税理士もりりのひとりごと

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税理士間格差の問題

2006 - 10/14 [Sat] - 04:45

 先日電子申告に関するブログを書きましたが、その後いろいろと考えていますと電子申告が多くの税理士に利用されるようになると税理士間でのサービスの格差はすさまじいものになりますね。若い税理士達は当然のごとくパソコン会計を行いそれと連動した電子申告システムを利用するでしょう。まあもっとも効率よく仕事が進むパターンで彼らは会計も税務も先端を追求して行くでしょう。

 一方世の中には今でもパソコン会計、パソコン税務などとは全く無縁の税理士もいまだ数多く存在します。つまり昭和二十何年に税理士制度ができて以来この五十年以上全く何も変わらない、化石のような作業を通じて税理士業務を行っている人たちですね。彼らは今でも試算表を手書きで書き、決算仕訳を試算表に転記して貸方が合わない、借方が合わないと伝票書きや数字合わせに相変わらず相当な時間を費やしています。

 我々がやれば数時間で終わる作業を彼らは何日もかけてやります。何しろ会計ソフトから出力された元帳の再集計をそろばんでやっているんですから無駄なことこの上ありません。もし自分の事務所にそんな人がいてそろばんでパチパチと会計ソフトで出力された元帳の数字を合わせたり、試算表を大きな用紙に手書きで書いている人がいたりすれば、「そんな無駄なことすんな!」って怒鳴ってやりたくなってしまいます。いや経営者税理士なら怒って当たり前なのではないでしょうか。だって我々は常に新しい会計、新しい税務、新しいアドバイスなど新しいものを追いかけてそれを顧客にサービスとして提供することが使命であるプロフェッショナルなのです。年を取っているから、分からないから、そんな理由で我々が提供すべき業務に付いてこれない税理士や職員がいればそれはもうやめてもらうしかありません。我々はこの仕事をしている限り我々は常に新しい情報を入手してそれに精通していることが求められる使命があるのです。新しいことについてこれない同僚がいればそれはハッキリ言って我々にも顧客にも迷惑なのです。

 しかしそれでもパソコンや最新税務、最新会計、会社法などに全く付いてきていない税理士や職員がいるのは歴然とした事実です。彼らはそれしかできませんからそういうやり方しかできないのです。彼らはいわゆる会計職人、帳面職人という表現がピッタリで、何でも自分の手で書いて書類を作ることに彼ら自身の存在意義を見いだしているのです。しかしもう今の時代税理士事務所に職人は要らないんですよね。だってパソコン会計をすれば会計なんて本当に簡単に処理できるんですから。そうやっていけば決算の精度を高いレベルに保ったまま事務の効率化はいくらでも高めることができるんですから。だから今からの税理士業界に必要な人材は帳面付けの職人ではなく経営や税務を顧客にアドバイスできるプロなのです。

 ですから話を戻しますと、電子申告が普及してしまうと同じ税理士という看板をあげていてもその業務の中身は進んでいるところと進んでいないところとでは全く別物になってしまう恐れがあるわけです。それは別の言い方をすれば、我々に仕事を依頼したい顧客の側から見れば、税理士事務所のレベルがこれから先どんどんばらついてきてしまうので税理士を捜しにくい状況になってしまうのではないかということなのです。

 今までであればパソコンで記帳しているかどうか、申告書をパソコンで作っているかどうかの違いがあったとしても、顧客に渡される書類自体はそれほど大きく違わないし、申告だって税務署に提出していたので大して違いはなかったわけです。ところがこれからの時代では、電子申告をする事務所としない事務所では業務の流れそのものが全く違ってしまうわけです。

 勿論もう一つ裏を返してみれば、どんどん業務のレベルを高めて評判を勝ち得ていけばその地域で一人勝ちすることも可能だということも言えます。電子申告の利便性を考えてみてください。例えば平成18年分の確定申告書を全部電子申告で行うことを想像してみれば、記帳が終わって決算が終われば、そのまま所得税のソフトにデータを連動して内容をチェックし、それでよければ後は送信するだけ。今までのように紙で申告書と決算書を出力してセットして、お客さんの都合を聞いてはんこをもらって、税理士のはんこを押して遠い税務署に車に乗って申告書を提出したり郵送する必要がないのです。納税地が北海道でも、沖縄でも自分の事務所からデータを送信するだけ。この即時性がもたらす効率化は多分我々が頭で思っている以上の効果を必ずもたらすはずです。

 そのような時代にあって取り残されたように手書きで確定申告書を作成することしかできない税理士事務所とのこのサービスの質の差について、税理士会や日税連はどう考えているのでしょうか。想像すれば分かりますが、その差は恐ろしいほどの違いです。本来的に言えばある一定の水準のサービスを保つ意味で税理士には資格制度とか無償独占などがあったわけですよね。ところがこれからの時代税理士のサービスのレベルは激しく差がでてしまうわけです。

 それもそれぞれの税理士事務所のサービスの違いだ、と言ってしまえばそれまででしょう。しかし税理士業界の規制緩和が声高に叫ばれている今の状況下においてこんなにもサービスのばらつきがあるようでは税理士というライセンスそのものへの信頼を失うことにもなりかねません。なぜなら外から見ればどの税理士がどの程度までのサービスを提供できるかなんて誰にも分からないからです。これを全てひっくるめて「税理士」として看板を上げさせて良いのか。私はむしろ一般納税者や世間から時代に乗ってこない税理士達に対して苦情が殺到するのではないかと危惧しています。

 つまり税務云々よりそれ以前の作業の進め方の段階において、もうまともなサービスが提供できない税理士が多数発生する恐れがあるわけです。そういう彼らにも「税理士」という看板を上げさせるべきなのか、これからの電子申告を前提とした税理士業務のサービス内容を想像した場合、こういった点も新たな問題点として浮かび上がってくるのではないでしょうか。

 従来のようにベテランだから何もできなくても許される、昔税務に強かったから今でも「税理士」という看板を上げていられる、そんなことが許されなくなる時代が意外に早く来るかも知れません。電子申告は税理士にとって一つの踏み絵になるのかも知れません。それは制度そのものの維持という面と税理士本人が税理士として生き残れるかという面の二つにおいてです。そういう意味で来年は大きく税理士制度が揺れる年かも知れません。勿論やる気のない税理士が淘汰されて、やる気のある税理士に恩恵が与えられる方向に揺れる良い意味でのことですが。

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いよいよ電子申告時代の到来

2006 - 10/06 [Fri] - 07:29

 以前電子申告について書いたことがありましたが、最近では電子申告を取り巻く環境も大きく変わろうとしています。何しろ業務のIT化については人一倍熱心な私ですら電子申告に取り組むことに消極的だった理由は次の通りです。①申告には納税者と税理士の証明書が必要 ②銀行に提出する申告書の問題 ③地方税が対応していない ④システムそのものがトラブル多くてめんどくさそう

 多分これらは多くの税理士が電子申告に二の足を踏んでいた理由のほとんどだと思います。しかし税理士会を始めとして様々な方々から意見が寄せられたからでしょうか、国税側も本気で電子申告を普及させるための改善を行っていることがどんどん明らかになってきています。

 まず上記の①、これはどうやら平成19年から税理士が代理申告する場合には税理士だけの証明で申告ができるようになるようです。ハッキリ言ってこの点が改善されるだけでも電子申告普及には大変な前進だと思います。なぜなら従来であればいくら税理士が電子申告を行いたくても、納税者に申告に必要な電子証明書を取得してもらう負担が避けられなかったためです。そのため電子申告の開始届を一つ提出するにしても事前準備として納税者側の電子証明の準備が必要で、そんなことを全ての依頼者にお願いするなど馬鹿馬鹿しいとしか言いようがありませんでした。

 ところがこれらからは申告に税理士の証明だけあればよいので、極端な話、開始届などジャンジャン提出することが可能です。納税者の意思確認さえすれば他の税務関係の届出書と同様に税理士の権限でいくらでも気軽に作成できるのです。しかも納税者に与える時間的、金銭的負担は全くありません。これはとても大きな一歩です。

 そして③の地方税の対応、これも最近ではほとんど可能となりました。いくら国税の電子申告ができるといっても地方税が紙による提出であるのなら、結局大した制度ではありませんでした。しかしほとんどの地方自治体で可能となった現在であれば法人においても電子申告の完全化を阻害する要因は無くなりました。

 それから②の問題。これは聞くところによればまだどこの銀行もハッキリと「税務署の受付印がある申告書が無くてもいいですよ」とは言ってないようですが、これだけ政府と税理士会などが電子申告普及に取り組んでいる状況において何をかいわんやという感じですね。ハッキリ言ってこの状況においてまだ「受付印のある申告書でないと・・」などという銀行や担当者がいるとしたら、そんなの無視ですよ。「アホか、これだけ状況も整って税理士と政府がやっと電子申告に本気で取り組もうとしてるのに、銀行がそれに待ったをかけるなんてどういうことやねん。そんなもん銀行の方が電子申告にいち早く対応してくるのが筋やろが」ということです。

 だって政府が強力に推進をしている制度ですよ。それを何で銀行が対応していないから、という理由で我々税理士が止めてしまう必要があるのでしょうか。とはいえ、きっと賢い方々が一杯いる銀行のことですから、電子申告を行っている納税者にも既にきっちり対応しているはずだとは思うんですよね。もしその準備すらしていない銀行があるとすれば、それはもう全くお話になりませんね。無視して電子申告のコピーを銀行の担当者に渡すだけです。

 それから④ですが、これは様々なソフトメーカーが十分対応してきています。きっとこの面については更に便利な申告機能が各社から発表されるはずなのでもはや心配する必要はないでしょう。

 ところで世の中には電子申告をすることのインセンティブを求める声も少なくありません。その要望も理解できないことはないのですが、私は個人的には電子申告を行う、行わない程度のことでインセンティブをつける必要はないと思っています。それよりももっと単純な理由で、すなわち今まで紙で提出していたときよりも電子申告の利便性を高めてさえくれれば、我々のようにそれを生業としている連中は当然飛びつくはずだからです。結局は電子申告の利便性をどうするか、の問題であって、電子申告を普及させるために税額控除を行うことは全くの本末転倒だと思います。

 我々は税務申告のプロです。手書き業務がパソコン業務に取って代わられたのと同様に、利便性が高く業務の効率が高まるのであれば放っておいても我々は必ず電子申告に対応しますよ。そういう意味で言えば、やっと我々の業務改善のために我々自身が電子申告に対応するべき状況が整った、ということなのです。うちの事務所にも一人だけいますが、いまだにパソコン会計すら対応できないで全ての業務を手書きで行っている事務員や税理士が世の中にはいます。しかしこれからはもうそんな人たちは放っておけばいい、という世界になってしまうのです。

 我々はパソコンを十分に駆使した会計と税務申告でどんどん単純作業の効率を高め、代わりに仕事の質をより高いものにして商売として発展させることを考える時代に完全になったのです。電子申告の本格普及により完全に過去の会計や税務の手順とは決別してしまう、もうそういう時代になってきているのです。それについてこれない方々やプロ意識のかけらも持っていないような方々は、申し訳ないけれどこの業界からご退場願う、そういうことなのです。

 もう電子申告への機は熟しましたね。これだけ環境が整えば電子申告をやらない理由など何もありません。私たちの事務所も納税者自身の証明書が不要となる来年1月をめどに着々と準備を進めていっています。来年は真の意味で日本の電子申告元年となることでしょう。新しい税務の流れが来年から始まることでしょう。

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当ブログにお越しいただきありがとうございます、税理士のもりりです。のんびりと、時々辛辣に日々感じたいろいろなことを自由に書いていきたいと思います。

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