税理士もりりのひとりごと

税理士もりりがぶつぶつと日ごろの出来事についてひとりごとを綴っていきます





  税理士もりりのひとりごとのナビゲーター   トップページ > 税務・会計 > 消費税の課税売上高、統一しようよ  

消費税の課税売上高、統一しようよ

2014 - 02/21 [Fri] - 14:13

 消費税の課税事業者・免税事業者を判断する時の売上高って、課税事業者→免税事業者になる場合と、免税事業者→課税事業者になる場合とでは金額が違いますよね。大雑把に言って、税率が5%であれば前者は税込売上高が1千50万円を切ったらですが、後者は1千万円を越えたら、ということになってますよね。

 その理由は「免税事業者は消費税を受け取っていないから・・」ということに通達では書かれていますが、これっておかしくないですか?前にもこのブログに書いた内容ですけど、いったい消費税法のどこに「免税事業者は消費税を消費者から受け取ってはならない」と書いてありますか?

 こんなの、両方とも税込金額1千50万円を判断基準にすりゃいいじゃないですか。そう思いません?

 だいたい「免税事業者は消費税を受け取っていないはずだから、課税事業者になるかどうかの判断は売上総額で判断する」っていう書きぶりそのものがおかしいじゃないですか。だってすべての事業者は消費税を受け取っても良いわけですから、例え年間の売上高が500万円の事業者であれ、100万円であったとしても消費税をもらえばいいはずです。ただ、免税事業者であれば「消費税の納税義務がない」というだけの話なんですから、堂々と利益に計上すればいいだけのことです。

 であれば、免税事業者だって消費税を消費者から受け取っているわけですから、課税事業者になるかどうかの判断は売上総額を1.05で割って、その金額が1千万になるかどうかで判断するべきだと思います。そもそもいったいどこの誰が「免税事業者は消費税を受け取ってはならない」というルールを決めたんですか?

 だっておかしいじゃないですか、考えてもみて下さいよ。免税事業者が外部から何かを仕入れてくる場合、その仕入にかかる消費税額は免除されるわけじゃないですよ?仕入を行う場合にはしっかりと消費税額が取られているわけですから、お客さんにものを売る時だった消費税を乗せて売らないと、自分が仕入の際に払った消費税の額について泣かなきゃいけなくなるじゃないですか。

 これから8%、10%と消費税額が上がっていくのに、免税事業者だという理由で消費税を乗せてお客さんに販売できないのであれば、免税事業者は泣かなければならない金額がどんどん増えていってしまうじゃないですか。それはどう考えてもおかしな話で、免税事業者も消費税法に則ってしっかりと消費税をお客さんからもらうべきです。

 だってこのあいだテレビでやってたお医者さんの診療報酬の改定のニュースだっておかしなことを言ってましたよ。これから診療報酬は上がるのだそうですが、その理由が「消費税が増税されるから」なのだそうです。「免税事業者は消費税を取ってはならない」という理由と対比して考えると、これおかしいでしょ?だって診療報酬って、非課税売上なんですから、そもそも患者さんから消費税を取っちゃいけないじゃないですか。

 患者さんから消費税を取っちゃいけないのに、消費税が増税されるから診療報酬をアップさせる、ということの理由は「コストとして仕入事業者などに支払う消費税額が増えてしまうから、いくら非課税事業であると言っても値上げしなければお医者さんが仕入事業者などに支払う消費税増税分を泣かなければならなくなってしまうから」と言うところにあるわけですからね。

 非課税事業者であれば、お客さんから消費税を取っちゃいけないので本体価格の値上げをしなければ仕入にかかる消費税増税額を吸収できませんが、免税事業者はそもそも課税事業者なんですからお客さんから消費税を受け取ることで、仕入にかかる消費税に関する部分を調整すればいいじゃないですか。だってどう考えたってそれが普通じゃないですか?

 それよりなにより、課税事業者になるかどうかで販売価格に消費税を加えるかどうをいちいち決めながらお客さんにものを売ったりすること自体が不細工じゃないですか。「ええっと、去年までは免税だったから1千円で売って、今年は課税事業者になったから1,050円にして、で、また来年は免税に戻っちゃうから1千円にして・・」なんて商売してること自体が不細工すぎるし、めんどくさいでしょ。そんなん、ずっと税込1,050円で売りゃいいじゃないですか。

 だから、どう考えたって消費税法の免税→課税事業者の判断における売上高に関する通達の書き方がおかしいんですよ。本来課税事業者である事業者であれば、例え年間売上高が1千円であったとしても消費税はお客さんから受け取るべきなのですから、課税事業者・免税事業者の判断は、すべて年間の売上総額を税込額として判断すれば良いと思うんですよね。

 何度も書きますけど、そもそも通達1-4-5に書いてある「免税事業者であった期間は事業者は消費税が課されていない、云々」といった書き方が消費税法に照らしてもおかしなワケで、この通達の文言を修正するべきだと思いますね。免税事業者であれなんであれ、事業者は消費税を受け取らなければならないのですから、消費税は課されていると理解するべきです。

 こんな通達がいまだに残っているから、税理士の中でも消費税が免税されるお客さんに対して「消費税をお客に請求したらイカン!」と注意するような人がいたりするんですよね。ある意味通達に真面目に従っている人だということも言えますが、お客さんのことを考えたり、そもそもの消費税本法の書きぶりを考えてみれば、通達の内容の方がおかしいということがわかるはず。

 免税事業者がお客さんに対して消費税を乗せて売るか、乗せないで売るか、ということは、そりゃ事業主が自分で判断すれば良いだけのことでしょ?それは事業者自身の価格戦略、経営戦略の中で選択できる、というだけの話で、消費税法で決められているワケじゃありません。

 そもそも、免税事業者が消費税をお客さんから受け取っているからという理由で、消費税法違反で指摘された話を聞いたことがありますか?ないでしょう?みんな益税として受け取って利益に計上しているじゃないですか。そもそもそれでいいわけですから、免税事業者も消費税をお客さんに請求すればいいし、課税事業者になるかどうかの判断も総売上高から消費税部分を差し引いた金額で判断を行えばイイんじゃないでしょうか?

 消費税創設当時の詳しいいきさつを知らないので、なんでこんなワケのわかんない通達ができたのか、その理由を知りませんけれども、たぶん、あの頃の一般庶民の感覚として「免税事業者=消費税を価格に加算しない事業者」というイメージが定着していたからでしょうね。消費税導入に対する国民からの反発を恐れて国税やマスコミも「免税事業者は消費税を価格に乗せないんですよ!」と一生懸命に説明をしたのかも知れませんが、その考え方がそもそも間違っていたんですよね。

 事業者であれば売上高の多少にかかわらず消費税をお客さんからもらうのが筋ですからね。ただ、免税事業者であれば、その預かった消費税を国に納税する義務がない、ってだけの話ですからね。だって消費税法にはそういう順番で、そういう内容で書いてあるわけですから、他に解釈のしようがないでしょう。

 ところで、同じ「免税事業者」という呼び名でも「輸出免税=消費税を関係させない取引」とは意味合いが全然違いますからね。輸出を行っている事業者は、海外のお客さんから日本国の税法に基づいた消費税を受け取ることができないから、免税事業者なわけなんですよね。だから、そもそも国内で商売をして、お客さんから消費税を受け取ることができる小規模事業者の「免税=納税義務の免除」とは意味あいがまったく違うんですよね。

 法の趣旨に沿って普通に考えてみれば、どう考えても先ほどの通達の内容がおかしいとしか思えないわけで、この通達のせいで様々な誤解や、ミスが引き起こされることになるのであれば、こんな変な通達は内容を見直すべきだと思いますね。また、税理士さんも実務の中で「こりゃ、どう考えたっておかしいんじゃないの?」と感じた部分はもっと声を大にして世間に問うべきだと思いますね。

 今回の消費税の課税事業者の判断を行う売上高にしても然り、役員に対してきちんとした手続きを経て支払われる賞与が法人税法上の損金にならない点も然り、その他にもどう考えてもおかしいと思えることはいろいろあるはず。税法のおかしな部分を「おかしい」と指摘することも「中立公平な立場に立つ」税理士としての大切な役割だと思いますね。

関連記事

トラックバック

http://moriri12345.blog13.fc2.com/tb.php/1939-61094b28

 | HOME | 






プロフィール

もりり

Author:もりり
当ブログにお越しいただきありがとうございます、税理士のもりりです。のんびりと、時々辛辣に日々感じたいろいろなことを自由に書いていきたいと思います。

最新記事

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード