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日税連池田会長の話と制度問題(その1)

2007 - 10/07 [Sun] - 04:59

 先日近畿税理士会及び日税連の池田会長のお話を聞く機会がありました。私の想像と逆でとても小柄な方で、小柄な私よりもさらに小柄な方でした。とても穏やかでダンディーな外見、語り口もそのままで会長のお話を聞いていると、なるほどこの方はその人間的な魅力で偉くなった方なのだな、と理解できました。


 確かに時々組織の中には卓越した人間的な魅力でリーダーになる方がいらっしゃいます。いえ、祭り上げられる方がおられると言っても良いかも知れません。サラリーマン時代も部署の担当役員が当時の専務で、飲み屋でお話をしているときにこの方がどれほど人間的に大きく、魅力のある方であるかということに大変驚いて納得したことがありました。きっと池田会長も同じ魅力を兼ね備えておられる方だろうとお見受けいたしました。


 ただこれから先は池田会長の人間的な魅力とは別の話になってしまうのですが、会長が繰り返し主張する無償独占維持と電子申告の推進、そして無償独占に関連するアウトソーシングや強制入会制度維持のお話を聞いていますと、会長の人間性からお伺いできるように過激な変化を業界にもたらして業界に革命をもたらすようなことには会長が強く反対の姿勢であることがよく分かりました。それよりも変化はなるべく穏やかなものにして、今まで業界に長く暮らしてきた高齢、ベテラン税理士達の立場にも十分配慮して業界全体としての利益の維持と確保を最優先しておられるようにお見受けしました。


 なるほど会長がおっしゃるご意見も確かに業界を預かる立場の方としてはそういう感じになるかも知れません。しかし私自身の意見はこのブログに繰り返し書いているように、まあこういう資格の職業に関して言うなれば実力主義、というか一定水準以下の方々に関しては業界全体としての信用性を失墜させないためにも淘汰と退場が必要なのではないかという立場です。なぜなら税理士は一企業に属するサラリーマンとは立場が違うのです。税理士は各々が独立した専門家、経営者であり常に世間の厳しい目、競争に勝ち抜くことが求められる立場なのです。つまり進化と変化し続けてこそ税理士という資格を与えられるのであって、それができなければ別の職業を名乗るべきだと思うのです。これは我々が年々変化する税法という法律にかかわって生きている専門家である以上、その変化に対応せざるを得ない、対応できなければもはや税理士ではない、という理由に拠るもので、これがそれほど過激で本質から飛躍した理屈であるとは思っていません。


 確かに歳を取ってくるとサラリーマン同様税理士も仕事をする能力は落ちてきて、単純に競争の世界に巻き込まれると勢いとスピードだけでは若い税理士に負けることも増えるでしょう。しかしそこは長年の実務から得た経験と知識から顧問先にアドバイスできることが在るはずなのです。それができないベテラン税理士には業界の評判を落とさないためにもご退場頂くしかない、と私は言っているだけで自分自身の世界をきちんと確立されているベテラン税理士にまでご退場いただく必要はないと思います。それはどういう意味かと言えば、つまり電子申告ができなくても、税務相談会場で相談員などしなくても、各々の税理士が税理士としての職務を果たしているのであればそれでよいのではないか、ということです。


 しかし会長のお話などを聞いていると、アウトソーシング、特に地区相談などの税務支援業務は無償独占権利を与えられている税理士の義務的社会貢献として低所得者、小規模事業者等の税務を行うべき、と言う見解であると言うことがよく伝わってきました。しかしこれも私の個人的意見とは残念ながら異なります。私も実は税理士になった当初は会長と同じ考えを持っていたのです。しかし皮肉なことにそういった税務支援業務に積極的にかかわっているうちに、「これにかかわっているとまるでボランティアに強制参加させられているようで、相談者からは感謝されるどころか、『税理士はタダで相談に乗ってくれる便利屋。税理士に金払うなどバカバカしい。』と思われかねない。」と感じるようになってきたのです。これは税理士、税理士業界にとってはむしろマイナスで、やはり税理士が民間の職業である以上適切に報酬を得るのは当然の話であって、逆に言えば適切に料金を払って下さる方だけを我々の顧客とすべきなのです。だからそこにもし無償独占権が絡んで障害になっているのであれば、その無償独占権はなくしてもいいのではないかと考えるようになったのです。


 無償独占の裏返しとして、税務に関することなら何でもかんでも税理士が行うことだけが決して正しいわけではなく、プロフェッショナルに相談するためにはきちんとした報酬が必要であるというシステムを社会認知させる方が望ましいと私個人は考えています。幸い中小企業診断士などの仕事と違い、税理士の仕事は法律できちんと決められたことをきっちりと行うことが求められる仕事であるため、税理士業務には本来いい加減な無資格業者には入ってくる余地が無い訳で、本来プロがプロの仕事をしていれば有償独占も怖くないはずなのです。それほど税理士業務とは信用が重んじられなければならない仕事なのです。もちろんそうなれば残念ながら適切な報酬をお支払いいただくことができない相談者にはそれなりの応対しかできない、或いは適切な報酬をくれない納税者の相談は一切行わない、ということになってしまうわけで、無料相談者へのボランティアはしたいと思う方々がご自由になさったらいかがでしょうか、の世界になるわけです。


 じゃあお金を払えない、あるいは払わない方々の税務相談に誰が乗るのか、といえばそれが本来役所の仕事だったのです。本来社会的弱者の救済は役所が行うことであって営利を目的とする民間が行うことではありません。我々税理士はもちろん民間側ですから、私は無償で税務相談を行うことを全税理士に強制させることなどには反対の立場です。税理士に相談に乗って貰いたいのであれば税理士には必ず適正な報酬が与えられなければなりませんし、それができないのであればボランティアでどなたかが相談を受けるなり、税務署が応対すべきではないかと思います。税務署員には徴集した税金から給料が支払われますから無料で税務相談に乗るのは当然だと思いますが、税理士はどこからか適切な報酬が得られない限り不特定多数の税務相談業務を義務とすべきではありません。無償独占業務があるからといって税理士が税務職員の代わりに無料で税務相談をしなきゃならないなんて、明らかに無償独占を拡大解釈しすぎです。


 ですから税理士にも色々な経営方針、ポリシーがあってもよいと思うのです。社会貢献としてあらゆる相談者の相談に分け隔てなく従事することを是とする税理士がいてもよいと思いますし、一方税理士の職務は高所得者(上得意先)の経営・資産増大支援をすることで自分も十分な報酬を得ることだという考えを持っていてもよいと思うのです。ですから税務支援、税務相談活動についても色々な意見があって当然だと思うのです。それを一括りにして業界として方針を打ち出そうとするから難しいのです。


 そういう意味では税理士会への強制入会も含めて今税理士業界は岐路に立っていると思います。その状態であるにもかかわらず現状維持を第一として緩やかな変化を是とする池田会長のご意見にはどうしても同意しかねるのが今の私の考えですね。勿論私が60歳を過ぎてくれば考え方が変わるかも知れませんが、ただサラリーマンではなく自由業としての税理士という職業を自分自身で選択した以上、大過なく過ごせば退職金と企業年金がもらえて死ぬまでそれなりの生活が保障されるサラリーマンと同じ人生を送れるわけではないと全税理士がその宿命として十分理解すべきだと思います。今の池田会長のご意見によれば、事なかれ主義、従来の体制維持が目的に感じますし、実際それだからこそ日税連の会長選挙の際にこぞって高齢税理士達が全国的に池田氏支持活動を強力に展開したのだろうと思います。


 と言うことで、池田会長が人間的に魅力を兼ね備えておられ、その卓越した魅力をお持ちであるが故に日税連会長にまでなられたという事実は良く理解できるのですが、しかし今税理士業界が置かれている状況を考えますと池田会長の多大な魅力は別として調整型の池田会長が日税連の会長として適任であったのかどうかは少し疑問に感じますね。業界団体の長も政治の話と一緒で方針を誤ってしまうと取り返しがつかないことになりかねないので、あまりに旧体制維持を前面に打ち出す会運営になってしまうと会の内部で分裂が起きてしまうのではないかという危惧すら感じましたね。

- 続く -

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