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いよいよ電子申告時代の到来

2006 - 10/06 [Fri] - 07:29

 以前電子申告について書いたことがありましたが、最近では電子申告を取り巻く環境も大きく変わろうとしています。何しろ業務のIT化については人一倍熱心な私ですら電子申告に取り組むことに消極的だった理由は次の通りです。①申告には納税者と税理士の証明書が必要 ②銀行に提出する申告書の問題 ③地方税が対応していない ④システムそのものがトラブル多くてめんどくさそう

 多分これらは多くの税理士が電子申告に二の足を踏んでいた理由のほとんどだと思います。しかし税理士会を始めとして様々な方々から意見が寄せられたからでしょうか、国税側も本気で電子申告を普及させるための改善を行っていることがどんどん明らかになってきています。

 まず上記の①、これはどうやら平成19年から税理士が代理申告する場合には税理士だけの証明で申告ができるようになるようです。ハッキリ言ってこの点が改善されるだけでも電子申告普及には大変な前進だと思います。なぜなら従来であればいくら税理士が電子申告を行いたくても、納税者に申告に必要な電子証明書を取得してもらう負担が避けられなかったためです。そのため電子申告の開始届を一つ提出するにしても事前準備として納税者側の電子証明の準備が必要で、そんなことを全ての依頼者にお願いするなど馬鹿馬鹿しいとしか言いようがありませんでした。

 ところがこれらからは申告に税理士の証明だけあればよいので、極端な話、開始届などジャンジャン提出することが可能です。納税者の意思確認さえすれば他の税務関係の届出書と同様に税理士の権限でいくらでも気軽に作成できるのです。しかも納税者に与える時間的、金銭的負担は全くありません。これはとても大きな一歩です。

 そして③の地方税の対応、これも最近ではほとんど可能となりました。いくら国税の電子申告ができるといっても地方税が紙による提出であるのなら、結局大した制度ではありませんでした。しかしほとんどの地方自治体で可能となった現在であれば法人においても電子申告の完全化を阻害する要因は無くなりました。

 それから②の問題。これは聞くところによればまだどこの銀行もハッキリと「税務署の受付印がある申告書が無くてもいいですよ」とは言ってないようですが、これだけ政府と税理士会などが電子申告普及に取り組んでいる状況において何をかいわんやという感じですね。ハッキリ言ってこの状況においてまだ「受付印のある申告書でないと・・」などという銀行や担当者がいるとしたら、そんなの無視ですよ。「アホか、これだけ状況も整って税理士と政府がやっと電子申告に本気で取り組もうとしてるのに、銀行がそれに待ったをかけるなんてどういうことやねん。そんなもん銀行の方が電子申告にいち早く対応してくるのが筋やろが」ということです。

 だって政府が強力に推進をしている制度ですよ。それを何で銀行が対応していないから、という理由で我々税理士が止めてしまう必要があるのでしょうか。とはいえ、きっと賢い方々が一杯いる銀行のことですから、電子申告を行っている納税者にも既にきっちり対応しているはずだとは思うんですよね。もしその準備すらしていない銀行があるとすれば、それはもう全くお話になりませんね。無視して電子申告のコピーを銀行の担当者に渡すだけです。

 それから④ですが、これは様々なソフトメーカーが十分対応してきています。きっとこの面については更に便利な申告機能が各社から発表されるはずなのでもはや心配する必要はないでしょう。

 ところで世の中には電子申告をすることのインセンティブを求める声も少なくありません。その要望も理解できないことはないのですが、私は個人的には電子申告を行う、行わない程度のことでインセンティブをつける必要はないと思っています。それよりももっと単純な理由で、すなわち今まで紙で提出していたときよりも電子申告の利便性を高めてさえくれれば、我々のようにそれを生業としている連中は当然飛びつくはずだからです。結局は電子申告の利便性をどうするか、の問題であって、電子申告を普及させるために税額控除を行うことは全くの本末転倒だと思います。

 我々は税務申告のプロです。手書き業務がパソコン業務に取って代わられたのと同様に、利便性が高く業務の効率が高まるのであれば放っておいても我々は必ず電子申告に対応しますよ。そういう意味で言えば、やっと我々の業務改善のために我々自身が電子申告に対応するべき状況が整った、ということなのです。うちの事務所にも一人だけいますが、いまだにパソコン会計すら対応できないで全ての業務を手書きで行っている事務員や税理士が世の中にはいます。しかしこれからはもうそんな人たちは放っておけばいい、という世界になってしまうのです。

 我々はパソコンを十分に駆使した会計と税務申告でどんどん単純作業の効率を高め、代わりに仕事の質をより高いものにして商売として発展させることを考える時代に完全になったのです。電子申告の本格普及により完全に過去の会計や税務の手順とは決別してしまう、もうそういう時代になってきているのです。それについてこれない方々やプロ意識のかけらも持っていないような方々は、申し訳ないけれどこの業界からご退場願う、そういうことなのです。

 もう電子申告への機は熟しましたね。これだけ環境が整えば電子申告をやらない理由など何もありません。私たちの事務所も納税者自身の証明書が不要となる来年1月をめどに着々と準備を進めていっています。来年は真の意味で日本の電子申告元年となることでしょう。新しい税務の流れが来年から始まることでしょう。

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