税理士もりりのひとりごと

税理士もりりがぶつぶつと日ごろの出来事についてひとりごとを綴っていきます





  税理士もりりのひとりごとのナビゲーター   トップページ > 税務・会計 > 税制改正による経済対策  

税制改正による経済対策

2013 - 01/10 [Thu] - 14:22

 報道を見ていますと、ちらほらと平成25年度の税制改正の内容が漏れ聞こえてきますね。以前の自民党税調のように、参加者が花火を打ち上げて世論の様子を見るやり方から、「政府あるいは税調がこのように検討している」という民主党政権と同じ手法でやってきていますね。

 さてその中で最近報道されているのが、祖父母が孫の教育資金を拠出した際に1,500万円までを贈与税の非課税とする案と、企業が従業員の給与を増やした場合に法人税を減税する案の二つですね。

 まず最初の1,500万円の教育資金贈与の非課税に関してですが、まぁ、これはどう考えてもお金持ち一家の資産移転を進めるのが目的ですよね(笑)。だって、普通の家庭でしたらおじいちゃんおばあちゃんが孫の教育費を負担することは、そりゃあるでしょうし、その場合でも別にいちいち申告なんかしないでしょう(もちろん生活費・教育費の贈与税の非課税、ということで税務上も問題ないと思いますが)。

 結局、この制度の目的は孫が大きくなるまでにじいちゃんばあちゃんが死んじゃうと相続税かかってくるような家庭が、孫がまだ小さいうちに1,500万円まで孫名義の銀行口座(信託銀行といわれていますが)にじいちゃんばあちゃんのお金を避けておいた場合に、贈与税を非課税にしてやる、ってことですよね?

 これと同じことを今の制度でやっちゃえば、当然ながら名義預金として相続税の対象になってきちゃいますし、もし孫が大学に入る頃まで祖父母が元気だったとして一度にぽーんと学費をまとめて孫やその親に渡したりしたら多額の贈与税がかかっちゃいますもんね。

 ま、ざっくりと言ってみれば「1,500万円までの名義預金は許したる!」ということですかね。もちろんその孫がまだ小さいとか、将来きちんと学校に行ってその名義預金から学費を支払った、という条件は付くと思いますけど。この制度と相続時清算課税を使えば、親に2,500万円、孫に1,500万円の計4,000万円までは生前に贈与税無税で子や孫に動かせる、ってことですね。

 タダ、一つ引っかかるのは、今回の学費の非課税については、結局のところ孫が大きくなって大学などに通って学費を使うまでは、祖父母から贈与された1,500万円には手を付けられないはずですし、当然ですが、教育費以外に使うことは制度として認められないでしょうから、いくら早期に資金の世代間移転を進めても、この移転した資金が直接消費拡大につながることはなさそうですね。

 もちろん、この資金贈与を受けることで、将来の学費負担を心配しなくて済む親たちが間接的に消費を拡大させるという可能性は大いにあると思いますが。

 さて、それと企業が従業員の給与を上げた際に法人税を減税するという案についてです。これについては新聞でちらっと見ただけで、詳しことはよくわかりませんが、どうやら企業が社員の給与を増やした場合には法人税を減額するという制度のようです。あまり細かく言及できないのがつらいところですが、基本的には大企業などが社員の給与を増やせるような施策を打ち出してくれることはよいことですね。

 以前からこのブログで何度も書いていますように、いくら企業の業績が良くなって最高益をたたき出したからと言っても、そこで働く従業員の給与を抑えた上で最高益をたたき出しても景気面では何の利点もないんですよね。だって企業が儲かってお金をたくさんプールしたって、街の飲み屋が潤うわけじゃないですからね。

 やっぱり企業が儲かったのであれば、その果実は従業員に分け与えてもらって、そして従業員が気前よく街でお金を使ってくれるようにならないと世間の景気は一向に良くなりません。企業の業績が良くても、景気の実感として感じられない理由はそこにあると思います。

 ですから政府が従業員の給与を増やした企業に対して法人税を減税しようとすることは、とても良いアイデアだと思うのです。もちろん法人税を減税したくらいで、グローバル競争に晒されて人件費削減に邁進する大企業がすぐに従業員の給与を上げるかどうかは全くの未知数ですが、しかし制度として用意することに意義があるのではないかと思いますね。

 ただ円安もずいぶん進んできていますし、このまま緩やかに1ドル=100円レベルにまで下落するようになってくれば、輸出企業が潤って随分と国内の雰囲気も変わってくるのではないかと思います。そういう全体的なバランスの中で今回の税制改正のアイデアが景気の刺激策として役に立ってくれればいいですねぇ。

 そうなることを期待しています。

 
関連記事

トラックバック

http://moriri12345.blog13.fc2.com/tb.php/1621-0e8c78ef

 | HOME | 






プロフィール

もりり

Author:もりり
当ブログにお越しいただきありがとうございます、税理士のもりりです。のんびりと、時々辛辣に日々感じたいろいろなことを自由に書いていきたいと思います。

最新記事

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード