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会報「近畿税理士界」を読んでいて

2013 - 02/18 [Mon] - 10:47

 さあ今日から個人確定申告がスタートですね。体に気をつけてがんばって仕事をしましょう。

 もう最近は税理士会から送られてくる会報誌を読むのもすっかりと遅れ気味でして、古いものを今ごろ読んでいます(笑)。それを読んでおりまして、気がついたことを二つほど。

 一つは「税理士の資格取得制度のあり方(意見書)」に関するもの。

 まあ、話の内容としては、現在弁護士、会計士に無条件で付与されている税理士資格取得を見直そうという話についてですね。当然、「税理士会」の会報誌ですから、税理士制度について批判的な意見など書くはずもなく、当然ながら税理士の立場を守るための内容になっています。

 税理士制度自体の社会的必要性については私自身も強く感じていることは当然なのですが、しかし、世の中はもっと広く見なければなりません。逆の立場からも物事は見る必要があります。記事の中でも、TPP(記事には”TTP”と書いてありましたが、間違い?)やFTAによって税理士登録への外国弁護士資格取得者や外国会計士資格取得者が登録する可能性が触れられていましたが、じゃあ、税理士法を改正すればそれが防げるのか?ということもいろんな面から冷静に考える必要もあるんじゃないでしょうか?

 そもそも海外の多くの国では、税理士制度そのものがないわけです。そしてそういう国では公認会計士が税務代理をしていることも多いわけです。逆にいえば、なぜ日本に税理士制度というものを設けているのか、それを持続させるための客観的な必要性は何か、なぜ海外のように会計士が税務代理をすることが認められないのか、あるいはそもそも税務代理に資格が必要なのか、ということをもっと客観的に考えてみるべきだと思うのです。

 それは突き詰めていえば、日本における税理士制度は「お上のため」の制度なんですよね。ええ、お上から見て税理士制度があれば申告書の内容の質がある程度担保されるので、実に都合がよい制度なんですよね。はっきりいってそれだけなんですよ、税理士制度の存在理由は。

 だって、不正な申告を行った納税者は税務署が法に基づいて調査を行い、増差と加算税を取ればいいだけの話なんですから、納税者は自分が正しいと思った内容で申告書を提出すればいいだけの話です。ええ、本来はそれに対して税務署が一生懸命申告書のチェックを行えばいいだけの話なんです。だって税務署だってこの時期になれば「自書、自書」ってしきりに強調するじゃないですか(笑)。

 でも、本当に各納税者が自書で申告書を書くようになったら、税務署における申告内容のチェックが膨大な作業量になって大変だから、納税者と税務署の間に、半官のような「税理士」という有資格者を噛ませ、そいつらに一次的なチェックをさせよう、あるいはそいつらに申告書を代書させよう、というだけの話なんです。

 リベラル的な思想にたてば、お上が庶民の行動を制約するのはおかしいですし、ましてや民間がお上の管理を手助けするなんておかしい、ということですから、税理士なんて制度そのものの必要性がありませんよね?けれども世の中の皆さんが申告書をスラスラと自分で書けるワケではないでしょうから、そのときは誰かわかるヤツが「代書」すれがいいんですよね。

 でもそれだって、代書するのは税法が分かる人であれば、いや分からない人でもいいのですが、誰でもいいって話なんですよね。そこに資格の必要性なんかないんです。だって今だって税理士に代理申告を任せていても、間違えた申告書を出した時のペナルティは納税者が負うことになりますので、誰が代書しようと究極的には関係ないからです。

 そこで何かトラブルが起きたり、不正な手ほどきをして金儲けするヤツがいたとしても、それは別に「税理士法」で裁くのではなく、トラブルは民事訴訟で損害賠償訴訟を起こせばいいし、今でいう「ニセ税理士」みたいなヤツは所得税法違反などの罪で裁けばいいだけの話ですよねぇ?そう思いません?税理士制度があってもなくても一緒ですやんか。

 ・・それが、一番進んだ民主主義に基づく税務申告の考え方だと思いませんか?お上から税務申告に関するライセンスを与えられた有資格者だけが税務代理をできる、なんてまさしく戦前、江戸時代あたりの「お上至上主義」に基づいているとしか考えられません。

 もちろん税理士制度を「納税者の権利を守るための制度」という方もおられると思いますが(私もそう考えている口ですが)、しかし別の立場に立てば、「納税者の権利を守るためであれば、別にお上からライセンスを与えられる必要などない。だれがやってもいい。」ということも言えるわけです。「民間の権利は民間自身で守ればよい。お上からライセンスを与えられた人間に守らせる必要はどこにもない」とも言えるのです。

 それと、TPPがらみの話でいけば、日本の税理士法を改正すれば守れると思っている税理士関係者が実に多いようですが、TPPは国際的な枠組みですからね。ある程度各国の事情に配慮する面はあるにしろ、基本は国際政治の場で決められる話です。

 税理士制度が国際政治の場で俎上に上がった場合、日本の政治力で守りきれると思いますか?(笑) 先日のオリンピックでのレスリング除外のいきさつを見ていても、国際政治の場面で「正論」だけが通ると思いますか?国際政治においても、根回しとコネがものすごく大事なんですよね。結局は人と人のつながりがいろんな大きなものごとを決めて行くわけですからね。

 日本国内では、そりゃ税政連がいっぱいお金を使って政治家を抱き込んでおけば税理士制度は維持できるでしょう。弁護士や会計士を排除することもできるでしょう。しかし国際政治の場においては税政連も、また普通の国会議員たちも無力です。そうなるともっと大きな力がルールを決めてしまう可能性のほうが高いのです。

 日本の税理士会が国際政治の場で税理士制度の継続を主張するのと、各国の会計士がタッグを組んで国際政治の場で税理士制度不要論をぶち上げるのと、どちらが強いと思います?普通に考えて、私は後者だと思いますけどねぇ・・。アメリカの会計士に強力な世界的ネットワークを持っているユダヤ系が多いと聞いたこともありますしねぇ・・。

 ・・ま、そういうことで、あんまり日本における税理士制度の必要性を声高に税理士会が叫んで弁護士や会計士の排除に走れば走るほど、より日本の税理士制度や日本における税務の「特殊性」を国内外に知らしめるだけになるのではないかと、危惧しないこともないですねぇ・・。むしろ「融合」「融和」を図る方が制度の長期的な存続には有効な気がしますけれどもねぇ・・。

 それともう一つは、新規登録会員を見ていてアレッと思ったことを。数年前に自身が大脱税事件を起こして世間にも広く報道されて、たぶん資格を剥奪されていた方が再登録されていました。しかも以前と同じ支部に。

 「ふうん、あれだけ何千万円も脱税して逮捕されたような人でも、数年経ってほとぼりが冷めれば元いた場所に戻ることができるんや。あんなに世間を騒がせたんだから、てっきり『近畿税理士会再登録不可』とか『永久追放』と思ってたけど。税理士っていうのも、意外と居心地イイもんなんだなぁ。」と、これまた日本の税理士制度の不思議さが頭をよぎりましたねぇ(笑)。

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