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敵を知り、己を知れば百戦危うからず

2012 - 04/20 [Fri] - 13:54

 「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉がありますが、私は税務調査に関しても同じだと思うんです。

 敵、つまり税務署のことを知らない、或いは毛嫌いして知ろうとしない、また知っていても色眼鏡で見ているだけでは、結局税務調査の際の対処を誤ると思うんです。だから「進歩派」「リベラル派」だと自覚のある試験組税理士さん達は時々ご自分のことを「全知全能の神」とお考えになられているようで(笑)、税務調査に関しても敵、つまり税務署サイドのことをきちんと理解しようとせず、ただ闇雲に正面から法律論や権利主張だけで論破しようと思っている風潮が強いように感じるんです。

 実際、最初からそういう思想を若手税理士に刷り込もうとする税理士の任意団体もありますしね。

 ま、私も同じ試験合格税理士なんですが、私は彼らのように賢くないんで、法律論や権利主張で国税当局と真正面から戦おうなんておこがましいです(笑)。そりゃ、戦わなければならない場面になればそれなりに戦うと思いますけど(自衛隊みたいなもんですね)、最初からこっちから戦を仕掛けるようなことはしませんねぇ。

 でも、税務署のことを必要以上に恐れたり、毛嫌いするだけではあかんと思うんですよね。だから税務調査の際にビデオ録画しよか、なんて極めて貧困なアイデアしか出てこなくなっちゃうと思うのです。でも最初の言葉にありますように、なんでもかんでもケンカ売って戦ってるだけじゃ、税理士さん自身も精神的にしんどいし、そして何よりそのケンカに付き合わされる関与先のことをもっと考えてあげてほしいと思うんです。

 税理士さん、アンタがケンカして「勝った、勝った」と自己満足してるだけじゃ仕方ないんです、だって税理士業も客商売、サービス業ですからね。誰のために仕事をしているのかもっと突き詰めて考えないと。私たちも「誰の利益のために仕事をしてるんですか」ってことをもっと考えて仕事していかないとねぇ。

 だってケンカして今後国税から厳しい目で見られるのはケンカを吹っかけた税理士さんだけじゃなくって、関与先もことあるごとににらまれるわけですからねぇ。それが関与先の「利益」なんですかねぇ?調査では、ケンカしないで指摘事項がないこと、つまり不戦勝、それがベストだと思いません?どう考えても。

 だから税務調査については、私はまず敵(税務署)がどのような考えに基づいて税務調査を行うのか、そういうことを客観的に知るべきだと思うのです。客観的に知るために、最も良いのは直接話を聞くことです。間接的に又聞きやうわさ話で聴くのではなく、直接署員さんから聴くことです。

 そういうことを拒絶する税理士さんや、支部、団体ってありますよね。そして拒絶するだけではなく、端から対決姿勢を見せることが「税理士としてあるべき姿だ」と信じて疑わない方たちもたくさんおられますよね。でもそれって結局ムダなことをしているのではないか、と思うわけです。

 私も税理士になった最初の頃はそういう気持ちもゼロじゃなかったんです。「税理士という資格を手にしたんだから、税理士らしく納税者の権利を守らなきゃ!税理士と税務署員は対等の関係や!」みたいに気合いを入れていた時期も確かにあったんです。

 でも、納税者に権利意識を焚き付けて、自分自身も税務署と戦って論破してやろう!と思っていることが、実際納税者のためになっているのか、或いは自分自身にとっても有益なのか、と考えてみたところ、最初の「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」というところに落ち着いたわけです。

 結局のところ、一介の税理士が税務署という国家権力と真正面からぶつかって戦ったって、ほとんど勝ち目はないんです。だって相手は法律を作った側ですし、向こうの方が持っている情報や経験は比較にならないほど多いわけですからね。ペーペーの私が全ての税務事例を知っているわけでもないですしね。それが私にとって「己を知る」ということです。

 で、「敵を知る」ことは、先ほども書きましたように直接税務署の方々のお話しを「ふん、ふん」と聴くことです。私の想像ですが、多分反税務署を掲げて強気に行動されている税理士さんも、本当は税務署の内部の取扱いなどについていろいろと知りたいと思っていると思うのです(笑)。ただそういう機会がないので、結局自分達が得た数少ない、偏ってバイアスのかかった情報を信じるしかなく、それを鵜呑みにして戦う姿勢を強めているだけだと思うのです。

 確かに税務署は私たち税理士から見れば利益が対立する、ある意味敵のような存在ではありますが、だからといってその敵との情報交換の場を完全に遮断することは、やはり得策であるとは思えません。それは政治の世界でもそうですが、たとえ利害が対立する政敵や敵国であったとしても、ことあるごとに話し合いのパイプ、情報収拾の機会というものは必ず確保しているものです。

 ですから私たちだって、きちんと税務署サイドと情報交換を行って、素直な目で税務署側の考え方ややり方というものについて知るべきだと思うのです。そうすれば「ああ、こういう場面では、署はこう考えてこう動いてくるだろうなぁ」と想像がつくわけで、そこで納税者や税理士にとって有利な振る舞いができると思うのです。

 だから端から税務署を毛嫌いして、情報を一切シャットアウトして自分達の殻の中で悶々と見えない敵の姿を大きくするだけじゃダメだと思うのです。もっと情報交換を行って、相手のやり方というものをお互いに知って理解することが、結局はお互いにとってメリットもあるし、万が一戦わなければならないときもこっちにとってメリットのある戦い方ができるんじゃないかと思うんです。

 まあもちろん、所属している支部などによっては「最初から対決姿勢ありき!」という支部もあるでしょうが、それは所属している税理士さんにとってはとても気の毒で不幸なことだと思います。だって敵を正しく知る機会が全くないわけですからね。そうなると自ずと、闇夜の中を竹槍持って「ワー」っと声を出しながらまっすぐ走るしかないわけで、空からライトで照らしながら機関銃で撃ってきたり、暗視スコープを持って銃を持って攻めてくる敵に負けるのは確実ですよね。

 で、敵に捕まって縄でグルグル巻にされているクセに、敵につばを吐きかけて騒ぎ立てているようなもんですよ、理論や権利を主張してクロをシロにひっくり返そうとしている姿は。なんかキッついですよねぇ。で、たまに「わかった、わかった。ややこしいからもういいよ。」とオマケで許してくれたことを「勝った」と勘違いしちゃったりするわけです。

 そして、その後も同じように「理論と権利」という竹槍を持って、また暗闇をまっすぐ走りだすんですよね。「俺はこの竹槍で敵に勝った!」なんて高らかに自慢しながら(笑)。でも「それってただの勘違いじゃないの?ただの『困ったちゃん』なだけじゃないの?」と思ったりするわけです。

 まあ、だから本当に戦って勝ちを収めたいのなら、税理士ももっと敵である税務署・国税のことをきちんと、素直に先入観なく知るべきだと思いますね。そうすれば敢えて戦う必要がない場面では、戦わなくてすむこともわかるんじゃないかなぁ、と思ったりもするわけです。そんなことを言うと「進歩派」の税理士さんからお叱りを受けるのかなぁ(笑)。

 でも、それが「百戦危うからず」になるのではないかなぁ、と私は思っているのです。

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