税理士もりりのひとりごと

税理士もりりがぶつぶつと日ごろの出来事についてひとりごとを綴っていきます





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強度偽装問題の責任問題

2005 - 11/30 [Wed] - 11:44

 しかし今回の強度偽装問題の被害者に対する補償問題は一筋縄ではいきません。なぜならヒューザーの社長が言っているように、販売者には購入者から建物を買い戻すだけの資金がないからです。考えてもみて下さい、例え何千万円、何億円で建物を売っても販売者の取り分などそんなにあるはずがないのです。ほとんどのお金は建物を造った下請業者たちに流れていっているのです。

 じゃあその下請業者からも返金してもらって耳を揃えて返せばいいじゃないか、ということを言う人もいるかも知れませんが、販売者は建物を造った下請業者に返金を求めていけるでしょうか?「お前が造った建物が悪かったのだから、お前も金を返せ」と下請や孫請けに建物の解体費用の負担と工事代金の返金を要求するのでしょうか。

 そんなこと常識的に考えてできるはずがありません。なぜなら建物を造った下請業者たちは元請が用意した図面の通りに作っただけだからで、彼ら自身には何ら責任がないからです。図面が強度的に適切かどうかなど下請業者に到底分かるはずがありません。ましてや流し台や建物の内装を請け負った下請業者に関して言えば100%偽装問題に対する責任はありません。しかしそんな下請業者ですら販売者やゼネコンに工事代金を返還しないといけないのでしょうか?

 そう考えると元請けの要求に応じて工事を進めた、或いは商品を納入した下請、孫請け業者たちには何の罪もないのです。彼らに金銭的責任を求めることはあまりに可哀相ですし、そんなことをしたら経営に大きな打撃を与えてしまうでしょう。そういうことで結局購入者への返金義務は元請業者や販売者のみが負うことになってしまうのですが、元請業者も販売者も購入者から受けた販売代金の全額を自前で返金することなど絶対に不可能と言うことになるのです。

 ですが責任問題を突き詰めると、購入者に対して責任を負うべきは直接購入者と接触があった販売者やゼネコンなどの元請業者で、彼らががまず購入者に全ての返金を行い、彼らの責任において建物の解体も全て行い、その後で不正な建築設計を行った全ての建築士、強度計算を行った姉歯建築士、そして不正設計を検査で見逃した自治体や民間の検査機関と資金負担を調整するという流れにならざるを得ないのではないでしょうか。

 我々税理士の仕事などそうですが、我々のような専門家が大きなミスを犯して依頼者に迷惑をかけた場合、我々は依頼者に対して全ての賠償責任を負うことになっています。その金額の上限はありません。ですから我々税理士は賠償問題が起きたときのためにその多くが賠償責任保険に入っています。

 そういう我々の感覚から言えば、公からその資格を与えられた建築士と検査機関は意図的であれ偶発的であれ自らの責務を全うしないことによって生じた問題の賠償責任の全てを当然に負うべきではないかと感じます。またその危険に備えて賠償責任保険が存在すべきだと思いますし、多くの建築士や施工業者は入っているはずでしょう。

 まあそういう意味で言っても、保険金を受け取るためには故意に不正建築を行ったとは口が裂けても言えないわけで、この辺りでの駆け引きもあって各社とも大変なのでしょう。現時点で言えることは姉歯建築士だけは既に自己の不正を認めていますので、保険金はまず下りないでしょう。あとイーホームズもその立場上職務を全うしていないのは明らかなので、事件の公表の遅れに問題の焦点をすり替えることで行政や元請達を巻き添えにすることに必死になっています。

 また公的資金で救済するとしても、先ほどの責任の順序からすれば元請や販売者に資金を投入することになり、それでは悪い建物を売った業者を行政が支援するという矛盾を生じてしまいます。また購入者から直接行政が不良建物を買い取るのであれば購入者を早急に助けることはできますが、結局その資金は販売者や元請から回収することになりますので間接的に彼らを支援しているという問題を残したままになります。しかし公的資金などを投入しないでほったらかしにしてしまうと、木村建設だけではなく他の元請や販売者もダメになってしまって結局購入者が損をするという最悪の事態を招きかねないので、公的支援による解決に落ち着かざるを得ないのかも知れません。

 しかしこれでは国民の多くが国家が悪いことをした業者を支援しているというイメージを持つことが避けられず、公的支援投入について国民の多くの賛成が得られるのかどうかが鍵となるのではないでしょうか。これは以前の銀行への公的資金投入と同じ問題で、善良な納税者や経営不振に喘いでいるような企業経営者には釈然としないものがあるのではないでしょうか。

強度偽装と規制緩和問題

2005 - 11/30 [Wed] - 10:01

強度偽装問題に関連して国に責任を求める声が高まっています。その内容は主に二つで、一つは民間検査機関の監督責任を国に問うもの、そしてもう一つは購入者の救済のための資金援助を求めるものです。

いずれも一見正しいものに見えるのですが、これには大きな問題が潜んでいます。フジテレビ系の夕方のニュースで木村太郎氏が話している内容と同じですが、今回のように官から民に規制緩和した業務において問題が生じた場合に責任を国に求めてしまうのであれば、結局困ったときに国に頼る構図が確認されるだけでこれからは何ら規制緩和など進まない、ということです。

なぜなら国の側から見てみれば、コスト削減や利権の解放、そして納期の短縮などの要請から様々な分野で民間の要求を受けて規制緩和を進め、公務員の削減を進めているのに、問題が起きた場合の責任を国に問うのであれば規制緩和などせず国に全ての許認可権を集中させてくれよ、という主張ができるからです。都合の良いときには規制緩和、規制緩和と圧力をかけてくるくせに、いざ問題が起きると規制緩和をした国や役所に責任がある、といわれたのでは国や役所もたまったものではありません。

結局国民が民間で全ての問題を解決するという意識を持たないで、何かあったらお上に頼ればいい、お上に文句を言えばいい、というお上意識がある限り規制緩和などやるだけ無駄です。規制緩和を行うことにより民間は少なからず恩恵を受けているはずなのに、その事はすっかり忘れて問題が起きればお上に責任を求める。これでは全く話になりません。規制緩和で権益を民間にいったん開放したのであれば、全ての問題は民間で責任を負わなければなりません。そういう意味ではイーホームズの社長が国会答弁でチクった「強度不足問題は当事者間で解決すべき内容と理解している」という国土交通省の担当者の見解は誠に正論であると言えるでしょう。

今回の問題で国に責任を求めることで話が終わってしまうのであれば、今後小さな政府の実現や規制緩和などすべきではありません。むしろかつてのように箸の上げ下ろしまで役所のいうとおりにするほど規制を強化し、役所を肥大化させ、民間の行動を全て監視することを求めることになってしまいます。そうする方が民間も責任をとらなくて楽だと考えている人々も実は多いかも知れません。

そういう意味では今回の問題への対処は日本が民間主導で市場を作り上げていくことができるのかどうかの試金石になるでしょう。私は、建築確認業務を民間からの要請によって民間に開放したのであれば、今回の問題の責任を国に問うのは全く間違っていると思います。責任を負うのは販売者と設計士、そして検査機関であるべきで、客観的に見てそれ以外の人たち、国も含めてですが、が責任を負うのは筋違いではないかと思います。

もちろんそのことを承知の上で国が被害者救済策を打ち立てるのであればそれは大変結構なことだと思います。しかしあくまでそれは国の善意として困っている国民を助けてくれているのであって、国が自身の責任を取るためにしていることではないと理解すべきです。ですからまず責任は民間のどこにあるのかを明らかにし、そして責任の分担を早急に明確にし、あくまで全てが民の間で解決されるべきです。もちろんその過程において責任のなすり合いになるはずですから、そこには司法という公による調整は必要です。

しかしいずれにしてもこの問題の解決と責任を国に求めてはいけません。それは日本国民にお上に頼る意識があることを確認するだけに終わってしまい、結局日本という国は役人天国だったのだなということになってしまうからです。役人に頼らないことを意識が高い、とは必ずしも言いませんが、国民の多くが何でもかんでも役人に問題解決を頼るのであれば情けないな、と思いますし、それ以上にこれでは役人が力を持って利益をかき集めるのもやむを得ないなという気がします。それ程役人に頼るのであれば、規制緩和や減税要求など何をかいわんやという気がしますし、役人のすることにいちいち文句など言ってはいけません。

結局この問題については国民の国と民間に関する意識のレベルが問われているわけです。

不正建築の言い訳

2005 - 11/29 [Tue] - 11:46

 いやはや凄いです。今日の国会の証人喚問。例の不正建築問題でのヒューザー、木村建設、イーホームズの各発言の話です。

 ヒューザーの社長はあの顔を見てもわかるように国会でも相変わらず強気一辺倒です。とりあえず頭は下げて買い戻すと発言したものの、自分達は悪くない、悪いのは不正を行った設計者と不正を見過ごした検査機関だ、の一点張りです。

 一方その検査機関のイーホームズの社長は頭は多少回るがいかにも器の小さそうな人間で、発言も終始裏話の暴露的発言でした。ヒューザーの社長があんな卑怯な発言をしたので私はびっくりした、他の検査機関では一年前に不正設計に気がついていたがもみ消した噂を聞いた、などと自分達の落ち度は棚に上げておいて終始他人の裏話を暴露して逃げまくりです。それはまるで優等生が悪いことをして先生に捕まったとき、他の連中に全ての罪をなすりつけたうえで、「自分は何も悪くないのにこいつらのせいでこんな事になってしまった」とひとしきり嘆き、「先生よく聞いて、こいつらこれこれこんな事先生のいないところでやってるんだよ、ひどいよね、俺なんか全然関係ないよ」とチクっている姿とよく似た光景でした。まあ卑怯者丸出しです。

 そして木村建設は、問題の東京支店長はあっさりしたものです。もう会社もなくなるのだし、知るか、何で俺だけ悪者になるんだよ、という感じでさばさばしたものです。一方の社長は終始一貫「知らない」のオンパレードです。まあ社長としてはそう言うしかないのでしょうが、それよりもさっさと会社を整理してこの問題から縁を切りたいという意図がミエミエです。

 これら三者の答弁を聞いていると、まあ客観的にみて全員知らなかったというのは嘘だろ、というのは誰しも感じたことでしょう。一番卑怯な発言に終始したのはイーホームズの社長。ハッキリ言って人の上に立つ人間、或いは組織のリーダーたる人間としては最低の人間です。私なんかテレビを見ていて、「いらん事ペラペラペラペラしゃべんな!少しだまっとけ!」といいたくなるほどの口の軽さと逃げ腰で、こんな口の軽さでは誰も重要な話をしてくれるわけが無く、もう二度とビジネス社会ではまともに相手にされないでしょう。いくら国会という場所であったとしても、言っていいことと悪いことの見極めが全くできていないことにはあきれてしまいました。この人は余程苦労していないんだな、というのが手に取るようにわかります。

 その次は、うーんどうでしょう、木村建設の社長かなぁ。ある意味「知らない」で押し通すところは偉いけど、会社をつぶして逃げの姿勢丸出しなのでそんなところかなぁ。最後ヒューザーの社長ですが、彼が信頼できる人間かどうかは別においておいて、その姿勢は終始一貫しています。嘘も百回言えば真実になる、を地でいく昔ながらのワンマン・カリスマ社長像でしょうか。口の堅さと腹芸の巧みさは政治家並でしょう。ただし私の心配は、本人が絶対逃げないと言っていても、最終的に「最善の努力にもかかわらず皆さんへのお詫びをすませることができない結果となりました、申し訳ございません」というセリフと共に会社をつぶして逃げるのではないか、というところでしょうか。

 まあいずれにしても三者三様、凄い逃げざまでした。こんな絵を見せられると、マンションを買った人たちは本当にがっくり来ることでしょう。本当にひどい話です。しかしこんな連中を助けるために我々の税金がまた投入されるなんて情けない話です。マンションの購入者の方々には誠に申し訳ないのですが、もう勘弁してよと言う感じです。

予算制度導入のススメ

2005 - 11/26 [Sat] - 05:07

 予算制度などとっくの昔に導入しているよ!という会社は多いと思う。大手企業であれば当然、中小企業においても予算制度を取り入れているところは多いだろう。

 しかし私が関わっている会社ではほとんどこの予算制度を導入していない。まあその理由を単純にいえば、予算など設定しても達成できる可能性が低く、単なる絵に書いた餅に終わってしまうので意味がない、というところだろう。

 しかし予算というものはそういうものではないのだ。そこのところを小規模事業者は勘違いしている。何のために予算を設定するのかといえば、それまでのその会社の経営データを元にして、よりよい経営を目指すための目標設定と意識統一をすることが第一の目的なのだ。

 つまり例年の会社の決算内容を基礎としてそこから得られるキャッシュフローデータ、損益分岐点分析などを加味して売上目標やコスト管理を徹底させることに大きな意味があるのだ。それと具体的な数値目標を設定することによって経営者と社員が達成すべきゴールと進度を確認できる点も大きい。さらには「成功哲学」にあるように、目標を具体的に目で見ることができる姿に表現することによって、実際に実現される可能性が高まることも見逃すことができない。

 予算制度を、その目標を達成できなかったときの単なる人事懲罰の基準として、或いは単なる経営者の自己満足として導入するのでは全くその意味を成さない。そうではなくて、予算制度を経営者や社員に目標を持ってより積極的に行動するための精神的指針として捉えることが大切ではないかと思う。もしこれが達成できたらこれだけ資金的に余裕ができる、これだけ経営にゆとりができる、という夢を与えるところに意味があるのだ。

 もし万が一売上予算が達成されなくても、経費予算を達成させることで前期よりも経営状態が良くなることもあるだろう。翌年はまた売上予算を達成させるために全社一丸となって頑張ればよいのだ。結局予算設定の意味はそういうことであって、そういう企業行動を繰り返すことによって会社の規模や経営状態を良くすることが本当の目的なのだ。

 だからまだ予算制度を導入していない会社はすぐにでも予算制度を導入して欲しい。予算制度は経営の基本中の基本といっても良いので、まだのところは予算制度の目的を十分理解している税理士などに早急に相談することをお勧めしたい。

税務署下請問題

2005 - 11/23 [Wed] - 12:20

 最近近隣支部の偉い方々との会議があったのですが、そこで思ったことは「税理士とはかくも行政が行うことに対して逆らう人ばかりなのか」ということ。いやはや驚きました。役所とも円満に事を進めていこうというポリシーを築き上げてきていた私からすれば、少なからぬショックでした。

 もちろんそういう考えを持つに至る過程においては様々な税務署との理不尽なトラブルや個人的な経験も加味されているでしょう。しかしながらとにかく税理士会のかくも多くの人たちが「税務署の下請け仕事」という言葉に嫌悪感を感じ、過剰反応するとは思いませんでした。

 しかしながら現実的には税理士の仕事は税務署の下請け仕事です。税理士の先進的な思想を持っている人たちのなかには税理士が判子を押した申告書はノーチェックで税務署は受理すべき、などという人もいますが、それこそまさに税務署の下請け仕事ではないですか。税務署の代行仕事に他ならないではないですか。はっきりと税務署が申告書を受け付けるという現在のシステムがある中で、いくら税理士の判子が押して有れば無審査で受け付けるというシステムができたとしても、所詮役所が設定した通達を遵守した範囲での申告を行うことが要求されるに決まっており、それではただの下請に変わりありません。

 税務署の職員も小さな政府実現構想を受けて削減されることが決まっています。そうなると税務署で対応しきれない仕事はどこかに外注せざるを得ません。ではどこに外注に出すのがよいのかと言えば、税務申告の実務を最も良く知っている税理士業界になるのは当然でしょう。

 そしてそうやって税務署の代行仕事を数多く行っていくうちに税理士業務への行政からの信頼を高め、行政への影響力も高めて、そして最終的に税務行政を税務署という官から税理士という民に解放されればこれほど税理士の地位を高めさらなるビジネスチャンスにつながることはないのではないでしょうか。

 「昔は税務署に行っていたが、いまは気軽で身近な税理士に頼んで申告書を提出しよう」という社会的認知を得られれば様々な場面でもっと税理士は活躍する場面が増えるのではないでしょうか。そうなれば税理士はもはや税務署の下請ではなく、税理士そのものが申告書の受付機関になれるのではないでしょうか。

 税理士会の一部は下請下請と馬鹿の一つ覚えみたいに行政からの協力依頼をはねつけようとしていますが、協力しても良いじゃないですか。世の中何でもギブアンドテイクです。要は協力する見返りに何を得るのか、それを検討することの方が業界にとっては大切なことではないですか。

 税理士の負担が増える、仕事が増える、それは当然ですよ。しかしそれで報酬が増えるのであれば税理士を増員してでもそれに対応すれば良いではないですか。要は報酬を増やせる話なのかどうなのかということを政治的に高度に判断して交渉すればよいのではないでしょうか?

 そうやって行政と交渉していく過程で結果的に税理士会が主導権を握れるように持っていければよいのではないでしょうか。下請下請とすぐに嫌悪感丸出しの意見を述べる税理士もいますが、小さな政府を実現し、官の仕事を民に解放するということは即ち民の側からいえば最初は全て役所の下請・代行業務に他なりません。

 そもそも申告書を作成することだって、本来的には納税者が税務署に出向いて教えてもらいながら書けばよい話です。それを役所業務から切り離して納税者の代理として税務計算を行い申告書を役所に提出するのが税理士ではないですか。そもそも税理士の仕事は役所の下請、代行仕事のようなものなのです。

 税理士の仕事は税理士自身が何か新しいものを無から作り出すような仕事ではありません。税理士の仕事は納税者の代理で申告書を作成し役所に提出する、極論すればそういうごく定型的で役所的な仕事です。

 私には正直言って支部の役員方の考えが理解できません。二言目には行政は税理士を下請に使おうとしているといいますが、それの何が悪いというのでしょうか。きちんと適切な報酬がもらえるのであれば何も拒否する必要などないでしょう。

 いやそもそも下請業務を無償で請け負う話などを会と行政で行うことが問題なのであって、そちらを問題視するのであればまだしも、とにかく行政への強力要請は何であれ反対、などという意見は役所側から見れば「税理士会は何勘違いしてるの、せっかく助け船を出してやろうとしているのに。税理士って馬鹿の集団じゃないの?」と取られかねないのではないかという気がしています。
 
 もう少し小利口に、大きく実を取るという考えを税理士業界全体として持つことはできないものなのでしょうか。会全体としてそういう大局的、政治的見地に欠けているから医師会や会計士協会などと比べて業界への利益誘導という面で劣っているのではないでしょうか。

 そういう意味でいうと、税理士各自あるいは会全体の思考として大きく欠けているのは大局的・政治的な面を通じての利益誘導的思考と言えるのではないでしょうか。いま会の多数派の意見として存在しているのはより大きな利益誘導を望むよりも現状維持、保身、排他的思考に他ならず、誠に後ろ向きな印象を受けます。これはとても残念といわざるを得ません。

一級建築士の事件

2005 - 11/21 [Mon] - 11:29

 最近一級建築士による建築審査問題が大きくクローズアップされている。何でもそれにより震度5程度の地震で倒壊する恐れのあるマンションやホテルを十数棟以上も建てられているという。関東では震度5くらいの地震はいつでも起きる可能性があるので、まあ恐ろしい話だ。

 しかし同じような国家資格保有者の立場として言わせてもらえるならば、こんな事件が一建築士だけの問題であるはずが無いというのが率直な感想だ。報道によればそもそも姉歯建築士は強度計算の専門家であり、設計そのものを行ったのではないと理解している。ということは当然元の設計を行った人間や姉歯建築士に仕事を回した元請けがいるわけで、彼らに不正建築を行っているという認識が無かったとは到底思えない。

 なぜなら我々の仕事でも同じだが、依頼者に不正を行う意図がなければ税理士が好き好んでハデな脱税申告書を作成するわけがない。建築士だって税理士だって資格剥奪が怖いので不正な書類など好き好んで作るはずがないのだ。ではなぜそういった書類を作らざるを得ないのか、といえば、それはハッキリ言って依頼者からの強力な要請があるからだと考えるのが自然だ。

 今回の事件ではもちろん元請けがそのようなことを姉歯建築士に依頼したなどとは口が裂けても言うはずがない。もちろん姉歯建築士も可能な限りそうは言わないだろう。なぜならそういう行為を行うことで姉歯建築士も相当の報酬を得ていたからだ。だからこんな事例がこの建築士に限った事件ではないと考えるのは至極当然のことだ。最近のマンションブームと価格競争の激化を考えれば、どこでコストを削減するのかと言えば建築費を削るのが当たり前だからだ。

 それからもう一つこの事件で重要なことは、民間の検査機関がこの不正を全く見抜くことができなかったことだ。この検査会社は不正行為が巧みだったので見抜けなかった、と言っているが、そんなことは自分達に検査能力がないと公言しているようなものだ。これでは何のための検査会社なのかさっぱりわからない。無償で検査を行っているのであればまだしも、しっかりと検査料を取っておいて不正を見落とすなど全く話にならない。

 被害者の中には国に責任を求める声があるが、私は個人的に国の検査を代行している検査会社がその最大の責任を負うべきではないかと考えている。なぜ検査を行うのか、という本質論を言えば、未熟な設計や不正な設計が行われる恐れが常にあるので、それを防ぐために検査が存在している事が言えるからだ。つまり検査を行う側は当然不正や計算間違いがあるものとして全ての書類を常に疑って検査する必要があるべきなのだ。

 にもかかわらず何度も何度も同じ建築士が強度計算した書類の不正やミスを指摘することなく許可していたのだとすれば明らかに検査会社に責任がある。つまり検査会社には単なるミスだけではなく、悪意を持った書類をもチェックする技量は当然求められるべきだからだ。姉歯建築士が悪意を持って書類を作っていたのももちろん悪いが、それを見抜けなかった検査会社もそれと同じか或いはそれ以上に悪い。決して彼らは被害者ではない。

 国の代わりに検査を代行していたのであれば、責任は国ではなく検査会社が負うべきだ。それくらいの責任の自覚がないと国の業務の代行などすべきではない。ただ、検査会社だけでなく姉歯建築士も責任を負うのはもちろん当然だが。しかしいずれにしてもこんな建物を買わされた消費者が最大の被害者であることは間違いない。この事件は建築業界全体が抱える問題として業界が真摯に早急に対応することを希望している。

三洋電機の心配事

2005 - 11/20 [Sun] - 11:01

 三洋電機の経営問題について私が個人的に否定的な感触を持っているのは前回書いたとおりなのだが、なぜそう思っているのかと言うことを付け加えておきたいと思う。

 私の頭の中で今回の三洋と同じケースとして思い起こされることは、もう20年近くになるだろうか、楽器で有名なヤマハで起きた経営問題のことなのだ。あの時はヤマハ中興の祖と言われ長期政権をひいた川上源一氏の後に当時業績悪化にも関わらずそのままその子供である川上浩氏が就任したのだ。しかしこの浩氏は、我々が新聞を読んでいるだけでも洩れ伝わってくるほどの「ボンボン無能経営者」の典型で、当然ながら何ら経営改善策を打ち出すことなく、というよりやることなすことがむちゃくちゃでヤマハという会社を潰す寸前にまで貶めてしまったのだ。

 結局彼はどうなったのかと言えば、確か労働組合から辞職勧告を受けた結果まるで社内クーデターが起きたかのように社長職を追われてしまった。私はそのときの記憶が強烈であるため、どうしても三洋電機のこの度のトップ人事に重ねてみてしまうのだ。とにかくヤマハのケースと似ているのは、業績悪化の遠因を作った本人である実父である実力経営者が残ったままでその子息が比較的若いにもかかわらず経営を引き継いでいる点だ。

 残念ながら長期政権をひいた実力経営者がいる場合、もはや彼の周りにはイエスマンしか存在せず、しかも自身で物事を冷静に判断することができない。そのため身内の実力不足を客観視することができず身内を跡継ぎに指名した結果、会社を大きく傾けてしまうことが多い。

 私が知っているだけでもそうやって会社を大きく傾けさせたケースとしては、ダイエーの中内ファミリー、三共の河村ファミリー、そしてヤマハの川上ファミリーを挙げることができる。きっと他にも多くの事例を挙げることができるだろう。だがさらに三洋のケースで心配なのは経営力が全く未知数の第三者が突然経営者に入り込んできている点だ。

 これが実は私にはイトマン事件に重なって見えるのだ。あの時のイトマンも実力者経営者に上手く取り込んだ伊藤寿永光と許永中が会社をさんざん食い物にして伝統ある商社を結局潰してしまった。つまり私には今回の三洋は実力経営者の世襲問題と第三者による経営参加という二つの点で大きな心配をしているのだ。もちろんそんなことは私なんかよりも当の三洋社員の方がずっとずっと不安に思っているはずだが・・。

 まあ三洋電機がどうなるかと言うことについては私がどうこういうことではないが、サラリーマンをしていた経験上無能な経営者が上にいることほどサラリーマンとしてやるせないことはないので、他人事ながら三洋の将来をつい心配をしてしまう訳だが、悪い方向に行くのではないかと実は私は思っている。

三洋電機のトップ人事

2005 - 11/20 [Sun] - 01:40

 三洋電機の業績が悪化している。それに伴って経営陣も刷新され今では元キャスターの野中ともよと井植家の若手が経営陣となった。私は一弱小税理士であるから大したことは言えないのはもちろんなのだが、しかし今までの社会人経験から言わせてもらえれば、この三洋のトップ人事は最悪の人事といっても良い。

 まず野中氏には全く経営の経験がない。いくらお飾りの客寄せパンダとはいえ人選がひどすぎる。こんな経営経験のないトップの下で働く社員の身にもなって欲しい。それは社長の井植氏についても同様で、創業家一族が経営陣を代々継いでいくことは日本のトヨタ、サントリーなどを例に挙げるまでもなく、世界でも良くあるケースではある。しかし成功しているケースは、いずれもその跡継ぎ本人自身が社内外で相当な経験を積んだのちに社内で一定の合意が得られてトップに就任したケースに限られているように見受ける。

 ある程度の経営経験を積んで大企業のトップに就くと言うことは、即ち年齢的には余り若い場合は少ない。もちろん最近の日本ではホリエモンなどの若い経営者がずいぶん台頭してきているが、といっても長期間継続してきた大企業においてはまだまだ見られるものではない。それは急成長しているベンチャーとは抱えているものや調整しなければならないことが比較にならないからに他ならない。

 ところがこの度の三洋のトップの二人である。野中氏と言い、井植氏と言いどちらも日本の名だたる大企業の経営者たるには余りにも経験が不足していると言わざるを得ない。その場合当座どの様な問題が起こるかと言えば、社員のやる気の低下、ひいては優秀な人材の流出と業績のさらなる低下が予想されるわけだ。

 結局経験に裏打ちされていない経営者の言葉には、経験があって能力もある社員を説得し動かす力はないということなのだ。経営の大きな役割に「人を動かす」と言うことが挙げられることには誰も異論はないだろう。そういう意味では社員のやる気をそぐトップ人事ほど経営の失敗はない。特に業績の余り良くない会社に実績や経験のない経営者がポッと来て高い報酬を得ているほど社員のやる気をそぐことはない。

 そう言う点から見て、今回の三洋のトップ人事には大きな不安を持たざるを得ない。また総合家電を捨てて電池に経営を集中させるという経営の選択も余り得策には見えない。勝手な個人的評論で無責任かも知れないが、きっとそれ程遠くない間に三洋はさらなる業績の悪化と経営機能のレベルの問題からトップ人事と経営策のいずれもが見直されることになるのではないかと思っている。

 ついでに一言言うなれば、会社経営は経営者にとってのゲーム(=お遊び)ではない、ということだ。特に大企業の経営者となれば数千人数万人の従業員とその家族の人生を背負っているとても責任の重い行為であることを経営者たちは良く実感すべきだ。残念ながら元ニュースキャスターと創業家のおぼっちゃまに数万人に及ぶ人生の責任がとれるとは到底思えないのが私がテレビの画面を見ていて感じた偽らざる感想だ。とりあえず元ニュースキャスターは業績が悪くなればさっさと辞任するだろうし、おぼっちゃまも早晩降格人事の憂き目にあうような予感がしている。

脱税税理士の逮捕

2005 - 11/09 [Wed] - 12:38

 神戸の税理士が逮捕された。新聞によればその税理士自身の脱税だという。しかも所得隠しは1億以上、脱税額も5千万円超だとか。まあ凄いもんだ。

 実は私もこの税理士と一度だけだが挨拶を交わしたことがある。まあ名の通った税理士ではあったが、これほど儲けていたとは同業者としてもいささか驚いた。何しろ所得隠しを行った後での所得額ですら3年間で7千万円を超えている。それ自体にまず私は驚いた。こんな身近にこれほど儲けている税理士がいるなんて、私もそれ程儲かる税理士になってみたいものだ。

 それにしても脱税で逮捕されるというのは、私の記憶では野村サッチーくらいしか思い出せないのだが、逮捕されるというのは相当に悪質だったということだ。大抵は少しくらい金額が多くても課税当局との争いですんなり認めていれば逮捕までは行かないだろう。

 まあ調査(といっても多分ほとんど犯罪捜査と同じレベル)の時に相当悪態をついたか、証拠隠しを行ったり、調査妨害のようなことを行ったか、いずれにしても脱税行為と同じくらい相当に悪質だったのだろうと想像される。そうでないとただ脱税を行ったということだけでなかなか逮捕までは行かないものだ。もちろん脱税を行ったのが税理士自身の申告だったというのが相当悪質だったのかもしれないが。

 元札幌国税局長だった税理士の時もそうだったが、ちょっと名の知れた税理士は自分にはまさか調査など来ないだろう、という変な奢りがあるのかも知れない。だから今回の税理士も架空給与だとか、職員の給与水増しだとか、売上除外とか普通にやればすぐに足がつきそうな凄くレベルの低い所得隠しを堂々とやっていたわけで、その辺りの神経が凄い。しかも自分の事務所の職員の給与水増しなど良くやったものだ。仮にも税理士事務所の職員、それも有資格者が複数いると聞いている事務所でこの有様だ。

 いずれにしても今回のこの税理士はちょっとやり過ぎたということだ。税の専門家としてのモラルがどうの、とかそう言ったことは私は言うつもりはないが、まあちょっといい加減に押さえておけよ、というところが正直なところだ。確かに税理士の脱税というものは余り出てこないものなのだが、こんなレベルの所得隠しならちょっと税務署のシステムや反面調査で調べれば分かるような気もするし、或いは取引先や職員関係辺りからのチクリあたりから税務署も重い腰を上げたのかも知れない。

 そのようなことがないように私自身は心がけたいものだが、それより何より一度でよいからこの税理士ほど儲けてみたいものだ。それが今の私がほぅ、と唸った一番の点だ。

軽いノートパソコンが欲しい

2005 - 11/03 [Thu] - 12:20

 職場ではデスクトップのパソコンしか使っていないのだが、様々な顧問先からの質問に的確にまた早く答えられるようにノートパソコンをもっと積極的に業務に使っていきたいと思っている。と、思って2年ほど前にノートパソコンを買ったのだがこれが重い。

 ノートパソコンを余り使っていなかったので、ノートパソコンの重量がこれ程大事だとは思ってなかった。もちろん車で移動するのであれば少しくらい重くても大した問題にはならないだろう。しかし歩いたりバイクで移動する機会が多い私にとっては重いパソコンは致命的だ。パソコンをバックに入れて持ち歩いた日には職場に着く頃には腕がちぎれそうになっている。

 今時客先に行ってパソコンを使って即座に回答ができないなどその会社を専門に見ている担当者として、或いは税務の専門家としていささか情けない気がする。また確定申告時期の無料相談などでもパソコンで相談に対応した方が正確で早い。だからノートパソコンをもっと活用して業務に利用したいのだがこんな重いパソコンではとても日常の業務に利用できない。

 というわけで、今猛烈に軽いパソコンが欲しい。シャープとかパナソニックで軽いパソコンがあるのでその辺りのものが欲しいのだが、高い。というか私に資金的余裕がないので買えないだけなのだが(笑)。今時の若い税理士などはノートパソコンをもっと業務に活用しているんだろうな、と思うが、私自身の業務でももっと活用しなければと思っている。

 しかしノートパソコンと職場のデスクトップを機能的に使うためには利用するソフトが肝心になってくる。とにかく会計ソフトはもちろんのこと、税務ソフトも何を選ぶか重要になってくる。が、その話題は長くなるので別の機会に(笑)。

税理士業務のシステム

2005 - 11/03 [Thu] - 01:48

 進んでいる税理士や資金的に余裕があって仕方がない税理士であれば業務に使うパソコンシステムについてもずいぶん便利なものを使っていると思うのだが、一般的な税理士であれば余りシステムについては研究していないのではないかという気がしている。

 これは私の勘で言っているのではなく、私が資格を取って以来会った税理士にはその都度どの様なソフトを使って仕事をしているのかを聞いてきているのでそれ程的はずれではないような気はしている。といってももちろん東京や大阪などの中心地にいるような税理士たちはもっと進んでいるのかもしれないが、私の周りにいる人たちに関して言えばお世辞にも進んだシステムを利用しているとは思えないのが正直なところだ。

 利用ソフトから見れば大体TKC、ICS、魔法陣辺りが多いことになるだろうか。もちろん他にもJDLとかエッサムとかもあるが私の周りには先ほどの三つが多いように感じる。その中でも若手に多いのが圧倒的に魔法陣。これは価格的に安いのと、あと大きな理由は魔法陣のライセンス管理が甘いので不正利用が最も行いやすいのが理由だろう。しかし残念ながら魔法陣は手軽だが、魔法陣でシステムを組んでいる限りそれ程発展性のあるものは作れない。その最大の理由はLANでのデータ共有設定がめんどくさいことと他のソフトととの連携が全くできない点だろう。だから魔法陣を使っている限りコストは安いが、発展性や効率的なシステムの構築は将来的にも不可能だろう。

 TKC、ICS辺りはシステム的にはかなり優れたものだろうとは思うが、何しろコストが高すぎてお話にならない。柔軟にパソコンを増減させる場合にめんどくさくて仕方ない。TKCはシステムのみならずデータまでTKC側に完全に握られているのが気に入らないし、がんじがらめになりすぎる。ICSはスタンドアロンやLANで使えるがシステムが特殊で何から何までICS任せになってしまうのがコストもかかるし嫌だ。しかもデータの汎用性がほとんどゼロなのでせっかくの仕訳データや税務データがエクセルなどで有効に利用できない。

 ただICSはソフト的には多分業界最先端を行っており、申告書のカラー印刷(今ではいろんなソフトでできる)や源泉納付書の印刷などで見せた先進性は他社の追従を許していない。私が他の税理士にICSのこれらの便利さを話したところ、きょとんとされたことがあるが、それがどれほど業務の効率を改善させるのかということについては使ったことがない人には想像すらできないのだ。だから優れたシステムに関する情報が少なすぎることと、その体験をしたことがないということが税理士業界全体としてのシステム改善への積極性を低くしている最大の原因ではないかと私は個人的に考えている。

 不思議なことに私の周りにはエプソンを使っている人がいない。全体のシェアから見ればエプソンのシステムが多いと聞くのだが実際に身近で聞いたことがない。一方最近達人をテストしているが、これはシステム的にはほぼ理想に近い。LANでのデータベース管理が自在なので、ノートにデータを持ち出してそれを客先で変更し、それを職場に持ち帰って職場のデータベースを書き換える、といった作業も何のトラブルもなく容易にできる。またコスト的にも相当安いのだが、残念なのは自社で会計ソフトを持っていないため他社会計ソフトとの連携が上手くいかなくなるととたんに魔法陣レベルと変わらないシステムになってしまうことだ。

 まあいずれにしてもいわゆるオフコン時代からのシステムメーカーたちはシステム面では優れているが、コストが高い割に汎用性が低い。逆にソフトメーカー系は価格は安くデータの二次利用などの汎用性には非常に優れているが、バラバラのソフトであるため一般的に税務と会計でのデータ連携が悪い。

 しかし今からの時代税理士業務の成否はパソコンとそのシステムへの投資を無視して考えるわけには行かない。だから他社、他業種、或いは大手企業などでどの様なシステム管理を行って業務の効率化を図っているのかを研究することは、税理士業務の効率化をはかることができるだけでなく、顧問先に有用な情報を提供することで顧問先の利益にもつながるかもしれない。

 そういう意味ではこれからの税理士業で稼いでいくためには税務会計システムの改善に力を注ぐことがとても重要ではないかと考えている。ただそれに気がついている税理士はまだまだ少ない気がするのも事実だが、少なくとも私自身はこの分野で調査を重ねて適切なコストでベストなソフトを組み合わせてシステムを構築していこうと考えている。
 

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