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国民番号制度、税理士も大変かも。

2013 - 03/16 [Sat] - 16:17

 国民番号制が2016年から導入されるとかどうとか、って話を新聞で読んだんですけど、これって結構税理士の業務にも影響ありますよねぇ?

 だってね、考えてもみて下さい。国民番号制が導入されれば、各個人の収入額や税額、社会保険料額などの情報を一元化された窓口に給与支払者から報告することになると思うんですが(そうしなければ意味が無い)、そういう情報処理って中小企業の場合税理士事務所が行っているわけです。

 ということは、国民番号制度が導入されれば、当然ながら給与支払者である中小企業になりかわって、税理士事務所が各個人の収入状況などを役所に報告することになると思うんですよね。その際には給与を受け取る全従業員、全アルバイト、全パートの個人番号をデータに入力しなければならないんですよねぇ。・・でもそんなこと、本当にできるんでしょうか?

 考えてみれば、それは大変な作業ですよ。そもそも私たちが年末調整を行う際に、関与先全従業員の個人番号がきちんと集まるのか?というのが問題ですよね。そもそも制度の趣旨から言えば、例え年間1万円のバイト代しかもらっていない人であったとしても、その人の個人番号と共に役所にきちんと報告できなければ、今回導入する国民番号制度の意味がありませんもんね?

 1日しかバイトにこなかった人の個人番号なんてきちんと把握できるんでしょうか?それとも「面接時、または勤務初日には住基カードを持ってこないと給料を支給してはならない」という法律作りでもするんでしょうか?年末調整を行う際には全従業員から住基カードを集めて処理をするんでしょうか?

 または各従業員の自主申告による番号に基づいて報告するだけでいいんでしょうか?あるいは1人でも持ってこない人がいるとしたらどう扱うんでしょうか?もしウソの個人番号や間違った個人番号を雇用主に伝えた場合にはどうなるんでしょうか?

 そう考えると、疑問は尽きないんですよねぇ・・。雇用主ですら全従業員の個人番号を把握できるかどうかわからないのに、そのあたりにルーズな事業主から税理士事務所が年末調整業務を請け負っている場合に、一体私たちはどこまでの権限を持ってその事業主さんと接することになるのでしょうか・・?

 そういう場合は年末調整業務請負を拒否していいんでしょうか?でも拒否してしまうと、それこそその関与先は役所に給与支払情報を全く報告しないんじゃないでしょうか・・?

 制度の趣旨から言えば、「従業員のうち、絶対に1人でも洩れやミスがあってはダメ」という状況でなければ国民背番号制度を導入して税や社会保険を一元管理する意味がありませんが、だったら税理士事務所は今までの年末調整よりももっと責任重大な任務を背負わされることになるわけですよねぇ・・?

 本当にそんな大事な報告業務をきちんと処理していけるんでしょうか・・?あるいは源泉徴収制度と同様に、雇用主にそのあたりの責任は全部負わせるんでしょうか?

 国民番号制度なんて、大前提として、日本国民全員が住基カードを24時間持ち歩いていることがあるんです。アメリカですぐ「IDカード見せろ」と言われて、差し出すのと同じ感じです。日本人もIDカード、すなわち住基カードを常に携帯しておくことが、この制度の基本、大前提となるのです。

 IDカードを持ち歩く習慣などない日本人に、IDカードを持ち歩く習慣を付けることが制度の第一歩ですよね。それよりなにより、まだ多くの人が取得すらしていない住基カードを日本国民全員が取得することからはじめなければなりません。

 こりゃ大変な制度ですよ・・。もちろんフェアな社会を実現させるためにはとても大切なことなんですけど、本当に日本国民のうち1人の洩れやミスもなく所得や税、社会保険情報が報告されるのでしょうか・・?それをやらなかった場合の事業者に対する罰則というのはどのようなものを想定しているのでしょうか・・?

 当然ですけど、相当厳しい罰則を設けなければ、こんなもの誰もまともに報告なんかしませんよ。今だって市民税をちょろまかしたいために給与支払報告書を市役所に提出しない事業者なんか山ほど有るのに。それと怖いのは「個人情報の漏洩」、すなわち「なりすまし」ですよ。

 例えば冒頭の話のように、税理士が中小企業の年末調整を請け負って、彼らの代わりに役所に給与情報などを提出する際には、当然全関与先の全従業員の個人番号を知ることになるわけです。で、ある人の名前と住所、そして個人番号を知った誰かが、その人を困らせるためにイタズラで「年収2千万」みたいな情報を流したらどうなっちゃうんでしょうか・・?

 もちろん、今のe-Taxのように、その情報の発信時に情報発信者の個人情報を添付して提出するはずなので、どこの誰が報告を行ったのかはわかることになるはずです。しかしその報告された内容がホントかウソかは、情報を受け取った役所ではわからないわけですし、イタズラでなくても間違えて報告されたときにどう対応するのか、というのが不安ですよねぇ。

 なにしろ、今であれば市役所などの役所しか知ることができない個人番号を、事業主、そして税理士事務所、さらには所得把握のための情報収集にかかわるであろう銀行・証券会社・保険会社などの広範囲の関係者が知らなければこの制度は成立しないわけですから、個人情報の拡散・漏洩は間違いなく避けられないわけです。

 業務を通じてある特定の人物の個人情報を知った誰かが、その情報を使ってイタズラをしたり、なりすまして役所にウソの情報を報告する恐れはないんでしょうか?有名人や著名人の個人番号を知り得た何者かが、「これくらいウソの情報を報告したってわかるもんか」とありもしない所得情報をその有名人の個人番号を使って報告することを行ったりしないでしょうか?

 そう考えていくと、確かに個人番号制度はいつかは実現させるべき制度だと思うのですが、現実問題を考えてみると、ひとつには全国民のすべての所得情報などが本当に洩れなく収集できるのか?、そしてもう一つには個人情報が拡散することによって悪意を持った人間がそれを悪用することをどう防ぐのか?、あるいは収集された情報が間違っている場合にどのような罰則規定を設けるのか?という点に大いなる心配を持っちゃうんですよね。

 だって私たち税理士自身がこの制度の一端を担うことにもなるわけですから、そのあたりの問題点をしっかりとクリアにしておいてくれなければ、私たち自身がこの制度の運用に協力できなくなっちゃいますからね。だっておっかないですもの。

 また当然ですが、今の税務の電子申告制度と違って、この国民番号制度は一旦導入されると各個人に制度利用を拒否する権利は認められません。制度が導入されれば、制度に反対の人も絶対に利用しなければならなくなります。そして反対しているにもかかわらず、強制的にその制度に従った結果何かトラブルが生じて自分の所得情報が間違ったりした場合には、制度設計の不備を問う国家賠償的な訴訟が多数起こされる恐れもあるんじゃないかと危惧するんですよね。

 色々考えてみれば、なかなか大変な制度で、もっともっと深刻な問題が沸き上がってくると思います。そのあたりをどうやって潰して解決していくことができるのか、あるいはできないのか、注意深く見守る必要があると思います。今の技術・情報レベルではどうしても解決できないのであれば、環境が整うまで待つことも大切ではないかという気もしますねぇ。

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