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食えない税理士・会計士

2013 - 04/12 [Fri] - 00:39

 

 「食えない税理士・会計士」とは今週の週刊エコノミストという雑誌のタイトルです。決して「煮ても焼いて食べられないほど役に立たない」という意味ではなく(笑)、「競争が厳しくて収入が減っている」という意味ですね。

 週刊エコノミスト 食えない税理士・会計士

 いちおう自分の業界の話ですから、買って読んでみました。このブログをお読みの方でも、この本を目にされた方はたくさんおられたと思います。いかがでしたか、お読みになって?

 私の感想としては、「別にたいしたこと書いてねぇな」と言うところですね(笑)。書いてある内容は、今税理士としてお仕事をなさっておられる方なら日々感じておられるような内容ですね。要するに「昔より競争が激しくなって儲からなくなりました」というお話。

 私達のように、この業界に入った当初からすでにそれほど儲からない状況であった者から見れば、別に特別な話は書いていません。むしろ「かつての平均的な月額顧問料が3~5万円で、決算報酬がその3~6ヶ月分」とか、「10件もお客がいればとりあえず生活できる」「相続税の報酬は100万円から500万円」と書いてあるところに「へー」と思いましたね。

 法人の方はまだわからなくもありませんが、相続の報酬が100万円とは、羨ましい・・(笑)。私もかつては最低報酬額100万円程度で相続のお仕事したことがありますが、お客さんの「少し高くないですか?ま、頼んだ以上仕方ないけど・・」という悲しそうな反応を見て、それ以降は「もっとお客さんに納得してもらえる料金設定にしよう。こんな商売してたらアカンわ。」と強く感じましたねぇ。

 確かに「これくらいはもらって当たり前」という姿勢で強気な営業をすればいいわけですが、私がお客さんなら税金よりも高い報酬額を税理士に支払う理由がどうしてもわからないでしょうねぇ。はっきり言って100万円も貰わなければならないような作業量や責任を伴う仕事はしてませんからねぇ。

 よく税理士さんたちは「ある程度の納税額になると、万が一のトラブルのための”保険”としてそれなりの報酬をもらっておかなければ割が合わない」とおっしゃいますが、それはあくまで税理士さんから見た理屈であって、お客さんから見れば「なんで万が一の計算間違いなどの時のリスクヘッジとして多めの報酬をあんたに払う必要があるの?あんたがちゃんと仕事してくれたら、そんな余分な報酬を払う必要はないんとちゃうの?」って感じですからね。

 ま、そのへんがお客様から見て税理士、というか「士業」の方々のセンスがズレているところですね。だってスーツを買うときに「将来の寸直賃」を上乗せして売る業者がいたら「おかしいな」って思うでしょう?そんなもの、実際に寸直しをするときに払えばいいだけのことで、なんで直すかどうかもわからないのに余分な費用を払う必要があるのでしょうか。

 税理士、というか士業の商売って、「1対1」でカネを取ろうとし過ぎなんですよね。つまり「Aという顧客にかかった直接経費が80あればAから100もらわないと割合わない」という商売のやり方なんです。でも、普通の商売は「1対多」なんですよね。つまり「Aに80コストがかかって70しか請求できなくても、Bは50のコストで80もらるから良しとしよう」というやり方ですね。

 たぶん普通の商売ではこれが一般的だと思いますね。個別の顧客ににかかったコストで請求額を決めるのではなく、全体にかかるコストを元にして価格をはじき出しているハズなんです。そういう風に頭を切り換えられないから、士業では見積を出せない人が多いんですよね。つまり「そのお客にかかったコストを、全額そのお客から回収しよう」と考えるから、「コストが固まらないのに値段なんか見積もれるはずがない」となるわけです。

 商売全体として儲かればいいので、個別のお客にかかる細かいコストなんて細かく見ても仕方ないんですよね。コストは全体で吸収できればいいんです。なのに、個別の事例すべてで損をしないようにやろうとするからどうしても値段が高めに設定されるし、お客から見れば「なんでこんなものに料金がかかるんだ?」と思えるような理不尽な価格設定になったりするわけです。

 今回の本にも「税理士報酬の低下」とか書いてありますけど、何度もこのブログに昔から書いていますように、そんなの当たり前なんですよね。昔の報酬が法外に高すぎただけの話で、もし税理士が「自分の事業に対して外部の税理士に経理や税務の代行を頼むとして、一体いくらなら納得して払うか?」と考えてみた場合、なかなか「オーバー50万円の金額を払って当然」と思う方は多くないのではないでしょうか?

 ご自分が払いたくない報酬額を、他人からもらうのは構わない、と思っているのは、そりゃやっぱりちょっと違うんじゃないでしょうか。もちろん記事にあるように「価格が違えばサービスの質も違う」という面は当然ありますけれども、しかし全然仕事量とかけ離れた報酬をもらって平気な税理士さんがいるのも事実。

 それに「ネットの普及が報酬相場に影響」とか書いて現在の報酬競争の激化を話題にしていますが、この程度の報酬額競争は全然当たり前のレベルだと私自身は感じていますね。そもそも独立して仕事を始めようとする普通の税理士さん(「商売上手の税理士さん」でない、という意味)であれば、今の時代なかなか「月額3万、決算5ヶ月分」の報酬を払ってくれる関与先を見つけるのは大変ですよ。

 新規開業した税理士さんは顧客対象として新規事業者をつかまえようとするわけですが、最初から「月額3万円、決算料5ヶ月分」を提示して気持よく「ウン」と言ってくれる事業者はなかなかいないと思いますよ。もちろん、私が筋の良いお客さんと縁が薄い、ということもあるとは思いますが(笑)、最初に3万円を提示したら「じゃあ、ちょっとお時間頂いて検討させてもらってもいいですか?」と相見積とられて体よく断られるのが普通でしょうね。

 でもそういうお客さんが頑張って儲けてくれれば2年目からでも「月額3万円?え、それでホントに足りるの?」と向こうから言ってくれることもありますから、そんな新規開業客を増やすのが私たちキャリア浅組がやるべきことなんでしょうね(笑)。

 あとは別に取り立ててどうこうといった内容は書いてありませんでしたが、「平均年齢が高い」とか「税理士7万人」とか書いているところを見ると、実際の税理士業界に明るい方が記事を書いたわけでないのは明らかです(笑)。内情に詳しい方なら、単純な計算上の平均年齢や、会の登録人数自体にあまり意味が無いことはよくおわかりのはずですからね。

 「国際税務に特化して差別化」とか書いている内容もありましたが、そうできる税理士さんは多分3大都市圏のごくごく一部の方、あるいは国税局でそういうった分野に明るいOBさんに限られるでしょうから、あまり一般的な税理士像を記事にしているとは言えないかもしれませんね。

 ま、売れるための記事を書くためには多少の脚色が必要でしょうから、その辺りは割引いて読むべきなんでしょうね。あ、会計士さんに関する記事は読んでも良くわかりませんでしたのでコメントは控えておきます(笑)。

 もしご興味があれば、一度本屋さん、ネットでお読みください。

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