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特定口座の処理、おかしいよね?

2014 - 03/16 [Sun] - 02:45

さあ、平成25年分の個人確定申告もほぼ終わりになりましたね。だいぶ気分的にも楽になっている税理士さんも多いのではないでしょうか?まだまだ切羽詰まっている方もおられるかもしれませんが、頑張りましょう(笑)。

さて、この時期にここ数年導入された税務として、税理士泣かせなのが株の特定口座と寄付金ですよねぇ。なんでこんな複雑なことになってしまったのでしょうか?

そもそも、同じ取引について有利不利の選択がある税務処理というのはおかしいと個人的に思っています。同じ経済行為であれば税負担が同じになるからこそ公平な税負担が実現されるわけですからねぇ。それは社会保険料でも同じこと。

特にわけがわからないのが特定口座。税理士の皆さんなら一度は必ずご経験があるでしょうが、一番困るのが、株譲渡以外の所得が少なく、国民健康保険に加入している納税者が、前年から繰り越された譲渡損と今年の譲渡益を相殺するケースですよね(笑)。

いや、所得税の処理自体は簡単ですよ、メッチャ。困るのは、この相殺処理をするかしないかで国民健康保険料に大きな影響があることですよね?これは本当に税理士泣かせ。

前年以前からの株の譲渡損で今年の譲渡益を相殺すれば、源泉徴収されていた所得税と地方税は還付されます。平気で何十万円も還付される方はいくらでもおられます。アベノミクスで昨年は株価が大きく上がりましたからね。

しかし、税金が返ってきたとよろこんでいたのもつかの間、この申告によって国民健康保険料が前年と比べて馬鹿ほど高くなることがあります。今まで年間10万円ほどの保険料だったのに、突然70万円になってしまった、とビックリされる方も決して少なくないです。

それもこれも、原因は特定口座の所得や税額の内容が地方税の計算と全くリンクしていないから。何千万の株式譲渡益があっても、源泉徴収付きの特定口座で売買を行えば所得税の申告義務がなくて、しかもその特定口座の譲渡益や源泉徴収額が市区町村の所得計算や税額計算に反映されないからこうなるんですよね。

完全に制度の整備不足なんですよ、これって。で、確定申告する際には「税額で有利になるか、健康保険料で有利になるかを自分で計算して判断して!」なんて税務署でも責任放棄するしねぇ。でも、このせいで納税者や私達税理士を困らせることになってるのは、どう考えたっておかしいですよねぇ?

いまでこそ多くの税務ソフトは住民税まで計算してくれますけど、ちょっと前でしたら住民税を計算できないソフトが多かったですから、こんな損得計算を行うのは大変だったんですよね。しかも私達は社会保険の専門家でもないのに、個人確定申告の際に各市区町村の国民健康保険料の計算方法まで調べて試算しなきゃいけないわけですからね。

しかし、こんなの解決策なんて簡単じゃないですか。特定口座での所得額は、確定申告しようがしまいが国保を計算する際の住民税の所得額から除外すればいいだけの話じゃないですか。それで統一すればいいんですよ。

でももっと言えば、いまマイナンバー制の導入を政府で行ってますけど、課税の公平を実現させるためには源泉分離課税の所得もきちんと補足する必要がありますから、特定口座の所得額や源泉内容も全て確定申告させて、基本的には総合課税にするべきですよね。

何億円の所得があっても、株の譲渡や配当なら分離課税で税率もたった10%や20%で済んじゃうことがそもそもおかしいわけですからね。分離課税ができた背景はいろいろあると思いますが、世の中の電子処理がこれだけ進み、また完全に金持優遇税制になってしまっている実態から見れば、もうそろそろ見直すべきですよね。

今日のニュースによれば、所得税に二億円くらいの上限を設けて、世界の金持を日本に住まわせようと検討しているということでしたが、これはいいことだと思います。だったら逆に分離課税を不動産の売買などの突発的、高額なものに限定して、それ以外の高額の利子や配当、株の譲渡などは総合課税にしたらどうですかね?

現在のような複雑怪奇な分離課税制度制度ができた背景には、様々な業界の力関係とか、金持ち優遇のための施策とか、いろいろあることはわかりますし、それにも理解は示します。しかし、マイナンバー制度という制度は極力課税や社会保険料の負担を公平なものにしようという根本姿勢があるわけですから、その理念に基づいて制度設計を行うのなら、基本は全所得総合課税とするべきでしょう。

同じ一千万円の所得があっても、給与と株の売却益では税金も健康保険料も全然違う、というのではそもそもマイナンバーを導入する意味がないですからね。それを公平にするには総合課税しかないです。

ま、それはそれとして、話を戻せば特定口座の住民税税務、なんとかなりませんかね?いい加減で、不備だらけの制度を作っておきながら「損得計算はご自分で」とお上に責任放棄されたんじゃ、こっちもたまったもんじゃありません。

住民税や国民健康保険料が上がったと文句を言われるのは税理士だし、そもそも税理士がこのクソ忙しい時期に住民税の損得や健康保険料の損得までなんで計算せなあかんねん、という文句もありますよねぇ(笑)。

それは、複雑怪奇な寄付金税制についても同じ。お客さんの市区町村で税額控除できるかどうかをいちいち確認しなければならない、なんて、そんな手間のかかることをやって損得計算するなんて大変ですよ、ホントに。

税務署は「そりゃ損得は納税者ご自身で計算して!」と言えますけど、私達税理士は「健康保険料や住民税の損得はお客さんで判断して。私はそれに従って処理するわ」なんて言えまへんやんか、そんなもん(笑)。そんなこと言ったら「アホか、お前はそれでもプロか!」と文句を言われるだけですよ~。つらい。

最近の税制って、そういう不備がものすごく多いんですよ。そのくせ「ご自身で確認してください」と役所は必ず責任逃れして、そのしわ寄せは全部税理士に来ます(笑)。こんな複雑な制度を作ったのなら、作ったお前らが納税者に対して損得を明示しろよ!って言いたいですよね。

一昔前の年金問題と一緒ですよ。制度だけは作るけれども、実に不明確で無責任でいい加減。とにかく、特定口座と寄付金の税制、なんとかしてください。やろうと思えばすぐできることなんだから、すぐなんとかしてください。お願いしますよぉ。

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