正直、「どっちもどっちじゃねぇか」って思いますねぇ。警察からどうやって捜査情報を入手しているのか、あるいは犯人を追い詰める意味で警察側から情報がマスコミ側に流れてくるのか、そのあたりはわかりませんが、いずれにしてもマスコミの取材・報道活動だって、相当えげつなく、そしてプライバシーや少年法などをないがしろにしているのは事実。

そもそも、こんな事件が起きたら必ず犯人の少年たちの顔にぼかしが入った写真がテレビで大写しにされますが、あれだってどうやって入手したんですか?誰から譲り受けたんですか?少年法の規定によって顔や名前を公表しちゃいけないのですから、そもそもそんな写真をマスコミといえど入手する必要もないし、放送出来ないのなら写真にわざわざぼかしを入れて画面に映しだす必要すらないじゃないですか。それなのに敢えてぼかしを入れてでも放送する意味というのは、「晒し者にしたいから」でしょう?違いますか?

今回だって未成年容疑者の自宅前でカメラ構えて取材しているのだって一緒じゃないですか。本当にプライバシーや少年法に配慮して取材を行うのであれば、スパイのように誰にも気づかれないところでそっと取材するべき。それをわざわざ自宅の門の外で待ち構えて取材してるなんて、近所の人に「この家の未成年者が今回の事件の容疑者なんですよ」と知らしめているようなもの。その様子を見ていれば、近所の人なら容疑者の名前や住所を特定することなんて容易じゃないですか。ネットの住人たちは、その大マスコミのプライバシー無視の取材活動から情報をかき集めてネットに流しているだけのことで、やっていることの本質はどっちも同じですよ。

まさに目くそ鼻くそを笑う、を地で行っているようなレベルの話。大マスコミの口をして、なにがプライバシーで、なにが人権で、なにが少年、なんでしょうね(笑)。一番人権を無視して下劣で卑怯な取材活動をしているのは、当の大マスコミのくせにねぇ…。まったく笑っちゃいますよ。

まあ、長々と書きましたけれども、今回の事件について言えば、ネットで容疑者が晒されて、激しく非難されるのは仕方ないと思いますよ。だって、それだけのことをしたのはほぼ事実でしょうからね。それよりも、容疑者の未成年が警察に出頭した時に弁護士が付いていったのや、容疑者のお父さんが「息子は無実」と断言したコメントを出したことに違和感を強く感じますね。

手回しが良いというか、猿知恵が回るというか。でも、よく言うでしょう、策士策に溺れるんですよ。本当に犯罪を犯していなかったのであればまだしも、限りなく真犯人に近い人物なのに、その父親が無罪を断言するなんて、ちょっとよくわかんないです。勿論あの文章だって世論対策、捜査対策として弁護士が用意した文章だったのでしょうけど、もうちょっと空気読んでコメント作れよ、って気もしますね。

あのあたりの対応を見ていても、やっぱり刑事担当の弁護士さんって、世間と感覚がずれすぎてますね。依頼者の利益を守るための対策が、逆効果となって更に批判を受けることにつながっていることにまったく気がついてないのがイタい感じすらします。

今回の川崎の事件は、本当に、加害者本人も、マスコミも、弁護士も、すべてこの事件に関わる人達の「自己弁護」がちょっとおかしく思える事件ですねぇ…。

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