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固定資産税の課税標準額

2011 - 11/06 [Sun] - 00:57

 今日はテレビを見ていますと、固定資産税を過去に多く払いすぎていてそれを訴えて取り戻した、という話がテレビで流れていました。きっと私たち税理士にとってもイマイチよく分かっていないのが固定資産税でしょう。

 いえ、固定資産税の計算自体はメチャクチャ簡単ですよ。評価額に1.4%掛けるだけですからね(笑)。ただ税理士(というか多分世の中の全ての人々)にほとんど理解不能なのが、その1.4%を掛ける「評価額(=課税標準額)」の金額なんですよね。

 今日のテレビでもやってましたけれども、各市区町村役場で固定資産税の評価額を決定している職員は別に固定資産の評価に関する知識をもった人達じゃないそうなんですよね。昨日まで福祉課にいたような人が人事異動で税務課などに異動してきて、たまたま固定資産税の担当になると資産評価を行っているだけのことなのだそう。

 なので役所の人もインタビューで「職員のレベルの問題もあって、評価額に間違いが生じる可能性は否定できない」とのこと。でも「間違いが生じる可能性」って、それで税額が決まっちゃうんだから絶対に間違っちゃいけないでしょうに(笑)。そこ間違ったら全てが終わりですやんか。

 税理士が間違った課税所得を計算して申告するようなもんですやんか。そりゃあかんでしょうに。結局そこを当初の評価時点で間違えてしまうもんですから、それ以降累計で数千万円、数億円の固定資産税を余分に収めてしまうようなケースが出てきてしまうわけです。

 納税者からすれば絶対に間違っちゃいけない金額について、役所の人に「間違える可能性がある」と言われたんじゃ固定資産税に対する信用はゼロですわね。「だったら自分で課税価格を計算するか、税理士に代理で計算させて申告すりゃいいじゃないか」と普通思うわけですが、その課税標準額の算出がメチャクチャ複雑なんですよね。

 特に建物などの評価はテレビでも複雑きわまりないと説明しており、その通りだと思いますし、土地に関しても「土地の分筆を行って固定資産税額が急に上がった」という納税者の疑問を受けて少し前に役所に問い合わせしたときにはものすごく複雑でしたからね。固定資産税の課税標準額って個別事情が絡みすぎるんですよね。

 そのとき私が聞いた話にしても「課税標準は基本的に公示価格×70%だけれども、最近の地価下落を考慮して地域ごとに△10%の補正率を掛けます。同時に平成6年に課税標準の基準を公示価格×70%に見直した際に、評価額が急激に上昇することを避けるために各地域の地価動向を考慮した負担調整率を掛けて徐々に公示価格×70%に近づけるように計算しています。今年の負担調整率は0.825です。・・」

 さらには「実は分筆前の土地の評価は評価額が低すぎました。それを今まで修正していませんでしたので安い固定資産税が課税され続けてきたことになります。このたび分筆が行われて改めて評価を行いましたので、今後はこの評価額で課税を行います。更に以前の負担調整率は0.8だったので、そのことも加わってなおさら以前と比べて固定資産税が高くなっていると感じるのだと思います。・・」とのこと。

 ・・はあ、なるほど、なんだか難しい話だけれども、結局今まで納税者は固定資産税をずーっと負けてもらっていたわけね。だって先祖代々の土地だから評価なんて見直す機会がないもんね。今までが負けてもらってたんじゃ文句も言いようがないわね。

 確かにテレビの話のように固定資産税を数千万円、数億円と納め過ぎていた人がいる一方で、きっと昔ながらの土地を所有し続けているような人に関しては、私が役所から聞いたケースのように固定資産税を少なく納めているケースも決して少なくないと思うんですよね。だっていわゆる「縄伸び」なんて話は昔は年貢を、近年では固定資産税の課税標準額を減らすための方便だったということらしいですからね。

 きっとこの評価額の間違いについては、高い場合についても低い場合についても、どちらも役所側が自主的に訂正することはないのだとか。そりゃそうですね、高い場合は納税者が「高い!見直すべきだ!」と文句を言ってこない限り役所が見直す必要がないことになっていますし、逆に低い場合に見直そうとすると「なんで今までその税額で良かったのに、いまさら見直すねん!お前が評価したんやからそれでええやんか!」と税金が増えることになる納税者から文句を言われるのが必至。結局高くても低くても間違ったままになってしまいます。

 つまるところ、固定資産税の税額が誤って算出される原因は評価額の計算が複雑すぎるからでしょうね。きっと役所の担当者も実際のところよく分かっていないと思います。そのため場合によっては高く課税標準額が算出されることも起こるし、誰もその間違いに気づかないのでしょう。

 そういう仕組みなので恣意的に評価額を決定できることがあるようで、テレビでも有力な政治家が固定資産税の担当者に「評価額を下げてくれ」と依頼を受けた話が紹介されていました。警察官が身内の交通違反をもみ消すという噂話は昔からしばしば言われることですが、固定資産税についても身内が役所のその係にいれば安く評価してもらえることも可能なのではないでしょうか。

 なので、どうでしょうねぇ、そういう不正や間違いを減らすために、もっと簡単に誰にでも評価額を計算できるようにならないものですかねぇ。たとえば土地については路線価に面積を掛けるとか、今後新築するような建物については工事請負契約書に記載された構造や金額を元に課税標準を簡素に算出するとか。

 でもそんなことをすれば、土地についてはそれぞれの土地の特殊事情が絡んできて一律に評価すると納税者から文句が出るかな。また建物については当然契約を2つに分けて契約したり、アンダーバリューの契約書を作るような輩が出てくるからダメかな。それに必ずしも契約をきちっと結んで建物を建てるとも限らないし、建物については登記をしないケースも少なくないですからね。

  結局は役人が街を歩きまわって建物を評価して課税標準額を算出したり、役所が土地の評価額を算出するしかないのかな・・。みんながみんな自主的に固定資産税の課税標準を申告してくれりゃいいんでしょうけど、そんな真面目で物分かりのよい善人ばかりじゃないもんね、世の中は・・。

 難しいもんですね。何かいい方法はありませんかね?

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