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「税理士制度に関する勉強会における論点整理メモ」その2

2012 - 07/24 [Tue] - 23:57

 その1からの続きです。

 それと「2(3)受験資格要件の廃止」について。これは別にどーでもいいです。試験に合格できれば、別に学歴はカンケーないんじゃないですかね?それよりもこの中に「公認会計士の試験は平均4年、税理士は平均10年・・」という記述がありますが、これは会計士の試験が簡単だとかどうだとかいうよりも、会計士は試験制度が変わったと言え、やはり基本は一発合格ですから、4年やってダメなら受験生が諦めるんじゃないですかね?

 一方の税理士試験は科目合格制度を採っているので、2-3年普通にやっていれば、1科目くらいは受かるでしょう。そうなると諦めつかずに全科目合格するまでやっちゃう。その結果10年かかちゃった、そういう話じゃないですかね?なので試験制度が異なる会計士試験と同じレベルで比較しても意味ないと思いますね。

 次の「2(4)試験科目の整理」、これは税理士にとって全く意味のない固定資産税や酒税法などという税法は、税理士試験科目から外すべきですよね。あと、消費税を必修科目にするかどうかは、別にどっちでもいいです。だって所得税を取って法人税を取っていない税理士だって山ほどいるんですから、別に消費税を取るかどうかはあまり大きな意味はない気がします。

 ただ、これも前からいっているように、税理士になって仕事を実際に行うと、所得・法人・相続・消費は日常の仕事を進める上でも正しい知識が必要なので、試験のレベルを今よりも少し落として、これらの税法を必修とすることが望ましいと思いますね。これは単純に税理士になる人達が実務で困らないようにするために、という目的においてです。

 そして「3(1)研修受講の義務化」、これはもう持論ですが、そんなもん当然です。自分で勉強できる人はいくらでも勉強すれば結構ですが、できない人、やらない人がいると税理士のレベルが必ず下がり、税理士制度そのものの信用問題になるのです。だから毎年たった36時間の研修ですら受講できないような人は、資格返上する気持ちを持つべきです。

 ただ、「そんな、田舎に住んでいる税理士はいちいち研修会に行けないよ」という意見はよくわかりますので、それはネットによる受講制度をもっと豊かにするべきですね。今どきネットにパソコンをつないでいないような税理士は、もう引退してもらっていいので、ネット受講すらできないという税理士は無視すればいいんじゃないでしょうか。

 続いて「3(2)税務援助への従事義務」、意味ないですね、これは本当に。こんなの税理士の既得権確保、税理士制度維持のためだけにやろうとしていることですから、全くクソのような話です。本当に納税者の支援、そして信頼できる税理士制度維持のために税務支援を行うのであれば、全員従事を義務化するのではなく、きちんと現行の税法を理解して、そして納税者から信頼を失わない指導ができる税理士に限定して行うべきです。

 いろんな意見がここには書いてありますけど、この意見を書いている人は本当に税務支援の現場を見た上で発言しているのでしょうか?実際に従事なさったらわかるはずですけど、義務化なんかにして、確定申告時期にヒマで、小遣い稼ぎだけがしたい高齢税理士なんかに従事させたら、相談内容メチャクチャでっせ。

 扶養控除や寡婦・寡夫控除なんか話になりまへんで。こんな申告書をプロが作って平気、というのは実際問題信じられないレベルです。この程度の仕事しかしないのなら、ニセ税理士にさせた方がマシなくらいですよ、冗談抜きに。

 だから税理士制度維持のために税務支援従事義務を導入させるのなら、その前にダメな税理士には引退してもらうのが先ですね。それと当然ですが、高齢税理士の従事義務免除は「当然」ではなく、「従事できないなら資格停止」とするべきです。そんなの、なんで若いヤツらだけが支援義務を守る必要がありますの?税理士という資格保有者なら老若男女を問わず従事して当たり前でしょうに。

 従事義務を免除される高齢税理士さんたちが、税理士業務として得ている報酬が限りなくゼロに近いのであれば実質引退しているのと一緒なので、そりゃ免除しようとどうしようと私たちだって文句言いません。でも実態は違うじゃないですか。自分は判子だけ押して、実務はすべて子飼の若い補助税理士や事務員という名の「ニセ税理」達にさせてたくさん税理士報酬を稼いでいる高齢税理士さんもそこそこおられるじゃないですか。

 税理士として報酬をたくさん得ているにもかかわらず、「高齢だから」という理由だけで税理士としての義務が免除されるのは、誰がどう考えたって明らかにおかしいでしょ?だから、なんでそんな従事義務に対する「逃げ道」を高齢税理士に対してだけ最初から設定しているのか、その理由がさっぱりわからないんです。

 本当に、補助税理士制度と言い、研修義務化や税務支援義務化といい、なんでいつも年寄り税理士ばかりラクさせて、若い奴に義務を押しつけるような規定ばかり作るのでしょう?それは納税者の利益を守り利便性を高めて税理士制度をより良くするためのものなんですか?それとも年寄り税理士たちの既得権益を守るためですか?なぜ仕事のできない高齢税理士の利益「だけ」を守る必要があるんですか?その理由は?

 もうこの際なんで、議論をわかりやすくするためにはっきりと裏にある意図を言ったらどうですか?「高齢有名税理士先生方には、今まで税理士制度を作ってくれたことや、選挙の際に自分達を支援してくれた恩がある。だからどうしても彼らから既得権益を奪う規定を作るわけにはいかない。」と会の上層部ははっきり言えばどうですか?そうはっきりと言ってくれた方がよほど議論は前向きに進むんじゃないでしょうか?

 それと「3(4)税理士職業賠償責任保険への加入義務」。一言「なんで?」ですね。自賠責保険のように、最低限の保険を会員全員に加入させる、という意見も出てますが、それすら「なんで?」。だって私たちはプロでしょう?プロが間違った仕事をして依頼者に損失を与えるなんて、そりゃ自分で責任とるのが当たり前ですやんか。なんで損失を与えないようにプロとしてしっかり判断しないんですか?

 だから「自分で自分の仕事内容に自信がない。ミスをして依頼者から文句言われるかも知れない」と不安な人、或いは「税額が大きい仕事を請け負って、こういう時は保険をかけておきたい」という人だけが加入したらいいじゃないですか?違いますか?

 自賠責保険は、万が一の「事故」を起こしたときに加害者も被害者も金銭的に不幸にならないために運転者に課すもので、それは社会的にも意味があるでしょう。でもなんで税理士が賠償責任保険に義務的に加入する必要があるんですか?だって我々税理士は依頼者から報酬をもらっているじゃないですか。報酬をもらっているのならきっちり仕事をするのが当たり前でしょ?

 だって税賠を起こされるのって、「事故」じゃないでしょ?税理士が専門家として本来果たすべき義務を怠って依頼者に損害を与えるという「債務不履行」或いは「不法行為」の世界の話じゃないですか。明らかに「プロ」としてやるべき仕事をやっていないことに対する損賠であって、そもそも万一の「事故」に備える自賠責保険とは意味合いが全く違います。

 なんでプロ、専門家としての義務をきっちりと果たすことができないダメ税理士の損失を、我々全税理士が保険に加入して助けてやる必要がありますの?そんなもの己の責任で賠償するなり、それができないのなら自分が任意で保険に入ってカバーすればよろしいですやんか。

 私たちみたいに安い報酬で仕事をしている税理士は、請け負う仕事の内容もそれなりですから、関与先から訴えられたりすることがまずありません。でも高い報酬をもらって相当な責任を伴う事案を扱っておられる税理士さんは、当然それだけの報酬をもらうだけの専門性と経験をお持ちだからこそ、それだけの報酬をもらえるワケですよねぇ?

 それは上場会社の役員みたいなもんじゃないですか。高い経営能力と経験があるからこそ高い報酬をもらえる代わりに、下手なことをすれば株主代表訴訟の対象になります。そんなことを起こされないためにも経営陣は自分がもらう報酬に相当する責任を負って仕事をしているはずですよね?だったら税理士だって一緒じゃないですか?高い報酬をもらえる税理士さんは、当然その報酬に見合う業務を行い、相当の責任は負っているはずですよね?当然その報酬を受け取るに足る能力と経験をお持ちのはず。

 だったら、賠償責任保険なんてそもそも不要じゃないですか?たくさんの報酬をもらって、大きな事案を処理している税理士さんが、基本的な確認もしないで何百万円や何千万円の損害賠償責任を問われること自体がおかしいじゃないですか?そんなん税理士法上の専門家責任を問われるような話なんじゃないですか?多額の報酬をもらっておきながら、自分の職務上の怠慢によって依頼者に多額の損害を与えるなんて、立派な税理士法違反じゃないですか?

 それだけの報酬をもらっているのなら、当然すべての事案がきっちりと処理できて当たり前ですよねぇ?それをやらないで、自分のミスのケツ葺きを保険で賄おうと考えていること自体、考え方がおかしいと思いますけどねぇ。

 自動車事故みたいにしっかりと注意していても巻き添え事故を起こしてしまった、みたいなものとは全然意味合いが違うし、損害を与える相手が不特定の第三者であるわけでもないのに。だから賠償責任保険は、今まで通り、入りたい人が入ればいいんじゃないですか?それだけのことじゃないですか?

 この件も、どうせあれでしょ、損保会社あたりから「いやぁ、もうちょっと会員の保険加入率上げてくれませんかねぇ。全会員強制加入とかにしてもらえれば、保険料の設定ももうちょっと安くできますし、保険金も増やせるかも知れませんからねぇ。その方がお互いメリットあるでしょ?いやいや、もちろんちゃんとお礼はしますから。」とか会の上層部が頼まれたんじゃないんですか?(笑) でも、それは冗談としても、なんでそもそも加入する必要がない税理士が、例えわずかとはいえ税賠保険に強制加入させられるのか、その意味がわかんないんですよね。

 強制加入にするのなら、税賠訴訟を受けて関与先に補償しなければならない税理士の人数が全体の何%を占めているのか、その実態をきっちりと客観的数字で説明して欲しいもんですね。例え、一件あたりの損害賠償額が大きいとしても、肝心なのは過失を問われる税理士の絶対人数ですからね。

 もしかすると、ある不注意な税理士がいつもいつも同じようなミスをして、関与先に損害を与えている可能性だってあるわけですからね。もし同じ税理士が繰り返し税賠訴訟を起こされているのだとすれば、そんなもん、それこそ「なんでそんなごく少数のダメ税理士の失敗を助けてやるために、俺らが税賠保険に入らなあかんねん」って話ですからね。

 それだったら、税賠保険に全会員を強制加入させるより、その少数の不良税理士を税理士会から税理士法違反行為で追放するほうが理にかなってるでしょ?まあでもそんな巨額な税賠を起こされる税理士さんなんて、若手じゃないですよね?超ベテラン、それも結構「大物」と呼ばれる方たちでしょ?だから資格剥奪できないの?もしかしてこれもまた高齢税理士の既得権維持のための話なの?

 4(1)以下については普通の税理士さんにはたいした意味はないので全部省きます。

 しかし、もうとにかく、この勉強会のメモは内容が甘い。甘すぎますね。内容が既得権確保、税理士制度維持に基づいた視点から語られており、第三者的な視点とか、納税者利益を最大限にできるよう自らの身を律して制度改革、などというものは全くありません。最初に税理士法改正のためのタタキ台ができたときには、私もそれなりに評価していましたが、蓋を開けて勉強会なるものを開いて意見集約すると、ここまで既得権益確保のための内容に成り下がってしまうとは予想もしませんでした。

 本当に、ガッカリの一言。これじゃこれからの税理士制度が本当の意味で将来の日本社会の役に立ち、そして若い税理士さんたちに夢を与えるものになるとは到底言えませんね。既得権益確保のカタマリのような内容で、これじゃ早晩税理士制度は隣接資格から猛烈な批判に晒され、そしてTPPに参加したときには誰も日本の税理士制度を守ってくれなくなるかも知れませんね。

 目指している姿が、世の中の役に立つための税理士制度改革ではなく、自分達が今まで通り金儲けできるためだけの税理士制度維持ですもんね。自浄作用は全くなく、ただひたすらに欲のために澱んでいくだけ・・。少し情けないですね。

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