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戦後最悪の愚策

2012 - 03/15 [Thu] - 00:36

 いま日本は大変な愚策を行おうとしています。何度もブログに取り上げた「65歳までの再雇用義務化」のことです。

 賢い官僚が原案を練り、これまた人並み外れて損得計算の速い政治家がゴーサインを出す政策の中には、時々とんでもない失敗作が紛れていることがあります。それも日本の将来を揺るがしかねないほどひどい政策が導入されることがあるのです。一つはやっと先日止めることになった「ゆとり教育」、そしてもう一つが今回の「65歳までの再雇用義務化」です。

 あれほどまでに賢い官僚が原案を作っているはずの政策なのに、なぜ「ゆとり教育」のように歴史的にも最低最悪な政策を実行に移してしまうのでしょうか?それは結局官僚の方々があまりに頭が良くてレベルが高すぎるので、下々の人間ども、いえ、もっと別の表現にすれば、一般大衆の感情や思考が理解できないからでしょうね。

 「ゆとり教育」について言えば、理念はとても素晴らしいかったです。「詰め込み教育を止めて、生徒1人1人がじっくりと考える力をつける教育を行う」ということで、教科書を薄くして暗記する内容を大幅に減らし、一方で学校や先生の裁量に任せて生徒の個性や個々の能力を伸ばそうということに大きく舵を切りました。

 しかし皆さんご承知の通り、ゆとり教育政策はほぼ完璧なまでに失敗に終わりました。なぜか?それは賢い官僚が考えた崇高な理念を、現場の先生レベルでは理解することも実行することもできず、生徒も期待した行動をとってくれなかったからです。その結果生徒への教育内容は単純に量が減るだけの効果しかなく、余った時間で遊んだ生徒は、大量のアホとなって日本国内に10年間も排出されることになってしまったのです。

 また一方で、ゆとり教育の結果、学校の教育内容が恐ろしいまでにレベルが落ちてしまったので、ますます生徒達は塾に通うようになるという、冗談のような副作用までもたらすことになりました。導入前から真剣に将来の日本を憂いて反対する声が多かったにもかかわらず、世紀の愚策を導入して、結果はやはり悪い方向に落ち着いてしまいました。

 そして今回の65歳再雇用義務化の件です。これがいかに愚策であるかは、もう何度もブログに書きました。端的に言って、やる気のない高齢被再雇用者達のせいで社内の雰囲気に悪影響を及ぼし、日本企業の競争力を削ぐこと。そして高齢者を再雇用することで、若年層の雇用が更に悪化し、そのことによって適切な時期に労働訓練を受けられない若者たちが将来の日本にとって隠れ債務となり、そして結婚できない若者が更に増えて日本の少子化に拍車がかかり、なおさら社会保障問題が悪化するからです。

 これは本当に愚策中の愚策です。ある意味ゆとり教育より将来への悪影響は長く深いかも知れません。これにしても、結局官僚達の考えでは高齢者の再雇用を義務化することによって年金積立金の減少に少しでも歯止めをかけることを最重要視しているからでしょう。将来の日本の姿については、性善説に基づいてあまり心配していないのでしょう。
 
 しかし企業の経営者達は、官僚が思っているよりもずっとずっと俗であり、損得計算に賢いものです。高齢者を再雇用することが法律で定められるのであれば、その人件費をどこかで削減しなければなりません。当然既存の社員の給料を抑えたり、新規採用を減らすという対策をいち早く導入するに決まっています。

 そもそも高齢者の再雇用は、企業にとっては最初からなんのメリットもないのです。労働の質は落ちるし、会社の将来の世代構成も歪むし、競争力も落ちるし、ロクな事はないのです。ただ法律で「再雇用しろ」と決まってしまったから、それに従っているだけのことで、ホントは企業はこんなこと絶対やりたくないのです。

 世間がやりたくないと思っている政策をごり押しで通してしまうのは、政府・官僚の権力のなせるワザではありますが、しかし、ゆとり教育の無謀な導入と同じで、今回の65歳までの再雇用義務化は将来から振り返った場合、史上最悪・最低な労働政策としてやり玉にあげられるものではないかと本気で危惧しますね。

 官僚の人達が思っているほど、世間の人は賢くないし、理性的には動きません。そこを本当に官僚や政治家の人達にはわかって欲しいですね。世間の人の善意に期待する政策なんて、絶対に失敗します。

 「欧米では雇用延長など当たり前」というのが導入推進派の理由なのでしょうが、これは単なる詭弁です。日本と違い欧米の雇用関係はもっと流動的なのです。日本のように、一度就職したらなかなか給料を下げたり、クビにできない状況とは異なるので、雇用延長の部分だけを比較しても意味ないのです。

 年金財源の積立不足問題は、高齢者自身を働かせることで解決するのではなく、若者に職を与えて彼らにたくさん稼がせることによって捻出する方向で絶対に考えるべきです。今から人生の冬を迎える人達に一生懸命肥料を与えたって花も実ももたらしません。その肥料はムダに使われるだけなのです。そうじゃなくて、肥料を与えて大事に育てなければならないのは、これから春を迎えて今から芽を出そうとしている人達だと絶対に思います。

 いま政府や官僚がしようとしていることは、すっかり枯れかけた草木に、次の春になっても肥料と水をせっせとやり続けてとりあえず立ち枯れだけしないようにしているようなものです。そして一方で新しい種や芽には、水や肥料をやらないばかりか、太陽の光にも当てないで暗室に置いたままで、もやしのような状態でほったらかしているようなものです。

 もやしのままでほったらかしておいたら、将来ちゃんと木になって花を咲かせたり実をつける可能性はほとんどありません。早く陽に当てて、早い段階できちんと手入れしてあげないと、もうそれから先はどうしようもなくなってしまうのに・・。植物でも人間でも、きちんと育てるためにはそのための適切な「年齢」とか「タイミング」というものがあるのです。

 これからの日本、本当にヤバイです。政策が完全に間違っています。

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