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鶏を飛ばさない

2014 - 04/29 [Tue] - 10:48

先日旧知の友人である、ベンチャー企業経営者と大手銀行の支店長と真面目な話をしていた時のこと。

企業における人事について話し合っていると、私が投げかけた「どういうポリシーで人を育てるか?」という質問に対して、そのベンチャー企業経営者が「鶏は飛ばさない、だ」と答えたのがタイトルのフレーズです。

その心は?

どういうことかと言いますと、鶏に一生懸命「飛べ」とけしかけたところで、鶏は絶対に飛ぶことができません。鶏は鶏なんですから、鶏にできることをさせておくべきだ、という話です。

つまり、人間の能力に置き換えて話をすれば、本人の能力を超えたことをどれだけ会社や上司が「やれ!」と命令したって、ムリなものはムリ、ということなんですよね。だからその人の能力や才能にあったレベルの仕事をさせるべきだ、ということです。

そして、その話に大きく頷いたのが、元人事部にいた大手銀行の支店長。「そーなんだよなぁ、うちの銀行も鶏を飛ばそう飛ばそうとしてばっかりで、最近それがひどくなってきて、メンタルがやられる社員がものすごく多いんだよなぁ。」と言います。

そして続けて「俺も本部にいる時は全行員を飛べる鶏にしようとしてたんだけど、支店に出てみてそれが間違ってる、ってことに気がついたんだよ。」といいます。さらに「うちの銀行なんか、ダチョウにまで『飛べ』って命令するからなぁ(笑)。ダチョウに飛べって言うより、そのまま全力で走らせておいたほうがよほどいいのにな」と言います。

会社の人事に対する考え方、社員に求める仕事のあり方についてはいろいろな考え方があると思います。一時期、というか、今でも大手企業などで主流なのは「鶏やダチョウを飛ばそうとする」やり方です。つまり、会社が求める働き方、業務レベルの実現を全社員に強いるやり方です。もしそれができなければ、脱落して、最悪のケースでは精神を病んで退社するしかない、ということになります。

一方で、最近少しずつ広まりつつある考え方が「鶏をムリに飛ばさず、ダチョウは好きに走らせておく」という考え方です。つまり、社員にはそれぞれの能力のレベルや得意分野があるので、その能力の範囲内で最大限のパフォーマンスを引き出す方が会社にとってもメリットがある、という考え方です。

イソップ物語で言えば、太陽と北風の話みたいなものでしょうか。確かに今までの日本、特に高度成長時代を経験してきた日本企業には、社員にゼネラリストとしての働きを求め、全社員を質を均一なものにすることが有効であった側面はあるでしょう。

しかし、それができたのは仕事の処理速度が現代のように高速でなかったからだと思うんですよね。つまり、いくら忙しいといっても、所詮人間が全部手作業でやる話なんですから、今と比べれば全然のんびりしてたはずなんです。判断業務を数多くこなすのではなく、単純作業を黙々とやってれば仕事が片付いていった、というレベルだと思うんです。

でも今は仕事の質が違うんですよね。黙々と働いていれば仕事がこなせる、ってレベルじゃないんですよね。そんなのは機械やパソコンがやることであって、人間はもっと別の高度な仕事を行うことが求められているのです。

こうなってくると、当然社員に対する要求レベルも変わって来るんですよね。いきおい効率を求めるあまり、社員には更なる均一化と能力アップを要求し、しかもそれを高いレベルで実現させることを要求しがちです。しかし、そうなると当然ながらその会社の要求に応えられない社員が増えてくることになるわけです。

従来の企業の考え方ならば、ついてこれない社員には辞めてもらう、という考え方につながると思うのですが、そうなるとどんどん離職したり精神を病む人が増えちゃうんですよね。だってものすごく早く走れるダチョウに「飛べ!」と命令したって、できないものはできないんですもの。

だから「飛べないダチョウをムリに飛ばさず、楽しく走らせておいた方がよほど会社のためになる」「鶏だって、鶏にできることを一生懸命させておいた方がみんなハッピー」というやり方が見直されてきているのだと思います。

しかし「いや、それは社員のレベルが低く、またきちんと社員教育をしないから、社員が育たないだけだ」と考える向きもあるでしょう。でも、先ほど書きましたように日本のトップレベルの銀行でも落ちこぼれが出てくるんです。優秀な学生が集まってきて、最先端の教育と業務を行う会社でもそうなのです。

結局、よく言われているように、どんな組織にも二割の落ちこぼれが発生してしまうんですよね。どれほど優秀な人をかき集めても、必ず二割はその中で落ちこぼれになるんです。

じゃあその二割にどう働いてもらうのか、ということが大切なんですよね。「そんな奴らクビにして、あるいはネチネチいじめて辞めさせりゃいい」と普通思うでしょうが、辞めさせてもまた二割の人が自動的に落ちこぼれになりますから、結局いたちごっこです。

ならば彼らの能力を最大限に活かせるようにする方が会社にとっても結局はメリットがあるわけです。社員全員が空を飛べなくても、大地をものすごいスピードで走る社員や、地面をゆっくり歩き回っている社員がいても良い、という選択を与えることも一つなのです。

今からの社会を考えていけば、こういう会社に変わっていかざるを得ないのではないかと思いますねぇ。今までようにモーレツ社員ばかりを求めるのではなく、それぞれの社員の能力を最大限引き出して、彼らなりの最大のパフォーマンスを活かすやり方ですね。

そうなるためには、会社の上層部や上司に度量が必要になります。待つという姿勢や、各社員に合わせてパフォーマンスを引き出すための対応が必要になります。しかし、その手間をかけてでも行う方が、長い目で見れば会社や社会にとってメリットがあるのではないでしょうか。

大手銀行の支店長が、今までの彼自身の考え方が間違っていた、と告白したことを聞いて、きっとこれからの会社は社員の処遇を変えざるを得なくなるな、と確信しましたね。社員にムリな能力アップを求めるのは間違った考え方になってくるのでしょうね。

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