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050plusに見るNTTの苦悩

2012 - 01/28 [Sat] - 14:31

 050plusというNTTグループのIP電話サービスを私も仕事で使っていますが、これは元々スマホで使うことを想定したサービスです。

 NTTが月額315円という低額でIP電話サービスに乗り出すことを知ったときには「ずいぶん思い切ったことをするもんだな」と思いましたが、よくよく考えてみますと、このサービスを提供するに至るにはNTTも相当追い込まれた状況があったんだろうな、と思ったのです。

 確かに月額315円を払えば、同じIP電話番号を持っている電話同士なら通話は24時間無料、固定電話にかけても日本全国3分8円ちょっと、携帯電話にかけても1分16円ちょっと、という料金設定は、従来の携帯(スマホ含む)の通話料金から見れば破格値です。

 友達同士であれば、このサービスに入った者同士であれば月額315円さえ払えばいくらでも、誰とでも話したい放題。もっと言えば、日本中の人がこのサービスに加入すれば、みんなが月額315円払うだけで通話はタダ、という凄まじいことだって可能になります(笑)。

 まあもちろんIP電話にはいろいろと通話制限(緊急電話など)もあり、通話品質の問題(結構タイムラグが大きい)もあるので、ベストな電話手段とはいえないかも知れません。それ故、タダ安いからと言ってみんなが乗り換えるとは思えません。

 しかし友人同士でできるだけ長く、安く話したいと思っている若者にとっては、このサービスはものすごく嬉しいでしょうね。「え、050plusにまだ入ってないの?入ってよ、そうすればタダでいくらでもしゃべれるんだからぁ。」って感じで広がっていけば友達同士、恋人同士が常に通話料無料で電話できますもんね。

 ただ、冒頭にも書きましたように、このサービスを展開させた背景にはNTTの相当な危機感があったと思うのではないかと邪推するのです。その想定敵は、皆さんご存じのSkype。私はスマホをまだ使っていないのでスマホユーザーがどれほどSkypeを使っているか知らないのですが、若い人達は相当Skypeを利用していると思います。

 だってSkypeを使えば、Skypeユーザー同士であればホントのホントに完全無料で通話できますからね。本当の意味でのIP電話です。元々パソコンで使われていたIP電話サービスですが、通話にかかる費用はネット利用料、スマホで言うところのパケット通信代だけ。

 スマホユーザーはほぼ全員がパケットの定額サービスに加入しているはずなので、Skypeユーザー同士なら実質的に通話が完全無料なわけです。パソコンから電話をかけても、スマホからでも、海外通話をしてもタダだし、テレビ電話だってタダです。050plusのように月額315円を払う必要すらありません。

 「じゃあNTTの050plusのほうが月額315円払うから損じゃないか」と普通思うでしょう。そうなんです、そこがきっとNTTが知恵を絞ったところだと思うんですよね。NTTはご存じの通り昔からの通信会社ですから、いくらIP電話サービスを始めると言っても、Skypeのように完全無料のサービスを行うわけにはいきません。それは自らの「通信事業」というビジネスモデルを否定することにつながるからです。

 じゃあナニをウリにしてSkypeに対抗しようとしたか、といえば、050plusからの固定電話や携帯電話への通話料設定。050plusにはSkypeのように、海外通話をタダにするサービスも無いし、テレビ電話もできないし、毎月固定で315円支払わないといけないけど、固定電話や普通の携帯電話に電話をかけるときには050plusのほうがSkypeよりも安い料金設定なんです。

 ここがNTTの苦労が見えるところですね。世の中の全員がスマホやパソコンでSkypeを利用し始めてしまったら、既存の通信会社などとてもじゃないけれども経営が成り立たない。ならばSkypeに支配されてしまう前に通信会社の元ガリバーとして一矢報いておきたい、というところなのではないかと思うのです。

 Skypeに対抗するためのサービスだからこそ、050plusはスマホだけのアプリ、サービスとして展開したのではなく、パソコンからも電話がかけられるサービス展開にしたはずです。

 従来なら、こういった格安通信サービスへの早期参入はNTT以外の通信会社の十八番だったのに、050plusに関してはNTTがまず始めたところにNTTが感じている現状へのジレンマが伝わってくる気がするのです。

 そういう意味では、確かに050plusは固定電話や携帯電話番号に電話をかけるときには、現時点では最も安い通信手段だと思います。しかし、スマホがもっと普及し、パケット定額料金も引き下げられてしまえば、Skypeのような完全無料サービスに負けるのは自明です。

 結局050plusは、Skypeのような完全無料IP電話サービスが世の中に普及しきってしまうまでのあだ花のようなサービスかも知れません。もちろん固定電話や携帯電話番号への通話がかなり安いので、日本ではしばらくSkypeへの対抗馬として利用されるかも知れません。

 しかしいずれネットの通信品質が更に向上し、みんながスマホを持ち、そしてパソコンで電話をかけることが当たり前になってくればSkypeに対抗できなくなるのは明らか。だからせめて世の中がそうなるまでの間、月額315円を払ってもらい、そして格安ではあるけれども固定電話や携帯電話番号への通話料を稼がしてもらおう、というのがNTTの考えだと思うのです。

 なかなか既存の通信会社も、これからの時代ビジネスモデルを構築、維持していくのが大変になってきそうですね。その苦悩をNTTの050plusサービスから垣間見た気がしました。

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