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税理士の賠償責任保険

2013 - 09/13 [Fri] - 11:27

 税理士には責任賠償保険、などという保険商品がありますよね。個人の開業税理士でも、加入割合は登録税理士数に対して40%程度と、比較的多くの税理士が加入している保険だと思います。

 ただ、私がどうにも解せないのは、この保険契約によって保険金が支払われるケースというのは、税理士のミスによって納税者に過大な納税をさせてしまった場合なんですよね。逆に税理士が「納税額を少なくしてあげよう」と努力して知恵を出して申告を行ったものが、調査などでアウトになって結果的に過少申告となった場合には保険金は出ないんですよね。

 これ、なんかおかしな気がしませんか?

 そりゃ、理屈で言えば、過少申告の場合には、本来納めるべき税額を納税者が納めるのが当たり前なのだから、そこには納税者にとって「不当な損失」というものは本来的に生じない、という考えなんでしょうね。でも実際のところは、過少申告だったからと言って納税者が税理士に文句を言わないはずがなく、慰謝料や加算税部分の負担を税理士に請求してくることは十分ありえる話ですよね?場合によっては過少部分にかかる本税の負担も請求されるかも知れません。

 でも、過少申告の場合、納税者が税理士に対して重要な情報を隠している場合を除いて、ほとんどのケースは税理士が納税者の税負担をできる限り減らしてあげようとして努力した結果起こってしまう場合だと思うんですよね。だったら、税理士としては善意に基づいて納税者利益のために業務を行っていたわけで、職業倫理的には褒められるべきことだと思うんですよね。

 翻って、保険金が支払われるケースは、税理士のミスによって納税者が本来支払わなくても済んだ税金を支払ってしまった場合です。しかし、これは単純に税理士がきちんと仕事をしなかったからそうなってしまったわけで、その損害賠償額を保険で補填してもらえる、っていうのはどうなのかな、とものすごく疑問に思うわけです。

 納税者のために一生懸命税額を減らしてあげようとがんばっているわけでもなく、ただ単に税理士の怠慢によって納税者に迷惑をかけた場合に保険が支払われるって、どーなのよ、って思うわけです。過少申告を行ってしまった場合には保険金が支払われないで、いい加減に申告して過大申告になった場合に保険金が支払われるのであれば、そんなもん、納税者の税負担を減らしてあげようなどと下らないことは考えないで、むしろ納税者の税負担を大目に申告を行った方が、後々はラクだ、ということになりかねません。

 こんな保険商品があるようじゃ、税理士はますます納税者の利益のためには働かないんじゃないかと思うんですよね。税理士が果たすべき責任を果たさないで納税者に損害を与えたのであれば、そんなもん税理士が家屋敷を売ってでも、自分の財産でその損失を補填するのが当たり前だと思うんです。それが責任というものじゃないでしょうか?

 それなのに、納税者の利益を考えて一生懸命努力した税理士には保険金が支払われないで、納税者の利益などなにも考えず、ただいい加減な仕事をしたいい加減な税理士に保険金が支払われるだなんて、どう考えても私には納得できないんですよね。そしてさらに不思議なのは、日税連としてこの保険への加入を全税理士に強制させようとしているところですね。

 過大申告を行った場合のみ保険金が支払われるなんていう税理士を甘やかすだけの保険商品なんて、いらないんじゃないかと思うんですけど、世の中には根強いニーズがあるようですね。裏を返せば、それだけいい加減な申告をしたり、ワザと税務署有利な過大申告を行う税理士が世の中には数多存在している、ということなのかも知れませんね。

 そういう方たちにとっては最高の保険商品ですからね(笑)。自分達のそういういい加減な仕事内容が顧客にばれたときに、その損害賠償を埋めあわせてくれる保険なのですから、こんな嬉しい保険商品はないでしょう(笑)。

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