税理士もりりのひとりごと

税理士もりりがぶつぶつと日ごろの出来事についてひとりごとを綴っていきます





  税理士もりりのひとりごとのナビゲーター   トップページ > 税理士 > 税理士は相続への法的関与を深めるべき!  

税理士は相続への法的関与を深めるべき!

2012 - 06/14 [Thu] - 11:16

 今日も一つ相談をいただいたのですが、ある程度の期間税理士という仕事をしていますと、必ず「相続」に関する相談を受けることになります。

 もちろん税理士自身も「相続税」に関して業務を行うことがありますから、ある程度の知識はもっているわけですが、しかしながら、相続の相談を受ける場合には「相続税法」の枠を遙かに飛び越して「相続」そのもの、つまり「民法」の世界に入り込んでいく相談が少なくありません。

 いえ、少なくないというよりも、生前に受ける相続のご相談の大半は、ほとんどが民法ベースで判断しないといけない相談ばかりです。生前に「相続税」という税金を相続税法に基づいて考えるケースもないことはありませんが、しかしそれよりも相続発生前の相談内容として多いのは「遺言書作りたいんだけど、どうやったらいいの」とか「こういうふうに遺産を残していきたいんだけど、どうやったらできるだろう?」という「相続手続」そのものに関する法的相談。

 また、相続発生後にある相談についても、「私の(或いは○○の)遺産の法的な取り分はどれくらいあるんだろう?もしそれより少なかった場合にはどうしたらいいのだろう?」や「私(或いは○○)が引き継ぐ財産を返せ、といわれているのだけど、返さないといけないの?」といったもの。その場合には、もし税理士が相続税法しか知らなかったら、「すみませんが、私は相続税という税金のことしかわかりません。弁護士さんにでも相談してくれますか?」としか答えられません。

 もちろん、最終的に調整をつけてもらうのは現在の法律では弁護士さんの仕事になるわけですが、日ごろからご家族の状況などを知っていて、関与先さんから見ても何かと相談しやすい税理士が相続に関してある程度の正しい説明ができれば、関与先さんからの信頼を強めることにつながると思うのです。でも、そのためには民法という法律の正しい知識が不可欠になります。

 そういった相談を受けたときに、「相続」ということに対する知識と経験がなく、ただ「相続税」のことだけを考えて「税額が安ければいい」と税理士が考えてアドバイスすると、実際に相続する際や次の二次相続の際にとんでもないトラブルを招くことがあります。特に飛び道具的な「節税策」を考えて遺産分割などしようものなら、将来そのせいで家族がメチャクチャになることも少なくありません。

 それもきちんとした「相続」に対する知識と実務経験不足のため。相続って、確かに相続税という税金が与える影響が少なくありませんが、それ以上に残された家族にとっては税金以上に解決すべき大きな問題を抱えていることが多いのです。ですから相続の相談に際しては、相続税という税金以上に家族関係を重視して民法上問題が無いように進めるほうが大切なのです。

 何しろ「相続」とは、人がひとりお亡くなりになって、そのあとその方の大切な財産をどうしようか、という話です。そんな重要な話を、ただ税金の損得だけで考えるなんて、そもそも失礼な話なんです。もっと「その方の思いを大切にしてあげよう」とか「残された家族ができるだけ将来も幸せに過ごせるように配慮してあげよう」という気持ちがなければ、相続の相談なんか乗っちゃいけないんです。

 しばしば相続税の損得だけで税理士が遺産分割協議書を作っている事例を見ますが、そもそもきちんとした「相続」に対する知識をもたずにそんなことをしてると、将来何かもめ事があったときに勝手に遺産分割協議書を作った税理士が訴えられる恐れだってあるんじゃないでしょうか。

 また相続だけでなく、事業に関する関与先についても、税理士にとっては民法は関与先にアドバイスをする際のとても強力な知識になります。今の不況の時代には、売掛金が回収できないとか、お金の貸し借りで揉めた、とかいろんな金銭的なトラブルが生じやすくなっています。

 そういった内容の話を関与先から相談された場合においても、民法の知識があれば、「ああ、これは5年が時効ですからまだ大丈夫です。いまのうちに手を打っておきましょう」とか「既に時効を過ぎてるから難しいけど、とりあえず内容証明送っておきましょうか」などとアドバイスすることができます。

 ですから、私が税理士になってから強く感じ続けていることなんですが、税理士も税理士試験で民法を必修科目にするべきだと思いますねぇ。そうでないと税理士って、タダの「税法バカ」になっちゃうんですよね。もちろん多くの税理士さんは税法以外の関連法規をご自身で勉強・研究されていると思うのですが、あらゆる法律(特に税法)の基礎中の基礎となっている民法については、税理士が日々の業務を行っていく上での大前提として勉強しておくべきではないかと思っています。

 それともう一つは、税理士として活動する以上、どの税目を専門分野とするかどうかにかかわらず必ずかかわってくる、国税通則法と国税徴収法も税理士は絶対的にマスターするべきだと思います(といいながら、私もよく分かっていない・・(笑))。やはりこれは国税当局と税の話をする際の基本中の基本、法律でいえば民法みたいなものですからね。

 しばしば税理士自身が税理士のことを「税理士は法律家」「税理士は会計の専門家」と表現することがありますが、自分でそう表現するのであればそう表現できるに値する「正しい知識」を兼ね備えておくべきではないかと思います。そしてそうやって税理士が正しい民法知識を身につけて相続などに関する業務を日々行うことが一般的になれば、やがて税理士の職域が「相続税」から「相続一般への法務手続」まで拡げることができるかも知れませんからね。

 そうなれば現在の税務訴訟代理人となるだけではなく、「相続については弁護士よりも、むしろ税理士の方が遙かに法的に詳しいし、実務も明るいから」という理由で相続に関する手続全般や訴訟代理人への職域拡大も可能かも知れませんからね。税理士の職域を拡げていくのであれば、これからの高齢化社会・大相続時代突入を見据えて、税理士はもっと相続全般への関与を強めていくべきだと思いますね。

 そのための策というか、布石を業界として着々と打っていくべきではないかと思います。

関連記事

トラックバック

http://moriri12345.blog13.fc2.com/tb.php/1367-92baa086

 | HOME | 






プロフィール

もりり

Author:もりり
当ブログにお越しいただきありがとうございます、税理士のもりりです。のんびりと、時々辛辣に日々感じたいろいろなことを自由に書いていきたいと思います。

最新記事

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード