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マイナンバー制度、導入決定

2013 - 05/26 [Sun] - 14:19

 先日国会でマイナンバー制度の2016年1月からの導入が可決されましたね。このマイナンバー制度については賛否両論あると思いますが、政府としては導入を決定した、というワケです。

 いろいろとその使途については噂されていますが、しかしながら、実際のところどのように具体的な手続きでこのマイナンバー制度を利用するかという点については、よくわかっていません。行政の中で情報を突合するために導入することは間違いないと思いますが、私たちの日常においてどこまでこのマイナンバー制度を利用することになるのかは、イマイチわかっていません。

 例えば、私たちの仕事に関して言うならば、社会保険の手続きや税務申告に関する疑問が出てきます。新入社員が会社に入ってきますと、当然ながら社会保険加入の手続きを行うわけですが、その手続きの際にマイナンバーを紙に記入して年金事務所などに届け出ることになるんでしょうねぇ?

 と、言うことは、会社の人事部のように、その社会保険手続きを請け負う担当者は、社員全員のマイナンバーを把握している、という事になります。また、私たち税理士であれば、もし毎年3月に行われる個人確定申告の際にマイナンバーを申告書に記載して提出しないといけなくなれば、私たちは全顧客のマイナンバーを入手し、それを管理運用する必要があります。

 もっと言えば、顧客である法人の年末調整を行う場合には、従業員全員のマイナンバーを入手して各報告・申告手続きに使うことになるでしょうから(使わなければマイナンバー導入の意味が無い)、相当な人数のマイナンバーを私たちは扱わなければならなくなります。

 し・か・し、そんなことを行ってもよいでしょうか?いえ、これは私個人の正直な意見ですけれども、そういう社会保険や税務申告にマイナンバーを使わなければならないとなりますと、そこで得たマイナンバーの「流出」や「悪用」、あるいは番号間違いによる「不正処理」がものすごく心配ですねぇ。

 といいますのも、そりゃ税理士や社労士は国からライセンスをもらっていますので、こういった情報流出などに対する意識は高いと思います。しかし問題は職員です。職員も自分が携わる多くの顧客のマイナンバーを知る立場にあるわけです。そしてその中に、有名人などの番号を見つけた場合、その情報を絶対に悪用しないと言い切れるでしょうか?

 怖いのは、この番号を入手した人間が、イタズラで、別の人間になりすまして税務申告を行ったり、戸籍や住民票、所得証明書などのプライバシーに関する書類を入手することですね。もし、番号とパスワードさえ知っておけばこういった手続きができるのなら、マイナンバー情報が集まりやすい大企業、税理士事務所、社労士事務所などは情報漏洩のリスクがものすごく高まります。

 なぜなら、そういう情報を知り得る立場にいる社員・職員が情報を持って退職する可能性があるからです。その情報を不正利用してイタズラをする輩がいるかもしれませんし、あるいは情報屋に自分が持っているマイナンバー情報を売るかも知れません。

 さらに、恐ろしいのは、その不正に持ち出した個人情報をネタにして、マイナンバー所有者本人に買取を請求するケースですね。ええ「この情報を買い戻さないなら、情報屋に売ったり、ネットで公開するぞ」と脅して高額買い取りを要求するわけです。あるいはもしかすると、情報を持ち出した税理士事務所に対して、高額買い取りを請求してくるかも知れませんね。

 芸能人などの個人情報を取り扱うことが多い東京の税理士事務所や、高額所得者の情報を取り扱うことが多い税理士事務所などでは特に注意が必要ですよね。普段どれほど注意して情報を管理していたとしても、税務申告の際などにはどうしてもマイナンバーを職員を含めて取り扱わざるを得なくなりますから、悪意を持った職員がマイナンバー情報を持ち出して、先ほどのように売買を行ったり恐喝のようなことを行う可能性は絶対に否定できないですよね。

 いや、そう考えると空恐ろしいですよ。だってちょっと考えてみただけでも私たち税理士だってマイナンバーを取り扱う可能性もあり、そしてその流出防止の重責を負わされるわけですから、一体誰が自分のマイナンバーを日常業務に取り扱っているのかわからないなかでは、誰もが情報流出の恐怖に怯えることにもなりかねません。

 場合によっては、到底マイナンバーを取り扱わせてはならないレベルの連中にまでマイナンバーを教えないといけない可能性だってあるわけですからね。それは、私たち税理士事務所だって一緒です。だって所員数数名の超零細事業なわけですから、そこにいる職員のレベルだって必ずしも高いとは言えないですからね。

 そう考えていきますと、私たち自身もその責任の重さに身震いしますが、それ以上に情報流出の可能性の高さが怖すぎます。ですから、そのような情報流出や情報の悪用を防ぐ意味においても、マイナンバーを利用して民間が業務を行う範囲は、金融機関など、可能な限り狭めなければならないように感じますね。

 たしかに企業が毎年行う年末調整の際にマイナンバーを使って税務署や市区町村役場に所得額を報告させれば、脱税の可能性はかなり減りますよね。きっと今現在の不正の数を100とすれば、きっとマイナンバーを導入して全企業に役所への報告を義務づけるなら、その不正は5~10くらいに減るかも知れませんね。

 しかし情報管理レベルの低い、あるいはブラック企業のようなところにまでマイナンバーの報告を義務づけるようなことになれば、そういう制度を導入することによるメリットよりも、情報流出に伴うデメリットのほうがずっと高まるかも知れません。

 まだ、2016年からどういう業務にマイナンバーを適用させるのかは明らかになっていないと思うのですが、今の情報化社会であるからこそ、逆に、マイナンバーを取り扱う事業者は可能な限り少なくしておかないと、本当に恐ろしいことになりかねません。個人的な意見を書かせていただけるなら、最もマイナンバー制度導入のメリットが見込めるであろう、税務申告に携わる税理士事務所への導入は止めていただきたいですね(笑)。

 正直、情報管理の自信が無いです。そして、流出した後の責任問題や、影響の大きさが想像できません。でも、税理士事務所でそのように尻込みするくらいなのですから、マイナンバーを導入して所得や年金を管理するメリットが一体どれほどの効果があるのか、ずいぶん当初目論見よりも減るかも知れませんね。

 とりあえずは、税務署と年金事務所、そして市区町村役場で個人番号を統一化させることによって、各個人の所得状況が容易に把握できるようになりますので、住民税の脱税や社会保険における適切な保険料徴収や扶養家族の適正化はできるようになるでしょうね。

 あとは、利子や配当、有価証券譲渡の情報を金融機関から税務署に情報を流すようにする、あたりでしょうか・・。でも民間からの情報収集は、そのあたりにとどめておかないと、先ほどのようなリスクが発生して、世の中が大混乱しそうな気がしますねぇ・・。

 考えてみれば、空恐ろしい制度であるだけに、相当慎重に考えて導入範囲を決定しないと、取り返しのつかないことになってしまうかも知れません。

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