税理士もりりのひとりごと

税理士もりりがぶつぶつと日ごろの出来事についてひとりごとを綴っていきます





  税理士もりりのひとりごとのナビゲーター   トップページ > ニュース > 民主党がタクシー業界の規制緩和に「待った」  

民主党がタクシー業界の規制緩和に「待った」

2012 - 05/12 [Sat] - 11:14

 今日の新聞を読んでいますと、民主党がタクシー事業者に対して免許制を復活させる法案の国会提出を検討しているという記事がありました。現在の届出制から規制強化になるわけで、この10年くらい続いてきた様々な分野における規制緩和の流れに逆行することとなります。

 規制緩和については、以前からこのブログで何度も書いていますように、基本的な考え方としては間違っていないのですが、規制緩和を進めると、どうしても事業者数が増えるので過当競争となる可能性が高くなります。そして、これを回避するためには既存事業者を適切に淘汰させていく必要性があります。

 そのシステムがなければ、規制緩和はただ単に市場に事業者をたくさん供給するだけの意味しか持たず、結果的に過当競争を招くことになり、その業界に参加している事業者達を疲弊させるだけの結果に終わることとなります。

 その状況がさらに進むと、規制緩和が進んだ業界では体力に優れた大手資本のみが生き残ることとなり、中小事業者はその業界に参加することすらできなくなってしまうことになります。つまり、規制緩和が進むと皮肉なことに大手資本による市場寡占が進むことになり、規制緩和の崇高な理念はすっかり吹っ飛んでしまうのです。

 そもそも規制とか国家資格といった類のものは、一般消費者を悪徳業者から守る事が目的であったにもかかわらず、規制緩和を大幅に進めてしまうと価格訴求力だけを強めた不良事業者を世に跋扈させることになりかねないのです。

 つまり、不良事業者を市場から追放するシステムがなければ、規制緩和を行っても世の中を混乱させたり、消費者に重大な不利益を被らせることにつながりかねず、あまり意味は無いのです。

 タクシー業界しかり、酒販業界しかり、そして歯科医師、弁護士、会計士そして税理士も同じです。こういった業界では、免許制を届出制に変えたり、あるいは国家試験合格者を急激に増やすことにより規制緩和を図ってきたわけですが、タクシー業界や酒販業界においては過当競争が進んだ結果、多くの事業者が収入減に苦しむこととなりました。

 先日より大問題となっている、年金に関する詐欺集団のような投資顧問会社や、安全を軽視した高速バス、トラック業界などの原因も、結局は規制緩和による不良業者の業界への流入や、過当競争により低収入に苦しむ業者たちの苦し紛れの対応にあるわけです。

 そして私たち士業においても、やはり価格破壊が進むとともに、経済的に困った資格保有者が一般消費者を欺くという、国家資格保有者の信頼を根底から揺るがしかねない事件も少なからず起きています。結局のところ、規制緩和を進めるのであれば、規制緩和によって市場に多くの事業者が流入できる一方で、その流入してきた事業者のうち、消費者や利用者にとって適切でないもの、すなわち不良事業者を市場から追放するしくみが同時に働かなければ「規制緩和」「市場開放」といったシステムは期待したほどの効果がないのです。

 先日1億7千万円を搾取して逮捕された弁護士も、結局逮捕されるまでは「弁護士」だったわけです。なぜか弁護士業界には、依頼者を騙して金銭を搾取したり、依頼者の財産を流用する者の逮捕が絶えないわけですが、自治を主張するのであれば、弁護士会自らが世間からの信頼を損なわないように、悪徳弁護士については本人が逮捕される前に弁護士業界から追放して氏名を公表させるだけの仕組みを導入しなければなりません。そうでなければ自治を主張する弁護士会は、ただ単に弁護士業界の既得権益を守るためだけの団体と思われてもしかたありません。

 日本では、こういった「規制緩和と市場退場」のシステムがまだまだ十分に構築されていないと思われるにもかかわらず、今回のタクシー業界に対する「規制強化」の動きです。これを「過当競争からの消費者保護、事業者の最低生活保障のための英断」と見るべきか、「結局、日本という国は規制緩和のためのシステムを構築することができない国」だったと見るべきかで評価は大きく分かれると思います。

 私自身は、税理士という規制緩和を常に問われている仕事をしているので(笑)、今回の記事については微妙なところではあるのですが、やはり規制緩和はシステムを整えつつ進めるべきではないかな、と思いますね。規制緩和は新規事業者が参加しやすく、そしてその結果消費者により多くの利益があることが目的であるわけですから、その目的に適わない事業者には速やかに退場できるシステムを作ればいいだけの話なのです。

 規制緩和が上手く日本で機能していないと見えるのは、ただ単に消費者に不利益を与える不良事業者たちを市場から追放する仕組みがないからだと思います。しかし、ここで別の問題になるのは、士師業であればそういう不良事業者を自主的に追放することも可能かも知れませんが、一般小売業者などにおいては誰がそういう不良事業者を市場から退場させるのか、そのシステムが曖昧であることです。

 そのために消費者庁という省庁ができたのかも知れませんが、何をやっているのか全然わかりません。そもそも、不良事業者を市場から追い出すためには、当然「チクリ」「暴露」というさまざまな裏情報を取り上げる仕組みが必要なになりますので、規制緩和をシステムとして構築していくためには、チクリ社会の構築もセットにせざるを得ないのです(笑)。

 そうなると世の中はますます世知辛い世の中になる気がしないこともありませんね。激しい価格競争と、それを裏でチクリ合い、足を引っ張り合う構図・・・。やっぱりなんでも自由にやらせれば良いというわけではないのかも知れませんね・・。そういう世の中になることが、果たしてよいことなのか・・。

 結局は、規制緩和の話も、どこでどうバランスをとって折り合いをつけるか、ということになってくるんでしょうか。

関連記事

トラックバック

http://moriri12345.blog13.fc2.com/tb.php/1325-fe257898

 | HOME | 






プロフィール

もりり

Author:もりり
当ブログにお越しいただきありがとうございます、税理士のもりりです。のんびりと、時々辛辣に日々感じたいろいろなことを自由に書いていきたいと思います。

最新記事

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード