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低額報酬関与先について、もう一度

2011 - 09/08 [Thu] - 15:24

 以前私は税理士事務所における低額報酬依頼者(事業者以外の個人)の取扱について書いたことがありました。一方で昨日は低額な法人依頼案件についてブログに書きました。

 個人の低額報酬依頼者については「ボランティアと広告宣伝のつもりで請けたらいいのでは?」と書きましたが、一方で法人の低額報酬依頼については「税理士を舐めてるので請ける必要はない!」と書いたもんですから、自分で読んでいても矛盾しているのではないかとふと思い立ちました。

 でもあらためて考えてみれば、これらについては全く事情が異なるので決して矛盾しているわけではないのです。個人の低額報酬依頼についていえば、そもそもの報酬額自体が「1万円くらい貰っとけば十分」という方々の申告を3千円~5千円ほどで請ける話で、これ自体については1時間もかければ、場合によっては30分もあればできるような仕事なので時給計算からみても本来全然損にはならないのです。

 ただ多少の責任を負うことがあるかも知れないのと、税理士という専門家にわざわざ依頼するのだから最低1万円程度の報酬設定にしているだけのことなのです。確かに設定額よりも数千円値引きして仕事を請けるわけですが、大体こういった仕事というのは単発ものが多いですし、毎年依頼を受けるとしても正直苦になる仕事でも責任を負わされるような仕事でもありません。

 もちろんこんな仕事ばかり請けていては件数ばかりで全然儲かりませんから問題です。しかし年に5件以下くらいであれば大して手間になるわけでもないのですから自分の事務所のファン作り、広告宣伝も兼ねて請けてもいいんじゃないか、というお話しです。またこういう依頼者は意外と資産を持っているケースが多いので、将来の資産税案件の可能性も考慮してそういった方々とつながっておくのも悪くない話なのです。

 一方で昨日書いた法人申告に関する話は全く内容が違うんです。そもそも法人の記帳代行、決算、申告作業なんて結構な時間がとられる仕事なんです。それを貰いたい時給を遙かに割って請けることは単に税理士本人を安売りしているだけで広告宣伝にもファン作りにもならないのです。つまり税理士さんご本人の身を切っているだけなのです。

 多くの税理士さんならご経験があると思うのですが、法人の報酬額を常識外れた金額で依頼してくるような方々は、本当に税理士にとって迷惑以外の何ものでもないことがほとんどです。そんな法人に限って記帳代行、源泉・年末調整処理、消費税とフルセットで手間かかりますしね(笑)。儲からないことこの上ありません。

 確かにそんな方々でも将来の相続案件などにつながることはありますが、相続案件で取り返そうと目論んでも、そこまでに法人申告を何年も請けていると相続一回の申告ではカバーできないくらい損が膨らんでしまっているものなのです。

 そういう意味で、個人の申告ではボランティアで気易く請けることが可能ですが、法人の申告についてはボランティアで気易く請けることはできないのです。これは今から顧客をたくさん集めていこうと思っておられる税理士さんが本当に理解しておくべきだと思います。「税理士市場を荒らす」云々の理由でダメだというのではなく、長い目でみて結局ご自分のクビを締めることになるからです。

 もちろん戦略的に開業したてのお金のない法人を格安報酬でかき集めて指導し、その法人の成長を助け、その成長に伴って報酬額も増やしていこうと考えておられる税理士さんも多いと思います。しかし所詮格安で請け負った案件はやはり手間ばかりがかかって全然儲からないですから、結局税理士の懐具合が依頼者が成長するまで耐えられるかどうかという話なります。

 それに今の時代、そもそもお金を持っていない新規法人が順調に業績を伸ばしていくことは至難の業です。10年事業を続けていける法人がどれくらいあるのか、ということが現実問題としてあると思います。最初にお金を持っていない法人は結局そのまま儲からない法人のままであることも多いのです。

 とはいえお金のない法人だって申告はしなければならないのですから誰かがやらなきゃならないと思います。しかし法人税の申告に関していえば税理士などの部外者に依頼すればどうしても手間をとられるのでそれなりの報酬がかかることは法人を経営している以上あらかじめ承知しておくべきです。しかも「ボランティア」で税理士がやってあげられるほどお気楽なものでもありません。

 結局税理士の誰も請け負ってくれないということになってしまってもしょうがないですよね。そうなればご自分で申告書を作るか、税務署からの更正・決定に任せるしかないんじゃないでしょうか?だって法人税の申告書作成って本当にそういうレベルの話ですからね。個人と違って「ハイ今請けました、ハイすぐできますよ。値段もこれでいいですよ。」なんてものじゃないですからね。10万円で仕入れた商品を「お金がないから安くして」と言われて5万円で売るバカな商売人が世の中に絶対いないのと一緒で、「安い値段でやってくれ」と言われても税理士の商売だって自ずと限度はあります。

 ただスーパーなどでは客寄せのために原価割れ覚悟で特定の商品を値引き販売することがありますよね。税理士さんの中にはその感覚で客寄せのために法外に安い報酬で仕事を請ける人もいると思うんです。でもスーパーは「目玉商品で客を寄せておいて、他の儲かる商品もしっかり買ってもらおう」という戦略です。

 ところが税理士の場合は激安でお客を呼び寄せたって、儲かる商品を買ってくれる人など誰もいないのです。激安目玉商品だけを買うお客だけになってしまうのです。だから税理士で激安請負をするのは自分のクビを締めることにつながるのです。

 私が言いたいことはそういうことです。だから法人と個人では同じ低額報酬案件であっても税理士の対する姿勢は異なってくるし、何でもかんでも安く請け負ってとりあえず客だけ囲い込んでおけばいい、という戦略が当てはまる話ではない、ということだと思うのです。

 ただ、ひとくくりに個人といっても、事業を行っておられる方については法人と全く同じです。事業を行っておられるケースでは個人・法人を問わずきちんと貰うべき報酬はもらって仕事を請けなければなりません。

 こういう表現は適切でないかも知れませんが、やはり個人・法人にかかわらず事業者であればお金にシビアなので、ひとたび安値で仕事を請け負ってしまうと、その後値上げをしようとしても依頼者はまず「ウン」と言ってくれませんからね。そればかりか「この税理士は安いカネでなんでも言うこと聞いてくれる」と一旦思われてしまうと後々ロクな事がありません。

 まあボランティア、サービスと商売との線引き、そして顧客の選別はある程度の基準を作っておいてやらなければ税理士業は商売として成立しないと思います。開業税理士だって経営者の端くれなんですから、やはり今からお客を増やしていこうと考えている税理士さんたちもこのあたりの見極めはきちっとして営業戦略を立てておかないといけないのではないかと思います。

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