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英国の法人税減税

2013 - 06/18 [Tue] - 11:35

 今日の新聞に書いてあった税務関連記事から二つほど。

 一つは英国の法人税率を引き下げるという記事。しかし、これによって日本企業が影響を受けることもあるとの懸念が広がっているようで、その理由は「タックスヘイブン税政」。いわゆる低課税国に関連会社があるような場合に、英国での法人税が低すぎるので、日本でも法人税を一部支払ってもらいましょう、という制度に引っかかるというわけです。

 それもこれも、その理由は英国が法人税率を現行の23%から20%に引き下げるからだそうで、それがいわゆる「トリガー税率」に抵触するからだそう。そのせいで、場合によっては現在よりも増税になってしまう日本企業もでる可能性があるのだとか。

 記事によれば、ドイツの企業などは英国での低税率を見越して、特許権などを英国に移し始めるところもでているのだとか。まさに国境を越えて柔軟にしなやかに損得計算を行っていますなぁ。

 しかし、もともとの話をするならば、そもそもこんなタックスヘイブン税制なるものがあるのは、日本の税率と他国の税率に著しい差があるから。こういう税制を用意して租税回避行為を防ぐこともいいですが、そんな負け組が必死で何かをかき集めようとするような継ぎ接ぎパッチの税制を用意して必死にならなくても、日本の法人税率を下げたらいいじゃないですか。それが一番手っ取り早い解決策でしょうに。

 結局日本の法人税負担が世界2位と高いままであることがすべての元凶なんですよね。だって今回の新聞記事に書かれている国だって、英国ですよ。別に怪しい発展途上国でも、カリブに浮かぶワケのわかんない島国とも違います。金融の世界センターの一つを担い、先進国の一つでもある英国がタックスヘイブン税制の対象になりかねない税率にまで法人税率を引き下げよう、というのですからね。

 先ほど日本の法人税率を下げればいい、と書きましたけれども、当然ながらこれについては反対意見が出てくるわけです。でも、このままじゃ日本企業は国際競争においてどんどん不利な状況におかれていくのは間違いないんですよね。国際的な事業を行っている日本企業も、こんな状況が続けば有利な税制を求めて本社移転、権利移転などの税務対策を進めるのは目に見えています。

 結局のところ、日本が法人税率を引き下げられない原因はどこにあるのでしょうか?何が理由で法人税率を下げられないのでしょうか?財政状態が悪いから?多額の国債を償還しないといけないから?歳出が多いから?公務員が多くて、経費がかかりすぎるから?あるいは高齢化による社会福祉費が膨大にかかるから?
 
 うん、じゃあ、なぜそこを解消できないのか、改めて考えてみましょうよ。財政状態が悪いのなら、どうすれば良くなるのか。国債の償還が多いのなら、どうすれば減らせるのか。公務員が多いのなら、どうすれば減らせるのか。社会福祉費が多すぎるというのなら、どうやればそれを減らすことができるのか。

 だって英国だってそんなに財政状態は良くないでしょう?たぶん。私たちが若かった頃は、英国なんて経済ボロボロで先進国でも最悪の国でしたもんね。重税、重税で、金持ちがどんどんアメリカなどに脱出してましたもんね。多少は状況は改善されたのかも知れませんが、そんな英国が法人税率20%を打ち出すわけですからね。そこには国としての戦略があるはずなんですよね。

 なぜ日本はそうしようとしないのか?それが本当に疑問です。日本の政策って、八方美人過ぎるんですよね。いい子ちゃん過ぎるというか。でも、今でもここまでボロボロになりかけてきているんですから、もうカッコつけて八方美人的な政策を維持することって不可能だと思うんですよね。

 それを劇的に改善させるためには、ある程度の劇薬を使わなきゃしょうがないと思うんです。ガンを治療するためにも、他の健康な細胞まで壊してしまう抗がん剤を使うじゃないですか。病気を治すためには、髪の毛が抜けたり、気分が激しく悪くなってしまうような「劇薬」だって使う必要があるわけで、今の日本だって「八方丸くおさめる」ことばかりやってたら共倒れしちゃうと思うんですよね。人間なら「抗がん剤使って髪の毛抜けるくらいなら、抗がん剤使うのは絶対イヤ!」って言っているうちに、結局がんで死期を早めるような話じゃないですか。

 抜本的な立て直しを行うためには、泣いてもらうところには泣いてもらうことも仕方ないと思うんですよね。結局それが日本の政治家にできるかどうかが問われているわけですよね。英国にある現地法人の利益に対してタックスヘイブン税制を適用する、なんてバカバカしいことやってるようじゃ、日本は本当に世界から笑われますよ。

 日本も法人税率を、世界的な競争力がある25%程度にまで引き下げ、それによる歳入減は大胆な歳出の削減を行って影響を最小限にする、もうこれしかしょうがないと思うんですけどねぇ。それにそうやって法人税率を引き下げることによって、今まで海外で租税回避を行っていた利益が日本に環流される効果もあって、それが税収減を補う可能性だってあるわけですしね。やってみなきゃ効果なんてわかんないですよ。

 先日もお医者さんとしゃべっていると「日本の薬価は高すぎる」って話になりましたが、薬価の高さはすなわち社会福祉費の高さにもつながるわけですからね。病院で処方される薬や、病院で使われる様々な薬や消耗品なんて儲かって仕方ない商売ですからね。なぜそうなるのか、といえば「誰も価格を叩かないから」。

 だって消耗品を使う医者にしたって、別に保険で決まった収入が入ってくるわけなので、薬価を叩く必要もないし、患者だって調剤薬局で処方される薬を値切ったりしませんからね。そりゃ医薬品業界は大儲けできるはずです。でも、海外では国民総健康保険制度がないこともあってコスト圧力がかかるため、そこまで医薬品業界が儲かっているワケではないそうですからね。

 まあ、いろんな既得権益を叩いていけば、国民の生活コストってだいぶ引き下げられるんじゃないでしょうかね。先日もブログに書きましたように、宅建業界における仲介料の実質3%(売り買いあわせて6%)固定、なんておかしな話ですからね。でもね、そんなことを言うと、TPPお化けに「反対、反対」と叫んでいる人達のように、「自由競争を進めることはアメリカの陰謀だ!」なんて叫び出す既得権益者達がゴロゴロ出てくるわけです(笑)。

 でも、そういう既得権益者達を黙らせて国の歳出削減をはかって、法人税減税を戦略的に進めることができることこそが、政治家のお仕事。もとより誰にでもできる仕事なら、政治家にやってもらう必要などないですからね。無理難題を、様々な方面との調整をつけながら進めていくのが政治家の役割なんですから、そこで力を大いに発揮して欲しいですねぇ。

 私たち税理士業界も立派な既得権益者団体なわけですが(笑)、あまり自分達の利益のことばかり主張せず、国の将来のためになることであれば、大局から折れるところは折れて欲しいもんですね。TPPにからむ農業団体のように、自分の利益だけを主張して、周りのすべての人達から失笑されるようなことだけは止めて欲しいと願っています。

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