税理士もりりのひとりごと

税理士もりりがぶつぶつと日ごろの出来事についてひとりごとを綴っていきます





  税理士もりりのひとりごとのナビゲーター   トップページ > 税理士 > なぜ税理士は共同事務所を作ってはいけない?  

なぜ税理士は共同事務所を作ってはいけない?

2014 - 10/21 [Tue] - 23:30

平成26年10月15日付、会報 税理士界、第1321号を読んでいますと、興味深い記事が書いてありました。

「源流」と題されたコラムには、今年改正された税理士法に触れながら、「税理士法38条に規定されている守秘義務の考え方が弁護士や公認会計士とは異なり、これがゆえに税理士は共同事務所という形態での業務が認められていない」と書かれてありました。また続けて「高齢化の流れの中で…事業継承問題を考えた場合、共同事務所経営が可能であれば相当の事務所においてこの問題は解決され、ひいては関与先の保護につながるものと考える」とも書かれていました。

本当に、全くそのとおりだと思いますね。

共同事務所を行なうことのメリットというのは、決して税理士の事業承継問題だけにとどまりません。顧客をそれほど持たず独立して事務所を構えることができない税理士がいた場合、その税理士は共同事務所で働くことができれば、パートナーの税理士と様々な相談や共同作業を行なうことで豊富な実務経験と問題解決能力を身につけることができます。

しかもそれぞれの税理士が経営者という自覚を持って日々の業務にあたっているため、いわゆる親方税理士と所属税理士の関係における場合や、税理士法人における所属税理士の意識とは一味違ったものになるのです。一言で言えば真剣さが違うので、鍛えられる深度が違うと思うのです。

これは将来の独立を希望している税理士にとっては、共同事務所スタイルが最も望ましいものなんですよね。だって顧客獲得だって自由にできるわけですからね。しかも共同事務所スタイルなら、負担する家賃も比較的軽くて済むかもしれませんし、何よりも先ほど書いたように実務における問題解決能力面における不安をかなり軽減させてあげることができます。

いまの税理士法では、税理士の修業の場として与えられているのは、完全に下請け、社員として仕事を請け負うだけの所属税理士という立場しかなく、自分で事務所を経営しながら修行していくというケースは事実上絶たれています。しかしなぜ経営者という立場で実務を習得していくチャンスがないのか、そこはどう考えても納得がいかない部分です。

共同事務所というのは、税理士が成長し、顧客を獲得していくためには最も望ましいスタイルであり、そのうえで税理士事務所の事業承継問題解決にも大いに役立つ経営形態なのです。それにもかかわらず、今の税理士法では共同事務所は何故か認められておらず、複数の税理士が共同して事業を行う場合には、必ず経営者(=責任者)の「下」で働く形態しか認められていません。

その理由は顧客の守秘義務の問題だとか、受任責任の所在を明確にするため、とか色々と理由が並び立てられています。しかし、現状では受任の責任などと言っても、職員が多い事務所などでは親方税理士がすべての税務署からの問い合わせに対応するほうが稀で、逆に所属税理士や、場合によっては無資格職員が直接税務署からの調査依頼などに対応していることだって少なくありません。

そういった実態から見た場合、共同事務所を否定する本当の根拠というのは、一体どこにあるのか理解に大いに苦しむ限りです。逆に言えば、先ほどのように共同事務所を否定する問題点があるのだとすれば、それを盾にして共同事務所の設立を禁止するのではなく、むしろ共同事務所の経営が可能になるようにそれらの問題点を前向きに解決していこうとしないのでしょうか?

現実問題として、共同事務所の存在を否定するだけのまともな理由などどこにもないにもかかわらず、たとえ名目だけでも「親方(=経営者)と子分」という関係にすれば共同事務所を作ってもいい、というのはどう考えても変な話なんです。

これだけ変化の激しい時代で、一般事業者の経営形態が多様化し、どんどん広がって様々なビジネススタイルやビジネスモデルが出来上がってきているのに、税理士だけは「親方-子分」の関係を作らなければ事業の拡大ができず、さらには税理士法人にしなければ支店を設けることができない、などというのは合理性を旨とする仕事を行っているはずの我々税理士から見てもとても合理的とはいえないでしょう(笑)。

そんなことではものすごいスピードで進化していく世の中のビジネスに税理士がついていけなくなってしまいます。ビジネスについていけないということは、税理士が企業経営の役に立てない、ということを意味するのです。税理士がこれからも事業経営の役に立つ存在であるためには、税理士自体の経営スタイルも多様化することが認められるべきではないかと考えます。

共同事務所の経営とともに、案件ごとの共同プロジェクトや、事業の外注・下請け、あるいは二ヶ所事務所問題を早急に見なおして税理士法人以外にも支店設立やパートナー化を認め、さらには派遣業務も柔軟に認められるように、税理士が様々な場面でもっと自由に世の中の役に立てるように制度を見直すべきではないかと思います。

そうしなければ、税理士は多様化する世の中の需要に応えられなくなってしまいます。税理士法人にしなければ多様な事務所経営ができず、二人以上で事務所を開くためには誰かを代表者にしてそれ以外の税理士はその代表の子分にならなければならない、なんて、そんな硬直した制度では困る、と思っている独立一人税理士さん、私を含めて世の中にはたくさんいるんじゃないでしょうか?

関連記事

トラックバック

http://moriri12345.blog13.fc2.com/tb.php/2080-f685f9ac

 | HOME | 






プロフィール

もりり

Author:もりり
当ブログにお越しいただきありがとうございます、税理士のもりりです。のんびりと、時々辛辣に日々感じたいろいろなことを自由に書いていきたいと思います。

最新記事

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード